1
/
5

わたしの本棚(齋藤編)


こんにちは!LMCの齋藤です。

社員紹介が全社員一周したので、今回からはそれぞれ「お勧めの本」や「愛読書」を紹介することとなりました。先日開催したLMC女子会でも読書の話題になり、ミステリーや重めの恋愛小説等、読んでいる本にも個性が出ていて面白かったので、それぞれが紹介する本から社員の人となりを知っていただければ幸いです。

ということで、まずは私からスタートいたします。お気に入りの本はほとんど実家にあるので、記憶を頼りに何冊か紹介していきたいと思います。

もの食う人びと(辺見庸)

元共同通信の記者である作者が、世界各国へ赴き現地の人々と同じものを同じように食し、食を通してその国その場所の実際を、圧倒的な語彙と筆致で描き出す大傑作のルポタージュです。

私はとにかく食べ物が好きなので、食にまつわる本はよく読むのですが、この本は一味違います。まず冒頭のバングラデシュで、うっかり屋台で腐りかけの残飯を食べてしまうところで本当に衝撃をうけました。食べる人、食べられない人、何を食べるのか、誰と食べるのか、何に祈り食べるのか・・・古今東西老若男女、嬉しくても悲しくてもみんな必ず腹は減るのだなと思わされます。

考えさせられる描写が多々あったはずなのに今思い出せるエピソードは、絶対食べられないけどジュゴンって美味しいのかな、とか、猫缶を作ってる女の子のランチ美味しそうだったな、とかばかり・・・特に、ベトナムの夜行列車で車内販売のモチバーガー(つきたてのお餅の間に角煮が挟んである)を食べる「ベトナム銀河鉄道」という話が好きです。とにかくモチバーガーが美味しそうで・・・。いつか本物を食べてみたいです。

20年ほど前のベストセラーなので社会情勢は少し変わっているとは思いますが、一話ごと様々なことを考えさせられるルポばかりです。絶対読んで損は無いと思います。未読でしたら是非!

地球家族(ピーター・メンツェルほか)

「申し訳ありませんが、家の中のものを全部、家の前に出して写真を撮らせて下さい」というコンセプトで世界各国の平均的な家族を撮影した写真集です。こんな壮大な企画、よく実現できたなーと感心してしまう立派な写真集です。

『もの食う人びと』に続き世界の人々に関する本ですが、私は国際情勢に興味があるというより、自分とは全く違う文化や価値観、生き方をしている人たちにとても興味があります。この写真集も20年ほど前に出版されたものなので世界も日本も変わっていますが、きっと今でも私たちとサラエボの人たちの暮らしは全く違うことでしょう。高級車が4台ある家庭もあれば、財産といえるものはロバ1頭だけの家庭もあります。豊かさとは、幸福とは、と考えさせられる一冊です。

また、私は雑誌の特集などでよくある「バッグの中身全部見せてください」的な企画が大好きなので、そういう野次馬根性欲も満たされる内容になっています。シリーズに『続・地球家族』『地球の食卓』などもあるので、興味があれば是非読んでみてください!

ゆっくりさよならをとなえる(川上弘美)

中学生のころに、父から「日本で一番美しい文章を書く作家だからこれを読め」と、『蛇を踏む』『神様』の二冊を渡された時から川上弘美さんのファンになりました。もちろん小説も素敵ですが、私はこのエッセイがとても好きです。

まずタイトルが良いですよね。そして中身のエッセイたちも『春のおでん』(若い絵描きの友人とおでん食べる話)や『しょうがパンのこと』(幼いころ童話で読んだジンジャーブレッドについての話)とか、とにかくなんだかいい感じなんです。川上さんもご自身のことを「いじきたない」と評しているように、小説にもこのエッセイにも食べ物が沢山出てきます。おでんなんてコンビニでも売っているし、ジンジャーブレッドに至っては、食パンに紅ショウガを埋め込んだものというとんでもレシピも登場するのですが、川上さんが書くととにかくなんだかいい感じになるのです。

食べ物もよく出てきますが「本」も沢山登場します。圧倒的な読書量です。『檀流クッキング』も川上さんのエッセイで教えてもらいました。別に競ってもいないのに「この人には適わないなー」と思わされます。

ごくふつうの日常を描いているはずなのに、どこか夢と現実の狭間のような世界観。ですがこのいい感じさをこちらに押し付けてくるような圧も感じない、さりげなくベールのようにいい感じが全体を覆っているような一冊です。冬の夜にはゆっくりさよならをとなえてみましょう。

以上、三冊をご紹介いたしました。『もの食う人びと』は朝礼でも話したことがあるので、一度紹介したものを使うなという物言いが某社員からありましたが、無視して紹介させていただきました。ビジネス本や自己啓発系の本はあまり読まないのと、おそらく他の社員が紹介するだろうと思い、この三冊をピックアップいたしました。三冊とも実家にあり、紹介記事を書いているうちに読み返したくなったので、今日は本屋さんに寄って帰ろうと思います。皆さんも良い読書ライフを!

リーシング・マネジメント・コンサルティング株式会社では一緒に働く仲間を募集しています
11 いいね!
11 いいね!
同じタグの記事
今週のランキング
リーシング・マネジメント・コンサルティング株式会社からお誘い
この話題に共感したら、メンバーと話してみませんか?