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“テレビの裏側”に立って見えてきた夢~制作の道へ一歩踏み出した新人ADの奮闘~

若手が成長できるチャンスを与える。番組制作を手がけるロントラ株式会社は、そんな社風を大切にしています。続々とメンバーが増える中、2018年、荒蒔(あらまき)由佳も新入社員として入社しました。多くのやるべきことを抱えながら、先輩社員たちの背中を追って走り出した新人ADのストーリーをお伝えします。


憧れのテレビ業界にーー短大を中退して選んだ制作の仕事

2018年の春、弊社に3名のメンバーが入社しました。そのうちのひとりである荒蒔由佳は、2018年5月現在ADとしてスポーツドキュメンタリーの番組制作に携わっています。

そんな荒蒔は幼い頃から、家族でテレビを見るのが好きでした。

荒蒔 「朝から晩まで、ずっとテレビ番組が流れている家庭で育ちました。家族でバラエティ番組を見る時間がとても好きでしたね。『この番組はどうやってつくられているんだろう』と、幼いながらに思っていた記憶があります」

その後、短期大学に進学した荒蒔は、平安時代から現代社会まで幅広く、日本文化について学んでいました。その中でテレビ番組の編集経験がある講師の授業を受け、“テレビの裏側”を垣間見る機会があったといいます。

短期大学は2年制のため、1年生の最後には就職活動がスタートします。しかし大学で学び続けることに違和感を覚え、将来像もなかなか描けずにいました。

荒蒔 「中途半端な気持ちで通ってそのまま社会に出たくないと考え、2年生になる直前に退学を選択しました。中退後は飲食店でアルバイトをしながら『自分は何がやりたいのか?』と、漠然と将来を考えていました。
アルバイト生活が1年経った頃、なんとなく頭に浮かんできたのが、昔から好きだったテレビ業界でした。働くなら自分が本当にやりたいことをやろう。そう思い、求人サイトを開きました。ロントラを見つけたとき、最初は『綺麗なオフィスだな。家からも近いし、いいかも』くらいのイメージでしたが、業務内容を見てみるとまさしく自分が携わりたい映像制作の仕事でした」

悩む間もなく、すぐにロントラへ応募。「こんな番組をつくりたい!」という明確な目標はないけど、とにかく番組制作に携わりたいーーそんな想いをぶつけ、無事に採用されました。

自分にこの仕事が務まるのだろうか?不安な気持ちもありましたが、2018年の2月から、ADとして働くことになります。

パソコン操作にビジネスマナー、慣れない業務に戸惑う日々

仕事は、まず編集作業や会議の見学からスタートしました。最初に参加したのが、先輩ディレクターが制作したドキュメンタリー番組の試写でした。

荒蒔 「会議では『このカットはいらないんじゃないか』『このエピソードを入れた方が、人となりが伝わるんじゃないか』といった、上司たちの意見が飛び交いました。1カット、1カットごとに、強いこだわりがあってつくられている。そのことが伝わってきました。細かい配慮の組み合わせで、多くの視聴者が理解しやすい番組にでき上がっていくことは、制作側に立たなければ気づかないことでした」

ロントラで働きはじめ、携わることすべてが初めての経験でした。

映像編集は基本的にMacでPremiere Proを使用しますが、Mac使用経験さえなかった荒蒔は基本操作からまず把握する必要がありました。どのような過程で編集がされていくのかも、先輩の作業を見ながら一つひとつ覚えていきます。

それだけではなく、目上の方への言葉づかいやメールの書き方など、社会人としてのマナーを身につけることももちろん必須です。わからなければその都度、先輩たちに一つひとつ教えてもらいながら業務を覚えていきました。

荒蒔 「撮影した映像を編集用データに変換する、編集の際にテロップをチェックするといった仕事からはじめました。でも、すぐに覚えられるわけではありません。わからないことがあればその都度自分でメモを取り、仕事が終わった後も業務の流れを把握するよう復習に努めました」

若手こそどんどん現場を経験させるーーそんな社風を持つロントラです。日々の業務でいっぱいいっぱいになる荒蒔でしたが、すぐに番組のロケにも参加することになります。働きはじめて、まだ1カ月も経たない頃でした。

