ぼくの本棚(石井編)
こんにちは 石井です。
ぼくの本棚第4回を務めさせて頂きます。
さて、社内の人間からすると意外かもしれませんが、私は読書が大好きです。特に推理小説が好きで、小学生のころの愛読書は「シャーロック・ホームズ シリーズ」でした。
ただ、本を読みだすと熱中しすぎ、読み終わるまで他のことが一切手につかなくなるため、現在は読書をセーブしております。
そんな私が最近読んだおすすめの本は、
フィル・ナイト著「SHOE DOG(シュードッグ)―靴にすべてを。」
です。
大変有名な本の為、既に読まれている方も多いかもしれませんが、世界的スポーツメーカーであるナイキの創業者の自伝です。
※この後の文章はネタバレを含みますので、「SHOE DOG」を読んでからスクロールしてください。
フィル・ナイトと彼の仲間たちが如何にして一代でナイキを作り上げたかがナイトの一人称視点で語られていく内容で、500ページを超える大作なのですが、とても面白く一気に読むことが出来ます。
皆さんは「オニツカタイガー」というシューズを御存じでしょうか。
1950年代以降スポーツシューズとして名を馳せ、現在では主にタウンユースのスニーカーとして販売されているシューズなのですが、開発したのは今のアシックス、つまり日本のメーカーでした。
なぜ唐突にこんな話を差し込んだかというと、今でこそ世界一の売上を誇るスポーツメーカーであるナイキですが、始まりはこの「オニツカタイガー」のアメリカにおける販売代理店だったからです。
当時20代半ばのフィル青年は「オニツカタイガー」をアメリカで販売するために単身来日、メーカーである「オニツカ」を訪問します。
そこでオニツカの社員から「なんという会社に勤めているのか」尋ねられたフィルは「自分はブルーリボンという会社の代表だ」と回答します。嘘ですが。
彼は会社の代表ではないどころか、無職でした。世界的スポーツメーカー、ナイキの始まりは一人の青年の「嘘」だったわけですが、この後も彼は様々な嘘をつき、失敗をし続けます。
成功を収めた人物の自伝というと、様々な逸話が散りばめられ、ともすれば「その人がいかに素晴らしいか」を語るものになりがちなイメージですが、この本は違います。
フィルやその仲間たちは欠陥だらけです。ですが、そんな彼らは「靴にかける情熱」だけは他の誰よりも勝っていました。失敗を繰り返しながら、その情熱と意地でナイキを作り上げたのです。
この本は分類的にはビジネス書として販売されていますが、「効率的な働き方」とかいわゆる「意識の高い」ことは何も書いてありません。ナイキのストーリーは「成功者の武勇伝」でも「意識の高いハウツー本」でもなく、「ダメ男の情熱と意地の物語」です。これを読んでもノウハウは学べませんが、やる気は出てくるかもしれません。
なんとなく最近モチベーションが上がらないという方、小手先のテクニックに頼ってしまっている気がする方には特におすすめしたい一冊です。
また、単純に物語として面白いので、それ以外の方にもおすすめです。
是非ご一読ください。