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創業5周年を前に、教育ベンチャーの代表が考えていること。なぜ学生起業で生き残ることができたのか、インターン生が聞く。

「第4次ベンチャーブーム」と言われるいま、新卒でベンチャーという進路を選ぶ学生は珍しくない(『週刊東洋経済』2017年2月18日号)。しかしその中で、自らが学生起業をして経営者になるという選択をする人は、それほど多くないだろう。

学生起業家の中には、ビジネス・コンテストで優秀な結果を収め、一時的に成功したように見える人も少なからずいる。しかし、そうした起業家でも、実際に事業を軌道に乗せるまで会社を成長させるためには、イバラの道を歩まなければいけない場合が普通なのではないか。

筆者は昨年の11月から、学生起業により設立された株式会社マナボで、学生インターンとして働いてきた

豊富な経験を積んだメンバーに、会社と自らがともに成長していこうという前向きな雰囲気。最近、累計のサービス利用者(生徒)数も、5万人を超えた。私自身が2社目のインターン先で働き方のコツをつかめたということもあるが、それを差し引いても、マナボは魅力的な職場だった。

なぜマナボは、学生起業から始まったにも関わらず、創業5周年を前に今の状態まで会社を伸ばすことができたのか。

3月末の卒業を前に、その理由について創業社長に聞いてみた。

ーー三橋さんは、大学院を修了後、就職せずに学生起業をしました。かなり大胆な選択だったと思いますが、なぜその選択をしたのでしょうか?

もともと、起業したいタイプではありましたね。

大学1年のとき、2006年のライブドア事件が起こったころ、実家が貧乏だったこともあり、経済的に早く自由になりたいと思って株式投資に興味を持ったことは、ひとつの大きなきっかけだったと思います。

その後の詳しい経緯については、いろいろな記事(PR TableAmaterasなど) で話しているので、そちらを見ていただければ。

就職をしないで起業するという選択については、そっちを取りたいのだけど、「怖い」という感情がありました。コンサルティング・ファームに内定をもらっていたので、いったん冷静に就職をしてMBAをとって、武器を持って起業した方が、普通に考えたら成功確率が高いんじゃないか、と。

ただ、その一方で、今このタイミングで勇気を持って飛び込めなかったら、一生なんだかんだと理由をつけて起業しないんじゃないかと思うところがありました。結局は、恐怖を超えて「やりたい」という情熱が打ち克ちました。

三ヶ月くらい悶々とした時期もあったのですが、最後は全部振り切って、そちらの道を選んだ方が自分らしいんじゃないかと思って、起業を決めました。

普通の感覚だったら守りに入ると思うけれど、生まれついての境遇もあって、「ゼロになってもいい」というぐらいの感覚を持っていたことが、他の人が選ばない道を選んだ背景にあったと自分では思っています。

2012年、manabo初のイメージ動画にチューター役として自ら出演

当時はmanaboのプロダクトもおもちゃみたいなもので、今の出来を100とすると昔は2とか(笑)。一応アプリっぽいものはある、という状態でした。当然、売り上げは0ですよね。僕の奨学金を大量に借りてサーバー代を出すとか、そういうレベルです。

たまにビジネスコンテストで勝って100万円もらっても、2、3ヶ月でサーバー代と人件費に消えるというような状況で、非常に大きなリスクを抱えていました。ただ、自分が片手間ではなくこれ一本でやると言わないと、一緒に来てくれそうなメンバーたちも思い切って飛び乗れない。

そういった状況で起業の選択肢に踏み切れるか、という部分では相当悩みました。自分は過剰なほどに自信があるタイプではあったけれど、それでも全然ダメで再起不能になるんじゃないか、という恐怖もありました。

それでも、初期メンバーはずっと一緒に動いてくれていて、自分がやると言えばついてきてくれるだろうとは思っていましたが。

2014年、他の創業メンバーとともに

ーーそれだけのメンバーとめぐり合える機会は、これから先ないかもしれないと。

それは、間違いなくありましたね。

あとは、社会的な期待もありました。その当時は2013年の頭ごろで、EdTech(= Education + Technology)という言葉が初めて生まれたくらいのタイミングでした。昔から変化していなかった教育が、ITによって大きく変わるんじゃないかと、大きな話題になっていたのです。

その領域は、たとえばコンサルティング・ファームとMBAに行って6年後、2019年にスタートしたのでは遅いだろうという当時の読みは、いま振り返れば当たっていたと思います。

ーー学生起業して働く中で、大きく考えが変わったところはありますか?

