エムスリーキャリアはなぜ、医療の人と組織の問題に向き合うのか

こんにちは!エムスリーキャリア採用担当の横山です。今回の記事では、当社代表取締役である羽生へ行った「医療の課題とエムスリーキャリア」の取材をもとに、私たちが医療業界を見る視点や事業を通して果たしたい役割、大切にしていることについてお伝えしたいと思います。

医療業界には多くの課題があり、様々な公的機関や団体、企業が問題解決に取り組んでいます。多種多様な課題が山積しているため、医療に馴染みのない方にとっては全体像が把握しにくく、関心はあってもなかなか踏み込みづらい分野だと感じる方が多いのではないでしょうか。

今回の記事を通して、私たちの医療業界に対する視点や考え方について少しでも知っていただけたらと思います。

「医療の持続性」を脅かす2つの問題

――――医療業界では「何を問題と捉えるか」自体にも様々な意見があります。エムスリーキャリアは、業界の抱える課題の中でも「医療の持続性」に着目しているのが特徴の一つです。「医療の持続性」の問題には、大きく分けて財政(お金)の問題と医療提供体制(ヒト・施設)の問題があります。

羽生:まず、財政の問題ですが、日本は社会保険方式で医療・介護・年金などの社会保障制度を運営しています。そのおかげで例えば医療については、諸外国と比較するとかなり抑えられた価格で質の高いサービスを受けられる環境にあります。

しかし日本の社会保障給付費(年金・医療・介護等に支払うお金)は1990年に47兆円程度だったのが2018年には約121兆円と倍以上に増加しており、現在も増加傾向にあります。

社会保険方式を採用する場合、様々な給付は国民一人ひとりが支払っている保険料の範囲で行うのが原則です。ところが実際には、保険料でカバーできているのは全体の約6割まで。残りの約4割は公費(税金)によって補われていて、その割合も年々増加しています。

財務省『社会保障について』(平成31年4月26日)を参考に作成
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg1/310426/shiryou1-1-1.pdf

羽生:高齢化によって社会保障給付費は今後も増加する一方、少子化によって財政を支える世代は減少していくことが予想されています。そのため、財政の側面からどのように医療の持続性を担保するか、様々な議論が行われています。

医療の現場では今、こんなことが起きている

――――次に挙げるのは、「医療提供体制(ヒト・施設)」の問題です。現在日本には、約30万人の医師と同じく約30万人の薬剤師が存在し、病院は約8000施設あるといわれています。医療サービスを提供するヒトや施設については、どのような問題があるのでしょうか。

羽生:医療提供体制(ヒト・施設)の問題は、医療サービスを国民一人ひとりにどのように届けるかに関する問題と捉えることができます。

医師を事例にヒトに関する問題を説明すると、日本は経済規模が近しい諸外国と比べて、人口1000人あたりの医師数、病床100床あたりの医師数が少ないことが挙げられます。

OECD Health Statistics 2019より作成。数値は2017年度のデータを採用し、該当年度のデータがない場合は直近のデータを代用。

羽生:加えて、日本には保険証があればどの医療機関にかかるか自由に選択できるフリーアクセス制度があります。その影響で患者一人あたりの年間受診回数がとても多いという特徴があります。こういった状況から、日本は諸外国と比較して少ない人数で多くの患者さんを診る必要があり、医療業界で働く方々の労働負荷が大きくなりやすいといえます。

OECD Health Statistics 2019より作成。数値は2017年度のデータを採用し、該当年度のデータがない場合は直近のデータを代用。

羽生:施設の問題例としては、病院の立地が挙げられます。例えば脳梗塞などの緊急手術が必要な際、住んでいる地域により、 必要な医療が受けられる施設へのアクセスが物理的にできない場合もあります。

制度としては保険証一つで誰でも、どの医療機関でも受診できます。しかし現実には、医療サービスへのアクセスが誰にとっても平等であるとはいえない状況です。

このように財政(お金)と医療提供体制(ヒト・施設)の面から、これまでと同様の質の高い医療サービスを維持することが難しくなっている。これがエムスリーキャリアの課題認識です。

医療業界の課題解決の方向性とエムスリーキャリアの立ち位置

――――こうした課題に対し、日本の医療業界が何も解決策を講じていないかというとそんなことはありません。現在の医療業界では「地域包括ケアシステム」という考え方のもと、医療提供体制の在り方を大きく変えようとしています。国全体で取り組む課題解決の動きの中で、エムスリーキャリアの事業はどのような役割を担っているのでしょうか。

