こんにちは、LivCo代表の佐々です。
3月27日、特定技能の外食分野で新規の受け入れが停止になった。
正直、このニュースが出た瞬間、社内はざわついた。うちの売上の約半分は飲食業界向けの人材紹介で、そのうちの約65%が新規の在留資格発行を伴う紹介。つまり、ざっくり計算すると売上の約30%がこの規制によって直接影響を受ける。今回の件で外国人業界への新規参入は確実に減るし、この業界から撤退する会社も出てくると思う。
もちろん僕らのような仲介業者にとっても大きな痛手だけど、それ以上に心配しているのは飲食業界。物価の高騰や人件費の上昇で四苦八苦されている中で、頼りにしていた外国人採用の道まで突然閉ざされる。現場への打撃は計り知れないと思う。
「佐々さん、これ、うちヤバくないですか」
友人起業家からそう聞かれた時、僕は「まあ、想定内だよ」と答えた。
嘘じゃない。本当に想定していた。でも、想定していたからといって平気かと言われると、それも嘘になる。やっぱりしんどい。ただ、しんどいけど、致命傷にはなっていない。それは偶然じゃなくて、この4年間ずっと「こういうことが起きる」と思って事業を作ってきたからだ。
今日はその話を書こうと思う。
3月27日に何が起きたか
まず、事実を整理しておく。
特定技能というのは2019年にできた在留資格で、日本の人手不足が深刻な業界に外国人を受け入れるための制度だ。飲食、介護、農業、建設など、今は16業種が対象になっている。
この特定技能には業種ごとに受入れ人数の上限が設定されている。外食分野は上限が5万人。2025年11月末時点で約4万2,000人、2月の速報値で約4万6,000人。このペースだと5月頃に上限に達する見込みとなり、農林水産省と出入国在留管理庁が4月13日からの受入停止を発表した。発表は3月27日。停止まで3週間足らずだ。
入管庁は、今回の停止が「年単位の過去にない長さになる」と見ている。
しかも、外食だけの話じゃない。飲食料品製造業はすでに上限の69%、建設業も64%に達している。近い将来、同じことが他の業界でも起きる可能性がある。
ここからは僕の所感になるけど、この停止の仕方には正直、かなり問題があると思っている。
すでに内定をもらって前の仕事を辞めた人もいる。飲食で働けると思って日本語を勉強していた人もいる。日本に行く準備を進めていた人もいる。その人たちに「やっぱり無理です」って。
外国人は内定が出ると家族を救える喜びから抱き合って喜ぶ
日本人の転職と違って、彼らにとっての「内定取り消し」の重みは桁が違う。東南アジアから来る人たちの多くは、家族の人生を背負って日本に来ている。お父さんの入院費を払うため、妹を学校に通わせるため、本当に切実な理由で働いている。日本で働くために何ヶ月も日本語を勉強して、渡航の準備にお金を使って、やっと手に入れた内定が土壇場で消える。それがどれほどのことか、現場にいると痛いほどわかる。
制度を作ったなら、もっと前もって周知するなり、段階的に制限するなり、ちゃんと運用してくれ、というのが正直な気持ちだ。
上限数の根拠も不透明だ。外食が5万人に対して介護は13万5,000人。2倍以上の差がある。その算定根拠の説明は十分にされていない。
宿泊業なんてまだ上限の10%にも達していない。その余った枠を飲食に回すような柔軟な運用もされていない。
日経新聞より
そもそも、業界によって試験の難易度も頻度も実施エリアも、試験の言語すら違う。日本語で行われる試験もあれば現地語で行われるものもある。簡単で受けやすい業界ほど受験者が殺到して、結果的に上限に早く到達する。この構造自体がフェアじゃないと僕は思っている。
ただ、政治や制度に文句を言っているだけでは何も変わらない。業界団体を通じた政府への働きかけはもちろん続けていくけど、僕らは事業者として、この現実の中でどうするかを考えなきゃいけない。
なぜ「想定内」だったのか
上限が設定されていたこと自体は、制度発足当初から分かっていた。いつかこの日が来ることは、業界にいる人間なら誰でも知っていた。
