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フロントエンドの設計を大幅刷新。CFUXで目指すのは、患者一人ひとりに最適化された医療体験

ヘルスケア・スタートアップのLinc'well(リンクウェル )は、リアルの場で展開する事業からデジタルプロダクトを扱う事業に至るまで、医療における統合的な体験設計に取り組んでいます。携わってきた事業のひとつが、ITを徹底活用したスマートクリニック「クリニックフォア*」のプロデュースです。

私たちはいま「クリニックフォア」のIT活用・支援において、「CFUX(クリニックフォアUX改善)」というプロジェクトに挑戦しています。この取り組みではWEBアプリやLINEミニアプリなど、「クリニックフォア」に関連するインターネット上の導線のUIや機能を刷新し、ユーザー体験の大幅な改善を目指しています。

「フロントエンドエンジニアにとって『CFUX』は挑みがいのあるプロジェクトだ」と話すのは、CTOの戸本裕太郎。Linc'wellが「CFUX」に取り組む理由を、プロダクトマネージャーの藤瀬公耀とフロントエンドエンジニアの佐々木峻が戸本とともに解説します。

*…これまでのクリニックは「平日夜間や土日などに開いていない」「待ち時間が長い」「情報がわかりにくい・デジタル上で自分の情報を把握できない」などの課題がありました。「クリニックフォア」サービスでは「いつでも予約ができ、夜間や土日の診療が可能」「必要以上に待たない」「患者さんの情報が患者さん自身の手元にある」状態をWEBシステムによって実現し、クリニックのIT化を行っています。
CTO 戸本 裕太郎(写真左)
中部電力を経てLinc’wellに参画。中部電力ではCIS/ERPシステムの開発後、全社的なICT戦略の立案・実行、AI・ブロックチェーンを使ったオープンイノベーションを推進。2018年Linc’wellにエンジニアとして参画。現在はCTOとして、ハスラー+エンジニア的なムーブをしつつ戦略立案とプロダクトマネジメントに比重を置いて活動。
プロダクトマネージャー 藤瀬公耀(写真中央)
大手人材企業でのマーケティング、HRテック企業でのエンジニア・事業責任者を経験。人々の健康など社会に貢献するプロダクトを作りたいという思いでリンクウェルに入社し、プロダクトマネージャーを担当。
フロントエンドエンジニア 佐々木峻(写真右)
Sier、HR系ベンチャーを経て、レガシーな医療領域をアップデートしたいという想いでLinc'wellに入社。フロントエンドをメインとしつつ、インフラやバックエンドも幅広く担当。

「クリニックフォア」に関連する患者体験のすべてを最適化する

――CFUX」のプロジェクトが発足した経緯についてお聞かせください。

戸本:Linc'wellは2018年4月の創業以来、ヘルスケア領域を支援するためのサービスを開発してきました。これまで作成したシステムは、基本的に「ヘルスケア領域におけるペイン(課題となっている事象)を解消すること」を目的としていました。

医療業界は他の業界と比較するとIT化が遅れていたため、わかりやすいペインを解決するだけでも、PMFがうまくいった部分がありました。しかし、今後はその延長線上ではなく、より利便性の高い医療体験を提供したいと私たちは考えています。


その目標を実現するために、「クリニックフォア」に関連するインターネット上の導線のUIや機能を刷新し、ユーザー体験の最適化に取り組むことにしました。もちろん、これまでもユーザー体験の向上を行ってきました。しかし、現在の「クリニックフォア」のサービス導線は、基本的に「初めてクリニックを利用する方」に向けた最適化になっています。

ヘルスケア領域において、患者は「クリニックに一度行ったら、それで終わり」ではありません。何度も同じクリニックに通うなどして、医療サービスを継続的に受けることもあります。また、患者の日々のコンディションやライフステージなどに合わせて、提供するサービスの種類や内容も変えていくことが、ヘルスケアのあるべき姿だと考えています。そこで、「クリニックフォア」に関連するインターネット上の導線を刷新し、これまでのサービスの延長線“ではない”機能やUIを提供しようと構想しました。

既存のサービスでは「患者が何かの情報を検索して治療の必要性を認知し、クリニックに足を運んで診察・診療を受けるまで」の領域をカバーしていました。刷新後のサービスでは「日常生活のなかに自然とサービスが溶け込んでいる状態。そして、患者が違和感を認知してから診察・診療を受け、継続的に医療の支援を受けるという一連の流れすべてを支えている状態」を目指します。