起業した当初、個の力はもっとすごいと思っていたところはありました。ハードスキルかソフトスキルかでいうと、ハードスキルを重視しすぎていましたね。

けれど仕事を進める中で、いくら個としての能力が高くても、チームで物をつくるにあたっては、チームプレーができないとチーム全体の生産性が下がることを如実に体感しました。経営目線で考えたときに、雰囲気よく仕事ができることは大事なんだ、と強く感じました。

あとは、採用側の目線になったときに、ちゃんとした能力と実績がある人は、年齢に関係なく採用したいと思うし、起業当初に漠然と持っていた「もしこれでダメだったら、社員は普通に生きていくこともできなくなるんじゃないか」という思いは、幻想だったと気づきました。

転職市場を見ていて、仮に会社がつぶれたとしても、いま一緒に働いているメンバーは引く手あまたというか、引き受け手はいるな、と理解しました。

そういう意味では、会社がダメになっても個々のメンバーは生きていけるので、過度に自分自身にプレッシャーをかける必要はないな、と今は思っています。そこは、起業の前と後でだいぶ変わりました。

ーー個々のメンバーを心配しすぎないようになったということでしょうか?

そうですね。経営者は、従業員と従業員の家族を含めて何人分の生活を支えている、というような表現をされることがあるのだけど、それは言い過ぎで、従業員と経営者はもっと対等な関係でいるべき、と感じました。

極論を言えば、仮にうちの会社が完全になくなったとして、それを経営者のせいにして「次の就職先を探してくれ」というのは変な話で、それは個々のメンバーの能力で十分できると感じています。

ーー他にも、起業を経験したからこそ感じたことはありますか?

やっぱり資本主義だなあ、ということを感じますね。

株式のやり取りとかBtoBの業務提携の話をする場面で、ナンバーワンかナンバーツーか、意思決定をする必要があるかないかで、得られる経験が圧倒的に違うと感じました。そういう意味では、大きく成長できる経験を得られたな、と思います。

2016年には、堀江貴文氏による番組「ホリエモンチャンネル」への出演も実現した

ーー「やっぱり資本主義だ」とは、もう少し噛み砕くと、どういうことでしょうか?

同じ個人であっても、職種として経営や投資に近い方向を選ぶほど、得られるリターンは大きいということですかね。たとえば能力が同じ人でも、投資銀行にいくかコンサルファームにいくかメーカーに行くかで、如実に差が出てくるな、という感覚があります。

会社としても、外部資本をいかに活用するかで会社の成長角度は全く違いますよね。実務能力だけで勝負するのとは比較にならないくらい、掛け算での成長ができることを目の当たりにしていて、改めてその力を感じました。

ーー資本の力を改めて感じた、と。

そうですね。会社の成長を100とすると、実務50:投融資50というイメージです。

体感としては会社の仕事の90%は実務で、それが90%会社の成長に寄与しているように思いたくなるのだけど、実際にはそれと違うところで、うちの例でいうとZ会との資本業務提携のタイミングや規模によって、会社の成長角度が全く違ってきます。

経営目線で見ると、それはBtoBをやるかBtoCをやるかというような話にも増して、インパクトの大きな意思決定になると感じています。そのくらい投融資が大事だな、と。

一方で、その割には一般的に情報がないとも思いますね。自分が大学の講義を依頼された時もよく言うのですが、ベンチャーキャピタルの中の人や資金調達をやっている経営者の人にしかリアルな情報がない。

実際に事業を起こすとしたら必要な知識を、それこそ大学で学べたらスピードが違ったんだろうな、と思ったりします。

ーー採用に関しても、欲しい人材像の変化はありましたか?

先ほどの話と近いですが、今までは個としてのパフォーマンスを重視しすぎていたけれど、それだけではなく、柔軟性や他の人とチームプレーができるかどうかという点を、より重視するようになってきました

それは何故かというと、たとえばエンジニアなら、世界クラスのスーパーなハッカーがいたとしても、そのスーパーハッカーしか解けない課題は、実際のビジネスをする中では10個に1個あるかないかです。

残り9個の課題は、そこそこ優秀なエンジニアが真面目に取り組めば倒せる課題だったりします。そうしたとき、そのスーパーハッカーが「誰でも解ける課題なんか興味ない」という姿勢だと厄介で、ディレクターがそれを調整するコミュニケーションのコストもかかってしまいます。

エンジニアが100人いる組織ならいいですが、過去のマナボのようにエンジニアが数人しかいない段階の会社で尖った人を入れるべきかというと、それは実際のところ違ったな、と思いますね。

ーーマナボは創業5周年が目前となりましたが、ここまで生き残った理由は何だと思いますか?