でも、知っていたことと、備えていたことは違う。
僕にははっきりした原体験がある。ミャンマーだ。
学生時代にミャンマーで起業した。ミャンマー版のリクナビみたいなキャリア教育メディアを作って、15人くらいのミャンマー人メンバーと一緒にやっていた。メディアは100万人くらいのユーザーがつくまでに成長した。手応えがあった。
でも、コロナが来て、その後にクーデターが起きた。
軍事政権下で、日本の大学生が作ったメディアなんて目をつけられたらひとたまりもない。事業を続けられる状況じゃなくなった。結局、事業を売却して、チームは解散した。(その時の様子は下記)
この経験が僕の経営の根っこにある。
どんなに事業がうまくいっていても、政治が変われば、制度が変われば、戦争が起きれば、一瞬で全部ひっくり返る。特に外国人ビジネスはその影響をもろに受ける。国の政策一つで市場が消える。それを身をもって知っている。
だから、LivCoを創業した時から、一つの業界、一つの国、一つの収益源に依存しない事業構造を意識してきた。
具体的にやってきたことは、大きく3つある。
事業の多角化、川上の確保、そしてファイナンスの設計だ。
「ランチェスター戦略だけじゃ生き残れない」
ベンチャーの教科書的には、まず一つのドメインで圧倒的なNo.1になれ、それから横展開しろ、と言われる。いわゆるランチェスター戦略だ。
僕もその考え方自体は理解している。実際、外食業界は僕らが最も強い領域だし、そこでの実績がLivCoの信頼を作ってきた。
ただ、外国人業界に関しては、ランチェスター戦略だけだと死ぬ。
カントリーリスクがある。制度変更がある。戦争がある。ミャンマーで起きたことと、今回の外食の上限停止は、規模は違えど構造は同じだ。外部環境の変化一つで、事業の前提が根底から覆る。
だからうちは、いくつかの軸で意識的にリスクを分散してきた。
まず、国の多角化。ミャンマーから始まった事業だけど、途中からインドネシアとベトナムにも展開した。国ごとにマネジメントの仕方も集客経路も全然違うから、正直オペレーションは大変だ。でも、実際にミャンマーからの受入れが軍の出国規制でほぼストップした時、インドネシアとベトナムがあったからうちは影響を最小限に抑えられた。あの時ミャンマー一本でやっていたら、売上はゼロになっていた。
次に、営業対象の業界。創業当初は外食が多くなりながらも、介護、農業、食品製造など複数の業界に展開してきた。今のうちの売上構成は、飲食が約50%、残りの50%が介護やその他の業界だ。介護に関しては約2年半前に業界に深いネットワークを持つ顧問に入ってもらい、参入障壁の高い介護業界の経営者層とも繋がりを築いてきた。これがもし飲食100%だったら、今頃相当苦しかったと思う。
それから、そもそもの事業領域自体の多角化。うちは人材紹介だけの会社じゃない。紹介する人材の事前教育をインドネシアでやってるし、紹介した後のアフターフォローをする登録支援機関の運営もやっている。外国人向けに特化した不動産の賃貸仲介事業もやっている。
LivCoの多角的な事業群
さらに、中長期では外国人×テクノロジーの領域にも仕込みを進めている。外国人の情報プラットフォームをつくるITプロダクトの開発や、外国人×フィンテック、外国人×データサイエンスといった領域だ。AI戦略の責任者やプロダクトマネージャーの採用はすでに完了していて、デジタル事業への投資は始まっている。
僕がイメージしている事業構造は、サイバーエージェントに近い。サイバーエージェントは労働集約型のインターネット広告代理店事業で営業をゴリゴリ回してキャッシュを稼ぎ、そのキャッシュをAbemaのようなプラットフォーム事業に投資してきた。Abemaみたいな夢のある事業は、VCから調達して作るのが難しい。自社の利益で回しているからこそ成立している。
僕らも同じ構造を目指している。今の人材紹介事業は労働集約型で、営業をどんどんかけて売上を立てるビジネスだ。ここでしっかりキャッシュを稼ぎながら、そのキャッシュをプロダクトの開発に投下していく。キャッシュだけじゃなく「人」も必要だから、労働集約的な事業の中で人をしっかり鍛え上げて、ブランドと資金と人材が揃った状態で次のフェーズに進む。そういう事業構造を創っていきたい。