この目標を実現するために、クロスプラットフォーム対応も行います。WEBアプリやLINEミニアプリ*、iOSアプリ、Androidアプリといった複数のプラットフォームで利用できるようにします。

*…LINEミニアプリは、「LINE」アプリ上で企業のサービスを提供可能にするWEBアプリケーションです。「アプリのダウンロードや煩雑な会員登録が不要」という特長があるため、快適なサービス体験をユーザーに提供できます。また、企業はLINEアカウントに紐づいたユーザーデータを取得することで、サービスの改善や「LINE公式アカウント」などを通じたマーケティング施策に活用できます。Linc'wellは来院予約・変更や保険証の登録、「アレルギー検査」「総合血液検査」「PCR検査」の結果確認、検査結果の推移の確認などができるLINEミニアプリを提供しています。

「CFUX」プロジェクトのフェーズ1で目指す目標とは?

――戸本さんは、藤瀬さんと佐々木さんのスキルを見込んで、このプロジェクトに抜擢したと伺っています。お2人に声をかけた経緯を教えてください。

戸本:「CFUX」プロジェクトの構想がスタートしたのが2021年の下旬でした。しばらくはプロダクトマネージャーが不在の状態で要件の検討などを進めていましたが、2022年に入ってから「そろそろ専任のプロダクトマネージャーを置くべきだ」と思うようになりました。そんな折に、藤瀬さんが2022年3月に入社することが決まったんです。

藤瀬さんが優秀であることは採用面接の段階からわかっていました。ちょうどいいタイミングで、重要な役割を担えるメンバーが参画してくれる。ぜひお願いしようと思い、声をかけたという経緯があります。

また、佐々木さんに「CFUX」のことを初めて話したのは、2021年12月のエンジニア合宿の直前でした。合宿の準備をしているとき、佐々木さんに「こういうプロジェクトに取り組もうと思っているんです。合宿内でもみんなに話します」と伝えました。「CFUX」を成功させるためには、優秀なフロントエンドエンジニアの存在が必須だと考えていたため、年が明けた2022年1月に佐々木さんへと正式に依頼をしました。

――お2人はその依頼を受けてどのように感じましたか?

藤瀬:私は良いサービスを作りユーザーに価値を届けたいという思いが根底にあります。だからこそ、ユーザー体験の大幅な改善や、その目標を達成するためのシステム刷新には大きな価値があると感じました。それに、プロジェクトの難易度は高いですが、私はチャレンジングな仕事が好きなので、不安よりも好奇心が勝りました。

佐々木:私は、依頼を受けた当時はあまりプロジェクトの全貌を理解できておらず「LINEミニアプリのフロントエンドの技術資産を、WEBアプリに移行するようなプロジェクトだろう」と思っていました。ですが徐々に理解が進み、中長期的な未来を見据えた、かなり規模の大きなプロジェクトだとわかりました。藤瀬さんも言われたように、システムの抜本的な改善を行う、意義の大きい仕事だと感じます。


――「CFUX」は規模の大きいプロジェクトであるため、複数のフェーズに分割して開発を進めていくそうですね。現在はフェーズ1だと伺っていますが、このフェーズでは何を目指していますか?

藤瀬:フェーズ1は、クロスプラットフォーム展開の土台を整えることを目標にしています。たとえば、Linc'wellは「クリニックフォア」の予約機能を持つLINEミニアプリ・WEBアプリが別々のGitHubリポジトリになっています。そのため、機能改修をする際には両方のリポジトリに手を入れる必要があり、開発効率が良くありません。

そこで、クロスプラットフォームとして、LINEミニアプリとWEBアプリのフロントエンドの技術資産を統合し、開発・運用の効率を向上させることを目指しています。フェーズ1の中でも2つのステップに分割され、第一ステップでは、LINEミニアプリとWEBアプリの機能差分をなくし第二ステップで、LINEミニアプリの資産をベースに、WEBアプリのフロントエンドを置き換えクロスプラットフォーム化を実現します。

――WEBアプリ側のフロントエンド資産ではなく、LINEミニアプリ側の資産を使うのはなぜですか?

佐々木:WEBアプリ側は、フロントエンドのコードがRailsで書かれていたり、React + TypeScriptで書かれていたりと、複数の技術要素が混じった状態になっています。一方、LINEミニアプリ側はフロントエンドのコードがReact + TypeScriptで統一されています。後者をメンテナンスし続けるほうが、表現力も高く開発効率も良いと判断しました。

プロジェクトを成功させるために2人が取り組む業務

――プロジェクトはどのようなチーム編成になっているでしょうか?

