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【UXプランナー/ PdM補佐 岡本拓也】仲間が命を費やしているプロダクトを、より価値あるものにしていきたい

エンジニア時代からデザインにこだわり、デザイナーへ転身

「とにかくたくさん作れ」と言われ、毎朝デザインの練習を続けた

マクアケは社員の「大事な作品」。だから、かっこよくイケてるサービスにしたい

――UXプランナー/プロダクトマネージャー補佐 岡本拓也

小1からパソコンを触り始め、大学でプログラミングやデザインを

家の裏に祖父の工場があり、そこに遊びに行って、よく祖父の趣味だったパソコンを触らせてもらっていました。小学1年生頃に初めて触ったのはWindows 98で、インターネットを見たり、Windowsのアクセサリに含まれているゲームなどで遊んでいた記憶があります。

小学4年生の頃、父に自分用のノートPCを買ってもらって使うようになり、小学6年生で初めて自分のホームページを作りました。当時遊んでいたFlashのゲームが、育成したペットをホームページに載せられる仕様になっており、自分もやってみたかったんです。HTMLの書き方を調べ、サーバーにアップして実現させました。ほかにも、掲示板を設置したり、知り合いのリンクを掲載したりしていました。ときどきデザインを変えたりするのもおもしろく、すごくハマっていましたね。

高校生の頃は「Webデザイナーになりたい」とぼんやり思っていましたが、親に反対されたので電気系の道に進もうと大学受験に挑みます。ところが、センター試験に失敗して、行ける国公立大学は特殊な受験科目を採用している会津大学しかありませんでした。

会津大学は「コンピュータ理工学部」のみに特化していて、プログラミングやコンピュータの仕組みを学ぶことになりました。C言語やJavaなどを使って、動くものが作れることがすごくおもしろくて楽しかったんです。ふたを開けてみるとセンター試験に失敗したのはラッキーで、この進学が僕のターニングポイントになりました。

大学からプログラミングを学び、インターンにも

大学1年生の夏休みにJavaScriptを独学し、これまでHTMLで作っていたWebページが動くようになったのが一番おもしろかったですね。デバッグなども根気よくやって、動いたときに感動する楽しさがありました。

大学2年生からiOSアプリを作り始め、当時流行っていたアプリに影響されて、iPhoneをタップするたびに友だちが録音してくれた音声を無限に流すようなふざけたアプリを作りました。自分が創ったもので周りの人たちが楽しんでくれたのは嬉しかったです。また、UIなども考えるので、作品をひとつ最後まで作るのは大きな経験でした。

アプリを作ったりしていると、同じような趣味嗜好の人たちと仲良くなります。大学の周囲に卒業生が作ったベンチャー企業がたくさんあり、友だちや先輩経由でつながりができて、インターンにも行きました。

3年生くらいになると、東京のインターンに誘われたりもします。いくつかの企業のサマーインターンなど短期のプログラムに参加しました。チームでサービスを作って発表するような内容が多く、それぞれが得意なことを生かして作るのがとても楽しかった。僕はJavaScriptやiOSアプリの経験があるので、UIを作ることが多かったです。また、デザインを担当することもありました。

そのあと、実は半年留年してしまったので、残り半年を休学しました。その頃、インターンで出会った東京藝術大学の友人がプログラミングを勉強したいというので、東京の彼の部屋に居候して、僕はその代わりにデザインを教えてもらったんです。お互いに向上心があったので、ずっと一緒にいて、かなりの時間を学びに使っていました。他の藝大生との交流もあり、Illustratorなどの技術的なことだけでなく、デザインの考え方や根本的なことも、たくさん知ることができました。

そんな生活が終わる頃、またiOSアプリを作りました。スマートフォンを読書灯として使えるアプリです。背面のライトとスクリーンがふわっと光り、リラックスできる音楽が鳴って、時間が経つと自動的に消える。これは、画面のUIや世界観にもこだわって作ったものでした。


サイバーエージェントに入社し、同期と子会社を設立

卒業後は、インターンがとても楽しかったサイバーエージェントにエンジニアとして入ります。その頃も別のアプリを作っていて、内定者のハッカソンで知り合ったデザイナーに見せると、「子会社を設立するから一緒にやろう」と誘われました。ちょうど僕の作っているアプリが音楽を聴くためのもので、彼と他のメンバーが企画している事業が音楽系だったからマッチしたんだと思います。

サイバーエージェントには、積極的に自分から「やりたい」と言えば検討してくれる文化があり、予算も下りて入社と同時に子会社を作ることができました。でも、僕を含めた4人のメンバーが未熟だったこともあり、事業内容がどんどん変わって、営業も上手くいかず、1年後には解散に。僕自身は、すごく頑張ってコードを書いていたので、それらがすべて無駄になるんだ、という虚しさに打ちひしがれました。