こうやって書くと「手を広げすぎじゃないか」と思われるかもしれない。スタートアップの常識からすると非効率に見えるだろう。でも、僕は効率よりも生存を選んできた。外国人業界でランチェスター一本足でやっていたら、ミャンマーのクーデターで一度、今回の外食停止で二度、致命傷を負っていた可能性がある。
「川上」を押さえる
2つ目は、サプライチェーンの川上を自分たちで持つという話だ。
この業界の構造は単純で、東南アジアの現地で人材を育てて送り出す「川上」と、日本国内で企業に紹介する「川下」に分かれる。日本の紹介会社のほとんどは川下しか持っていない。現地の送り出し機関から人材を仕入れて、企業に売る。でもこの構造だと、供給の量も質もコントロールできないし、川下には同業者が無数にいるから価格競争に巻き込まれ続ける。
しかもこの業界はずっと「買い手市場」だった。日本で働きたい外国人が求人より圧倒的に多かったから、企業は金額を叩ける。紹介手数料はどんどん下がっていた。
でも、この構造は変わりつつある。日本の人手不足で「外国人を雇いたい」企業はものすごい勢いで増えている一方、日本に来たい外国人の増加率は鈍化していく。ベトナムは国内経済が成長して出稼ぎの必要性が薄れているし、円安で日本の賃金の魅力も下がっている。この市場は確実に「売り手市場」に移行する。
売り手市場で勝つのは、供給元を握っている会社だ。優秀な人材を抱えている大元が、単価も紹介先も全部決められる。買い手市場で叩かれていた価格が、供給元の言い値に変わる。プライスリーダーになれる。
LivCoでは紹介だけでなく、現地の教育・集客機能も一体化
だから僕らは3年前からインドネシアで直営の日本語学校を運営している。カリキュラムも選抜基準も自分たちで設計するから人材の質をコントロールできるし、中間マージンも不要になる。自社で紹介することもできれば、他の紹介会社に供給して対価を得ることもできる。大手人材会社は供給を持っていないから、川上を持っている僕らは競合ではなくパートナーとして求められる。(インドネシア日本語学校動画はこちら)
インドネシア日本語学校の様子(スパルタ式の学校です)
外国人労働者はどこから来るのか。
東南アジアの現地だ。日本国内でどれだけ営業を頑張っても、それは川下の話に過ぎない。大元を押さえていることが、このマーケットでは全てだと僕は思っている。だからここに投資してきた。そして今回の外食停止のように川下が荒れても、川上の資産は残り続ける。
なぜVCから調達しなかったのか
3つ目は資金調達の設計だ。
うちは現時点では、VCからのエクイティ調達をしていない。
VCの方々とは創業初期に何社かお話しさせていただいた。ありがたいことに興味を持ってくださるところも多くあった。ただ、当時の僕にはこの業界の将来像を5年単位で確約するだけの材料が足りなかった。制度変更一つで市場がひっくり返る業界で、確信のない数字を約束するのは誠実じゃないと思った。だから、まずは自分たちの力で事業の形を証明してから、改めてお話しできるタイミングが来ればいいなと考えていた。
結果的に、自分たちの収益と、銀行からの融資と、エンジェル投資家の方々からの出資でここまで回してきた。(タイミー小川氏などからの調達エピソードは下記)
成長スピードは遅いかもしれない。でも、今回みたいな外部要因で売上の3割が一時的に止まるような事態が起きても、時間的なプレッシャーに追い込まれずに戦えている。これは大きい。時間に追われると、どうしても短期の数字を追いかけることに意識が向いてしまって、本来やるべき中長期の事業戦略やミッションに対する投資がブレる。外国人業界のように不確実性が高い領域こそ、腰を据えて中長期のバリューを積み上げる経営ができるかどうかが勝敗を分けると思っている。
事業の形が見えてきた今、次のフェーズではどういう資本政策が最適かは改めて考えていきたい。
この先、何が起きるか?