藤瀬:私がプロダクトマネージャー兼WEBディレクターを、佐々木さんがリードエンジニアを務めています。加えて、業務委託のフロントエンドエンジニア複数名とデザイナー1人でチームを組成しており、全員で連携をとりつつ開発を進めています。

佐々木:さらに、サーバーサイドの対応を、オンライン診療チームや対面診療チームにお願いしています。その連携も藤瀬さんがディレクションしていますね。

――佐々木さんはエンジニアとして現在は何に取り組まれていますか?

佐々木:まず、「CFUX」チームのフロントエンドエンジニアやオンライン診療チーム・対面診療チームのサーバーサイドエンジニアが書いたコードを、ひたすらレビューしています。私自身のプロジェクトの全体像の理解と、足元の開発スピードの最大化が目的です。チーム全体の技術力や業務知識の底上げのためにも、内容によっては業務委託の方々にもコードレビューをお願いしています。

さらに、開発体験(Developer Experience)を向上させる取り組みにも着手しています。今後、開発効率をさらに向上させていくための土台作りですね。

たとえば、最近実施したこととして、ステージング環境で画像のアップロードができない事象の解消が挙げられます。Amazon S3のアクセス権限の設定に不備があったため直しました。他には、特定の機能を利用する際に、エンジニアがテストデータを作るのが大変だったため、データ作成用のスクリプトを用意しました。

今後のさらなる取り組みとして、歴史的背景によりLINEミニアプリのステージング環境がHerokuで動いているのをAWSに移行し、他のプロダクトと同じようにAWSで統一することで、より正確な動作確認ができるようにしようとしています。


藤瀬:大きく分けて3つあります。まずは、可能な限りタスクを細分化してわかりやすい状態に落とし込むこと。作業を担当するメンバーが「自分たちは何をすべきか」を詳細に理解できなければ、規模の大きなプロジェクトはなかなか円滑に進みません。

次に、メンバーが最重要な仕事にフォーカスできるようにすること。たとえば、もともとはフェーズ1でLINEミニアプリの開発に集中する方針ではなかったのですが、この業務に取り組むことがプロジェクト全体にとってプラスになると考えて、方針転換しました。

さらに、ステークホルダー同士がハレーションを起こさないようにコミュニケーションすること。プロジェクトに携わるのはエンジニアやデザイナーといった開発職だけではなく、ビジネスサイドや経営陣、医療関係者など、考え方や立場が異なる方々が含まれます。それぞれのメンバーの意見を尊重しつつ、プロジェクトを円滑に進められるように情報連携することを心がけています。

――佐々木さんから見て、藤瀬さんが優れているのはどのような点ですか?

佐々木:相手のことを思いやりながら、気分良く仕事をしてもらえるようにコミュニケーションをとるスキルがあります。また、エンジニアリングの知見があるため、技術的なことを考えながら仕様設計ができます。ドキュメントの整備にも積極的に取り組んでくれています。こうした複数の要素が、チーム全体の開発効率の向上につながっています。本当に心強いですね。

――それでは藤瀬さんから見て、佐々木さんが優れているのはどのような点ですか?

藤瀬:プロジェクトになくてはならない方です。まずは、当事者意識が非常に高く、仕事と真摯に向き合う方です。技術力も素晴らしく、フロントエンドだけではなくサーバーサイドやインフラと幅広く対応いただき、設計から実装まで担っていただいています。周囲とのコミュニケーションも上手で、プロジェクトを俯瞰しつつ動いている印象があります。

フロントエンドエンジニアが腕を試せるチャレンジングな仕事

――今後、プロジェクトに加わるフロントエンドエンジニアはどのような業務を担うことになりますか?