勇気を出して一歩踏み出すーーカメラ越しの出演者に気づかされたこと

ドキュメンタリーで密着していた、世界的に活躍する障がい者アスリートが出場する大会を撮影するため、荒蒔は静岡へ同行しました。新幹線の移動中もどのように動けばいいのか、ずっとイメージトレーニングをしていました。

荒蒔 「ロケ本番は緊張しました。ディレクターは私にこと細かな指示をしている暇がありません。上司の動きを観察しながら、自分なりに必死で撮影のフォローをしました。うまく役に立てたかどうかはわかりませんが、試合と終了後のインタビューを無事撮り終えることができ、ほっとしました」

撮影が終了した後は、編集の補助とインタビューの文字起こしをしていきます。その後、試写、本編集、ナレーション収録と、一連の制作業務に携わっていきました。

そして、担当した番組が無事にオンエアー。

荒蒔 「『ここでズームをしていたんだ』『こういうアングルで撮っていたんだ』……と先輩ディレクターのセンスに感心したり、編集の工夫次第で、ここまでドラマチックに表現できることに驚きました。現場で実際に見ていた作業が編集され、TVで放送されるのを観たときは、自分もその一連の仕事に関わっていることに感動を覚えました」

制作している番組には、さまざまなスポーツ選手の方に出演していただきます。カメラ越しに投げかけられる出演者の言葉は、荒蒔自身の心も動かしました。

荒蒔 「この間、世界的な障がい者アスリートの方が小学校で講演する映像の撮影に同行しました。その方は『苦労が続いてもうやりたくないと思うことがあっても、そこから一歩踏み出してほしい』と子どもたちに語りかけていたんです。スポーツの世界で頂点を目指す人の言葉はとても説得力があり、『私も頑張らなきゃ!』と、その方から勇気をもらいました」

今までであれば関わることのなかった人の声を聞き、人知れず努力する姿を撮影し、荒蒔は番組をつくっています。ときにはケガやレギュラー争いに敗れるなどの挫折を経験し、それを乗り越えて頂点に上り詰めた選手たち。そんな方々の想いに感動をもらったから、私が多くの人に伝える役目を果たしたいーー荒蒔はそう思っています。

目標とする人に囲まれて働き、追いかけるディレクターへの道

荒蒔は撮影現場での仕事も徐々に増えてきて、少しずつADの業務に慣れてきています。

そんな彼女は、働きはじめてから「働く」ことへの意識が大きく変わりました。

荒蒔 「今までアルバイトをしていたときは、友達と仲良く働いて給料をもらうという、遊び感覚の面がありました。しかし今は、自主的に動かないと仕事を覚えられないですし、任されません。『このままでは同期に追いていかれる。役に立てず、会社の荷物になるのは嫌だ』と、焦燥感を抱くようになりました。今ではそれが、仕事へのモチベーションにもつながっています」

昔から憧れを抱いていた番組制作の仕事に今、携わることができている。そしてディレクターやプロデューサーといった、自分が目標にしたいと思える先輩たちのもとで働けることが、荒蒔にとって大きな原動力になっています。

2018年現在で22歳の彼女は、就職活動をしている大学生と同じ年齢です。選んだ道を着実に歩み、次の夢を叶えるべく日々奮闘しています。

荒蒔 「就活生の方は、将来のことを決める大事な時期にいらっしゃると思います。自分が少しでも興味を持ち、やりたいと思っていることがあるなら、どんどんチャレンジしていってほしいです。私は短大を中退して少し立ち止まったこともありましたが、憧れの業界に飛び込んでよかったと思っています。
早く仕事を覚え、ADとして一人前になりたい。そして2年以内には、ディレクターとして番組を担当することが私の目標です」

子どもの頃から気になっていたテレビの裏側は、荒蒔にとって大切な居場所になりました。彼女の助走は、まだはじまったばかりです。

これから多くの仕事で経験を積み重ね、その先にディレクターへの道が開けると信じてーーロントラの新人AD、荒蒔の奮闘は続きます。

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