じゃあ今後どうなるのか。僕なりの読みを書いておく。
これから外国人市場で起きること
今回の停止で外食業界への紹介が完全にゼロになるわけじゃない。特定技能外食で既に働いている人の紹介は依然として可能だし、特定技能外食の5万人という枠は、毎年2〜3割が離職したり、他の業界に転職したり、特定技能2号に切り替えたり、日本人と結婚して家族滞在ビザに変えたり、帰国したりする。つまり年間1万〜1.5万人くらいの枠は毎年新たに空く。再開されれば、今までの年間1万人程度の新規在留資格交付ペースとそこまで大きく変わらない可能性もある。
そもそも、外食の枠の再開についても、僕はそこまで悲観していない。ご存知の方もいるかもしれないが、2019年に発表された特定技能の上限数は、2024年に多くの業界で見直されて拡大された。しかし外食業界だけは上限が据え置きのままだった。これは業界内でもかなり疑問視されている。
裏を返せば、外食業界のみ産業単位でのロビー活動がまだ十分に機能していなかったということだ。そこに伸びしろはある。飲食業界の大手企業からの要望は相当強いし、僕自身も関わっている外国人雇用協議会や食団連からも政府への働きかけを続けている。
ただ、確実に変わることが一つある。今まではぶっちゃけ「誰でもいい」に近い状態で受け入れが進んでいた。枠が潤沢にあったから。
でも、これからは少ない枠に対して多くの求職者を当て込んでいくことになるので、どんどん「優秀な人」が求められるようになる。優秀の定義は何かというと、まずは日本語力と日本での生活経験。つまり、すでに日本に住んでいる国内人材の転職組が中心になっていくのは間違いない。
加えて、特定技能2号という上位資格の存在が大きくなってくる。これは約3年以上特定技能1号で働いた経験者が取得できるもので、受入上限がない。ほぼ永住権に近いビザで、企業側も登録支援費用の月額負担がない。企業にとっては採用コストのメリットが大きい。外食業界では直近1年で取得者が約20倍に急増している。マーケティングの難易度は高いけど単価も高い。ここは確実に伸びる市場だ。もちろん2号も国内人材の一つである。
それから、特定技能の対象業種自体がどんどん増えている。元々12業種だったのが今は16業種で、さらに拡大の動きがある。各業界団体が政府に働きかけて「うちの業界にも受け入れさせてくれ」とロビー活動している。縦の上限人数は確定してしまったけど、横の広がりには上限がない。
よく考えると、今まで青天井だった市場が適正化されるだけで、外国人業界自体がなくなるわけじゃない。人口減少に従い縮小する日本人市場に比べたらそもそも対象業種が増えていく外国人市場は魅力的な市場であり続ける。今回の外食産業における在留資格発給の一時的ストップは局所的な影響に過ぎない。
これからもLivCoは攻め続ける
ここまで書いてきた事業の多角化、川上の確保、ファイナンスの設計。この3つはこれからも当然続けていく。むしろ今回の件で、この方針が正しかったと確認できた。
その上で、短期的にこのフェーズをどう攻めるか。
これからの市場は「限られた枠の中で、いかに質の高い人材を紹介できるか」が問われるフェーズに入る。ここで大事になってくるのが、国内にいる1号2号含めた外国人へのB2Cマーケティングだ。
ただ、実はこの「B2Cマーケ」ができるプレイヤーが、この業界にはほとんどいない。
そもそも特定技能が始まる2019年以前、外国人の紹介は「現地から連れてくる」B2Bの世界だった。非営利の監理団体が送り出し機関とやり取りして、人を入れる。それだけで完結していた。営業も、マーケティングも、必要なかった。
特定技能で「国内転職」が可能になったことで、初めてB2Cの要素が生まれた。日本国内にいる外国人に対して、求人の情報を届けて、応募してもらう。日本人の転職市場では当たり前のことだけど、この業界の最大勢力である旧来の監理団体には、その経験もノウハウも組織もない。制度上、他所への営業活動が制限されていた組織だから、攻めのマーケティングをやったことがない。一方で大手人材会社はマーケ力はあるけど、外国人紹介のオペレーションが複雑すぎて本格参入しきれていない。
つまり、B2Cマーケティングの能力と、外国人紹介の実務経験、この両方を持っているプレイヤーが構造的に少ない。