それからサイバーエージェントで新規事業に2つ関わりましたが、それらもクローズ。どちらも上手くいかなかったのは、やはりかなり残念に思いました。


マクアケに入社し、エンジニアからデザイナーへ転身

子会社時代のメンバーのひとりが、マクアケでデザイナーとして働いていて、「これからアプリを作るから」と僕を誘ってくれました。僕から代表にアポをとって面接が進み、2017年に入社したんです。

1年ほどはアプリの制作やアップデートをしていましたが、その後、なんとデザイナーに転身させてもらえることに。

エンジニアとして働いているときから、UIをデザイナーと一緒に考えており、はたから見ると面倒くさいエンジニアだったと思います。でも「もっといいものを作りたい」「イケてるものを作りたい」という思いが強かった。今まで携わった事業がクローズした経験から「作ったものが報われない」「届かない」という思いをしたくない。だから、デザインにも妥協できないんです。開発チームのリーダーは、それを見て僕をデザイナーに推薦してくれたんだと思います。

その前から、チーフデザイナーの佐藤啓さんがプライベートで撮影していたフィルム写真に傾倒している姿に影響されて、僕もフィルムで写真を撮ったりしていました。その佐藤さんから「デザイナーになる気はあるかい?」とメッセージが来た時には、驚きとともに「いいんですか?」「ありえない」という気持ち。何の迷いもなく、Yesの返事をしました。

それまでアプリを作った経験も多かったので、正直、ある程度の自信はありました。でも、最初は難しくて、佐藤さんからなかなかデザインのOKが出ない。時間がかかるし、アイデアもセンスも足りない。佐藤さんには「作りまくれ」と言われていたので、朝早く出勤して、架空のアプリをデザインしていました。休日にホテルに泊まって強制的にデザインを作っていたこともあります。

1年ほどしてようやく、佐藤さんからOKが出るようになり、スピードも速くなっていきました。


UIチームでなかなか成果が出ない。ユーザーインタビューが突破口に

その間に、シリコンバレー出身のUXデザイナーが入社し、WebのUXチームが立ち上がりました。僕と、僕をマクアケに誘ってくれたデザイナーとの3人のチーム。コミュニケーションが英語なのでその点も苦労しましたが、最初はなかなか思うような結果が出なかったんです。

企画、デザイン、実装という流れで、ABテストをたくさんしました。でも、「絶対成果が出るはずだ」と思ったアイデアでも、思うような成果が出ない。たくさんの失敗をしました。

あるときからユーザーインタビューを始めて、「使いにくい」「わかりにくい」という意見を直接ユーザーと話して聞いていったんです。つまずいているところを解決するようなアップデートをすると、驚くほど成果が出ました。上手くいくやり方がつかめた、という感覚を得ましたね。

その後、アプリチームのプロダクトオーナーになり、アプリをより使いやすくするための施策を考え、実装していきました。現在は、いくつかのプロダクトオーナーを束ねるリーダーをしています。

各チームが失敗しないように、成功に導いていかなくてはならないので、すごくやりがいがあります。上手くいくためにはユーザーの課題を解決したり、しっかりと価値を届ける必要がある。そのための価値設計をしっかりすることが大事だと思っています。

コンセプトがデザイン、実装に伝わって、根っこから表面に浸透していなくてはなりません。作る途中でコンセプトからずれてしまうと失敗を招いてしまうんです。


才能あるデザイナーやエンジニアが命を費やしているものの価値を上げていく

才能のある人、優秀な人がどれだけ情熱を注いでも、上手くいかずに消えていくプロダクトはあります。僕にとってはとても悲しいことなので、とにかくそれを防ぎたい。

ポジティブに言うなら、彼らが才能を注ぎ込み、命を費やしているサービスを、ちゃんと価値あるものにする役目だと思っています。

マクアケの社員にとって、「Makuake」というサービスは自分たちの大事な作品であり、自己表現に当たるもの。だから、かっこいいものにしたいし、イケてるものにしたい。作っている自分たちだけじゃなく、使ってくれるユーザーにとっても同じです。「Makuakeを使うとかっこいい」と思ってくれる人が増えるようにサービスを育てていくことが、みんなの人生にも良い影響があるといいなと考えています。

僕のコミュニケーション力が不足していると思うことはありますが、チームのメンバーに助けてもらいながら、上手く補完し合っていると思います。

幸いにも、エンジニアリングからデザイン、UXの領域と、年々抽象度が上がっています。今後は、「Makuake」のビジョンに基づき、コンセプトや施策、デザイン、隅々の実装、プログラミングコードまで美しくつながって、しっかりと社会に価値が届けられるようにしたい。そのために、僕自身が、事業戦略やビジョンの分野をもっと突き詰める必要があると思っています。


取材・執筆:栃尾江美 Website

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