佐々木:フェーズ1の段階では比較的泥臭い仕事が多く、全体的な設計やコードを整備する作業がメインになります。具体例を挙げると、LINEミニアプリの既存コードではReactのCustom Hooksが単一責任ではなく、特定のHookに複数の役割を詰め込んでしまっている部分があります。このプロジェクトを機に再設計して、よりシンプルな設計にしたいです。

フェーズ2以降は、技術的にさまざまなことにチャレンジできます。フェーズ2ではCapacitorを活用してWEB用のソースコードをネイティブビューにすることを想定しています。フェーズ3ではFlutterやReact NativeでiOS/Androidアプリを作成し、さらにユーザー体験を良くする業務が待っています。

藤瀬:このプロジェクトは、数年先の将来を見据えて中長期的な視点でアーキテクチャや設計方針を考えていく仕事になります。その経験はエンジニアにとって価値がありますし、今後マネージャーになるキャリアを考えている人にとっても、学びが大きいはずです。

佐々木:さらに言うと、中長期的なゴールを見据えつつ、スピード感を持って目の前にあるタスクを解決していく必要があります。そのバランスをとることが難しくもあり、楽しさにもなっています。

――藤瀬さんと佐々木さんは非常に前向きな気持ちでプロジェクトに取り組まれている印象を受けますが、そのモチベーションの源泉は何ですか?

藤瀬:ひとつは難しいからですね。私は難しい仕事であればあるほど楽しいと感じるので、それがモチベーションにつながっています。また、私は技術が好きなので、エンジニアの方々と仕様や設計などについてコミュニケーションすることが純粋に楽しいです。

そしてこのプロジェクトは、レガシーな仕組みがまだまだ残っている医療という業界に、一石を投じる仕事だと思っています。今までになかった医療体験を自分たちの力で作れるのは夢があります。

佐々木:私も、難しいほど楽しさを感じることや、医療体験を変えることに意義を感じていることは同じですね。それから、これまで懸念材料だったフロントエンドの技術的負債を解消できることは相当にやりがいが大きいです。組織全体の開発体験向上につながると思っています。

――どのようなスキルやマインドのフロントエンドエンジニアに参画してほしいでしょうか?

佐々木:ひとつは想像力豊かな人。サービスの仕様や設計を検討していくなかで、他のメンバーが考慮漏れしてしまった場合でも、想像力を働かせて補ってもらえるとすごく助かります。それから、泥臭い仕事に対して前向きな人や、設計の原理原則などを理解して技術に明るい人。加えて、これはフロントエンド領域とは離れてしまいますが、今後のプロジェクトの展開を見越して、FlutterやReact Nativeなどを利用したアプリ開発の知見を持っているとなお良いですね。

藤瀬:ユーザーが実際にサービスを使う場面を想像しながら、仕事に取り組めることが大事だと思います。その力があれば、仕様の考慮漏れなどに気づけますし、より良いユーザー体験について考えることができます。他には、技術だけではなくビジネスのことも考えつつ、意見を出せること。そして、「なぜ医療に関わるのか」「なぜスタートアップで働くのか」という問いに対する、自分なりの答えを持っている方と一緒に働きたいです。


――最後に、プロジェクトに参画することでフロントエンドエンジニアのキャリアにどのようなプラスの影響があるかを伺います。

佐々木:相当に技術的なチャレンジができると思います。フロントエンドの再設計や移行、ネイティブアプリ化、インフラのアーキテクチャ変更。フロントエンドエンジニアの枠に収まらない経験を積めるはずです。そして、誰かから言われたものをただ作るだけではなく、ビジネスのことやユーザー体験のこと、医療の未来のことを見据えながら開発する楽しさを得られます。

藤瀬:さらに大きな事業成長に向けて、メンバーが一丸となってプロジェクトに取り組んでいます。これだけ大きなプロジェクトに携わる経験はフロントエンドエンジニアとしての自信につながると思いますし、周りからの見方も変わるはずです。そして、佐々木さんからもありましたが、複数の技術領域を横断しながら仕事をするため、エンジニアとしてのスキルも向上します。

戸本:私たちが扱っているのは、AWSやReact、TypeScriptなど、ソフトウェア開発の世界においてモダンとされている技術です。これらの技術を経験することは、エンジニアのキャリアにとってプラスに働きます。

かつ、私たちは医療というドメインのなかで、クリニックにおける主要オペレーションのIT化からインターネット上でのサービス展開まで、幅広い領域を垂直統合して扱っています。経験できる業務がユニークだと思うんですよ。それに、何より私たちの仕事は社会貢献性も高いです。そういった要素に魅力を感じてくださる方と、ぜひ一緒に働きたいです。

<Linc'wellはともに働く仲間を募集しています>
・フロントエンドエンジニア(React)
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・サーバーサイドエンジニア(Ruby on Rails)
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・SRE/インフラエンジニア
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株式会社Linc'well (リンクウェル)では一緒に働く仲間を募集しています
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