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わたしの本棚(高橋編)

こんにちは、管理事業本部の高橋です。

早速ですが私が最近読んだ本を紹介いたします。

『救出』~3.11気仙沼 公民館に取り残された446人~ (作者 猪瀬直樹)

この本を選んだ理由は、
震災から8年が経とうとしている今、もう一度地元、気仙沼のことを考えようと思ったからです。

猪瀬直樹さんが作者となっていますが
猪瀬さん自身はほとんど出てきません。
内容の9割は、震災時、気仙沼の公民館に取り残された人々の証言をもとにした
30のエピソードの紹介となっています。
未曾有の災害に直撃したあの日の気仙沼の底力を、
地元の人たちの臨場感ある文章で伝えています。

この記事を呼んでいただき今一度東北のことを思い、考えるきっかけとなれば幸いです。

私は気仙沼で生まれて育ちました。
震災当時、大学進学のため上京して一人暮らしをしていましたが、
この公民館に取り残された446人の中に祖父母や恩師がいました。

震災発生直後、家族全員が祖父母と連絡がつきませんでした。
「おじいちゃんとおばあちゃんは二人で昼間病院に行っていた、
避難するとき家にいなかったから会えていない、もしかしたらだめかもしれない」と家族に言われました。

数日後、「祖父母がヘリコプターで救出されているのをニュースで見た人がいる」
と従妹から連絡があり、祖父母が無事だということが分かりました。

本のサブタイトルにあるように、あの日公民館に避難した人は446人いました。
その全員が無事生きて救出されたことに本当に感謝をしています。
避難していた人の1人が、外にいる家族に冷静で完結なメールを送付していたこと、
その連絡を受け、救助を求める的確な情報発信をしていたこと、
その情報を見た猪瀬さん(当時副都知事)が救助のヘリコプターを呼んだこと、
当時、大量の情報が飛び交い、デタラメな情報もあるなかで
情報の正確性を見抜き東京から救助のヘリを出してくれました。

そのおかげで私は祖父母と生きて再会をすることができたのです。
この場を借りてお礼を言いたいです。ありがとうございました。

この本では【446人のオーケストラ】という言葉がでてきます。
冷静な判断と行動と、それぞれの助け合いが全員救出につながり、まさにこの本の感想を一言であらわすとこの言葉がぴったりだなと思いました。

読了し、決してこの日のことを忘れてはいませんでしたが、初心に帰ることができました。東京で忙しく過ごしているとついつい目の前のことでいっぱいになってしまいがちです。
当事者でなければこの震災もあまり思い入れが強くないかもしれません。
逆境から這い上がる地元の人たちの姿を見ていると、いつも元気づけられ、今悩んでいることだってもっと頑張れるはず、と背中を押してもらっています。

これを機会に、ぜひ気仙沼へお越しください!
気仙沼は津波被害に遭いましたが、震災復興計画の副題を『海と生きる』として復興に向かっています。
復興に向けて前を向く気仙沼人は、強く、たくましく、あたたかく、かっこいいです。
美味しい食べ物もあります!お待ちしております!

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