「5周年」と聞いてまず、もう5年も経ってしまったか、ということを思います(笑)。

確か、マナボは2011年の震災が起こった頃から、みなし法人を立てて、会社を起こす前にチームとして動いていたんです。だから、その時期も含めると6年動いている。

それを振り返るとまず、事業を大きくするのはめちゃくちゃ難しいな、と感じます。

知識として知っていた失敗を一通り経験してきて、それがこの5年で体に染み込んでいるから、すごくいい経験になったのだけれど、イメージしていたほどの成長をできていないことについては、過去にいてくれたメンバーに申し訳ないという気持ちがあります。

ただ、今もマナボは生き残っていて、ポジショントークを抜きにしても、今までで最も明るく未来の展開が見えていることについては、とてもワクワクしていますが。

5年間生き残った理由として大きな要因は、諦めなかったことですね。

諦めてもおかしくないタイミングは、いくつもありました。

資金を入れてもらって頑張っても、思ったほど売り上げが伸びずに、数億円のキャッシュが0になるタイミングが半年向こうに見えているという状況になったとき、打てる手に関しては一通り全部経験したな、と思います。

一時的に役員報酬をカットしたり、高利でも個人借入をして会社に短期貸付したり、ポリシーとしてはするつもりがなかった開発の受託をしたり、業務委託のメンバーの稼働量を抑えたり、小規模ながら正社員も含め「リストラ」をしたり...。

ぱっと誰もが想像できることは、幸か不幸か、ほぼ経験してきました。

それでも、会社をつぶしたり売ったりはしないという判断をして、形になるまで継続して前に進めるんだと、ずっと思っていました。それはブレていないので、その意味では、諦めていいシーンでもよく粘ったなと思います。

ーーそこまで粘れた要因は何だったのでしょう?

それは、自分の生き方かもしれませんね。

僕は、楽天的なこともあるけれど、基本的に逃げの選択肢を考えていないのだと思います。

やばい状態になった時も、逃げようとか、避けようとか、ずらそうとかではなくて、自分がリスクを負ってでもこれを食い止めるため、何ができるかを考えるために100%頭を使えていたということはあるんじゃないか。

今は、そう自己分析しています。

人件費などの支出は必ずあるのだけど、基本的にキャッシュが出るのを抑えて、死なないようにさえすれば生き延びられますからね。諦めさえしなければ、何とかなる。

まだ大きく伸びてはいないのだけど、いずれ伸びるチャンスはあるし、今は実際にそういう流れが来ています。

――最後に、マナボで働くことに興味を持っている方へ向けて一言お願いします。

ハイプ・サイクル、という言葉があります。

マナボの属する「Edtech」といわれる領域は、2012年の後半から2013年頃、いまの人工知能のように非常に注目されているという感覚があったのですが、現実の市場はそこまで拡大しませんでした。残念ながら、ハイプ・サイクルでいう幻滅期に入ってしまったのです。

しかし今、久しく変化がなかったこの業界に、再び大きなうねりがやってこようとしています。

国内の大手教育系事業会社の経営層と頻繁に話をするのですが、昨年の夏頃から感じるのは、2020年の大学入試改革を前に、彼らは自社のサービスにITを高度に取り込んで戦っていくことはもう前提と捉えており、その上でいつ、どうやって仕掛けるかを相当考えているぞ、ということです。

その状況下で、マナボがそれなりに独自の立ち位置を築いて渦中にいるということで、ポジショントークではなく、自分自身、非常にワクワクしています。

そんな大変革の波の中で、無駄な規制やしがらみに囚われずに、新たな教育のスタンダードを一緒に創っていきたい人、もしくは自分で事業を興すためのステップとして、事業や組織が成長していく過程を体験したい人、日々、大きな裁量をもって仕事がしたいと考える人にとっては、手前味噌ながら魅力的な会社・風土だと思っています。

ビビッと来た方は、いつでも声をかけてください。まずは気軽にランチでも行きましょう。

お待ちしています!

(文・写真:井手佑翼 写真:渡辺将伍

manabo Incでは一緒に働く仲間を募集しています
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