うちは創業時から、ここを主戦場として組織を作ってきた。在日の東南アジア人向けの就活メディアを合計25万人規模で運営していて、社内にマーケーターが6〜7人、全員が現地人もしくは現地語がペラペラの日本人だ。僕自身もミャンマーで100万人規模のメディアを作っていた経験があるから、東南アジア人向けSNSマーケティングは得意分野だ。枠が狭くなって人材の質が問われるフェーズに入るほど、この体制が効いてくると思っている。
弊社のB2Cマーケティングを支える多国籍メンバー
そして、僕らはまだ特定技能の対象になっていない業界に対しても、自ら仕掛けていきたいと思っている。
実際、政府は物流倉庫管理、リネンサプライ、資源循環(廃棄物処理)の3分野を新たに追加する方針を示していて、2027年頃の制度運用開始が見込まれている。EC需要の拡大や高齢化に伴う医療・介護周辺の人手不足を考えると、対象分野はこれからも増え続けるだろう。さらに、現時点ではまだ認められていない業界もたくさんある。警備、小売、美容など。こうした業界も人手不足は深刻で、いずれ特定技能の対象になっていく可能性は十分にある。
新しい業界が外国人採用を始めるとき、最初にやるべきことは大量にある。その業界の企業に「外国人を受け入れるとはどういうことか」を伝えるところから始まって、受入スキームの設計、現地での人材育成カリキュラムの開発、試験開発、最初の一人を紹介して定着させるまでのハンズオンの伴走。制度が新しいうちは、何をどうすればいいか誰もわからない。その「最初の一歩」を一緒に踏み出せるプレイヤーが、その業界で先行者利益を取れる。
また、制度設計にあたり政府に働きかけを行う際のサポートも業界団体などを通じ、僕らはプロとしてお役に立てるはずだ。新しい業界がしっかりと政府に声を届けるための支援や、制度設計のコンサルティングに入ることも、外国人業界の専門家として十分に可能だと考えている。
実はこうした動きはすでに始めている。
2025年に特定技能制度に新規追加された自動車運送業界にて大きなシェアを持つSBSホールディングスからエクイティーで資金調達をさせていただき、人材のご紹介だけではなく、同社と密にコミュニケーションを取りながら、ドライバーや倉庫といった新しい分野で外国人採用をどう進めていくか、事前教育をどう現地で行なっていくべきなのか、ディスカッションを重ねている。
SBSホールディングス鎌田社長と
僕らはすでに外食と介護でこの「新しい業界への導入」のプロセスを経験している。川上の送り出し機関も持っている。新しい業界が開いた時に、人材の供給から紹介、定着支援までを一気通貫で提供できる体制がある。外国人業界の「何でも屋」として、守りと攻めの両方を進めていく。
さいごに
最後に少しだけ、なぜ僕がこの業界に居続けるのかを書いておきたい。
リクルートを辞めてLivCoを立ち上げたきっかけは、副業で東南アジア人のシェアハウスを運営していた時に、住人たちから仕事の悩みをたくさん聞いたことだった。「日本で働きたいのに、仕事が見つからない」「ビザのことがよくわからない」「相談できる人がいない」。
日本は今、あらゆる業界で人が足りない。一方で、東南アジアには日本で働きたい人がたくさんいる。このマッチングを正しくやることは、普通にビジネスとして成立するし、同時に社会的な意味もある。
業界が逆風の時こそ、その事業をやる意味が問われる。「儲かるからやる」だけだったら、今回みたいな局面で撤退するのが合理的だ。でも、僕らはそうじゃない。
僕はこの業界が10年後、20年後に日本の産業構造を支える基盤になると確信している。外国人なしでは回らない業界がすでにたくさんある。飲食店を見ればわかる。介護の現場を見ればわかる。
一時的な浮き沈みで撤退するほど、僕らの覚悟はやわじゃない。むしろ、業界に激震が走り、ピンチの業況で撤退していく会社が出るなら、ラッキーだと思っている。この業界を粘り強く見つめ続けた会社が、最後に勝つ。市場が再び拡大する時に圧倒的なポジションを取れる。ピンチの時こそ、次の勝者が決まる。
数年後に「あの時、粘ってよかったね」と言い合える状態を作るために、今日もやれることをやる。
また明日から頑張ってまいります!