羽生:地域包括ケアシステムとは、一人ひとりが住み慣れた地域で、必要な時に、必要な医療・介護サービスを安心して受けられる仕組みを指します。特に、予防から治療、在宅療養まで切れ目なく、国民がサービスを安心して受けられる環境にするのがポイントです。

そのためには、従来のように病院だけで完結するのではなく、その他の医療施設・介護施設が適切に役割分担や連携をして、サービスを提供できるようにすることが求められています。

なぜそんな動きが生じているかというと、日本は少子高齢化によって人口構成が急激に変化しているため、医療サービスを受ける顧客(患者)の質が変化しているからです。

厚生労働省発表データをもとに作成。
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/17/backdata/01-03-01-09.html

羽生:日本全体で医療の仕組みを変えようとしている中、エムスリーキャリアでは例えば医師・薬剤師をはじめとする医療従事者の人材紹介サービスや医療機関への経営支援サービスなどを提供しています。これは単に、医療機関で人員が不足しているから行っている事業ではありません。

社会の変化に合わせて提供する医療の内容が変わるということは、医療に関わる方々の働き方、身に着けるべきスキル、キャリアの在り方も変わっていくことを意味します。

加えて、医療の中でも特に需要が高まっている分野に、医療人材やサービスの提供体制を増やしていくといった変化も求められます。

社会に必要な変化を促していくことはそう簡単ではありません。しかし、ヒトの行動の変化の集合が社会の変化に繋がっていきます。

「医療の持続性を保つために、医療提供体制を変えていく」という大きな社会の変化も、一人ひとりの医療従事者の働き方や就業先の変化、病院・診療所・薬局などの経営の変化の積み重ねによって実現できます。

我々エムスリーキャリアは、人材紹介・派遣事業にとどまらず、採用・経営コンサルティング、健康経営事業など、様々なサービスを展開中です。これらの事業を通じて、医療業界で起こる変化を少しでも良いものにすること、医療業界の変革を支援することが私たちの役割だと考えています。

医療業界でビジネスを行う上でエムスリーキャリアが大切にしていること

――――医療の持続性を保つために様々な変化を起こしていくには、社内外問わず様々なステークホルダーとの連携が求められます。医療業界で事業を行う私たちが大切にすべきことは何か。羽生は次のように言葉を続けます。

羽生:一番はヒトの命・健康に関わる事業であることを強く意識することです。なぜかといえば、私たちの顧客である医療従事者の方々が常にヒトの命や健康について向き合い、責任を果たしているからです。

また、医療業界で価値あるサービスを提供するには、複数のステークホルダーのWIN-WIN関係をつくることがとても重要です。なぜなら、医療業界は一般的なビジネスとは異なり、サービスの利用者と提供者の間だけのやり取りでは成立しない特徴があるからです。

羽生:一般的なサービスでは、顧客がどのサービスを使うかの意思決定者であり、代金の支払いも自ら行います。それに対して医療サービスは、どのサービス(治療方法)を使うかの意思決定はサービス提供者(医療機関)、代金の支払いは保険者(保険事業の運営者)が行います。

また、日本ではどの医療サービスが保険適用対象となり、いくらの報酬をサービス提供者(医療機関)へ支払うかは法律(診療報酬制度)によって定められています。

このように患者・医療機関・国(制度)による複数の意思決定がマッチして初めて、医療のサービス提供が可能になります。そのため医療サービスは、これら3者の全てから共感を得られる状態にあることが理想です。

エムスリーキャリアも様々な新規事業を検討する際、一見すると良さそうなアイデアでも、3者のWIN-WIN-WIN関係が維持できているかをしっかり確認しています。

事業を作っていく上で考えなければいけないポイントや苦労が多い分、医療業界は大きな価値とやりがいを生める可能性が高い分野だと考えています。当社エムスリーキャリアに限らず、少しでも多くの方に医療業界に興味や関心を持っていただけたら嬉しいですね。

最後までご覧いただきありがとうございました。エムスリーキャリアは医療業界への小さな変化を積み重ねることで、医療をより良いものにしていく支援をする会社です。

2009年の創業以来、医療従事者向けの人材紹介サービスを中心に成長してきました。現在は病院経営支援、健康経営、海外事業など、新たな分野への挑戦も進めています。

医療に関わる全てのステークホルダーとのWIN-WIN-WINな関係をもとに、より多くの価値を提供できる会社にするべく、現在も多数のポジションで採用活動を行っています。

少しでも興味をお持ちいただけましたら、ぜひ面接・面談にてお話させてください。お待ちしています!

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