はじめまして。2022年10月にメリービズへ入社した、安田です。
転職を決めた37歳の頃、頭の中にずっと残っていた言葉があります。
「……1人で、どこまで戦えるんだろう」
7年間ついていった上司のもとを離れて、次は“IT管理者”という未知の領域へ。家族の不安も、たぶん相当あったと思います。それでも、私は飛び込みました。
気づけば3年。今はというと——
「案外これ、まだまだやれるな」
そんな手応えを持てるようになりました。
なぜメリービズを選んだのか。何を学んで、何を積み上げてきたのか。そしてこれから何を目指すのか。少し長いですが、順番にお話しします。
7年間ついていった上司が教えてくれた「ユーザーファースト」の中身
実は、社会人のスタートは遅めです。30歳まではバンド活動に本気で時間を使っていました。
そこから最初に入ったのが、IT機器を扱うコンタクトセンター。オペレーターとして電話を取り、リーダーになり、SVになり、最後はLSV(複数センターを統括する立場、いわばリーダーのさらに上のマネジメント職)までやらせてもらいました。
私は運が良かったと思います。仕事の師匠と呼べる上司に出会い、7年間ずっと近くで学ばせてもらえました。
会社が変わるタイミングがあっても、「この人のもとで働きたい」という気持ちは揺らがなかったんです。言われたからついていったのではなく、自分で選んで、その背中を追いかけ続けた7年間でした。
その上司が叩き込んでくれたのが、仕事のやり方全部。バンドマン上がりの私に、根気強く、時に厳しく、とことん付き合ってくれた恩人です。
印象に残っているのは「ユーザーファースト」。言葉としてはよく聞きますが、そこで教わったのはもっと泥くさいものでした。
電話口のエンドユーザーは困って連絡してきます。でも、最初に出てくる言葉はたいてい表面だけ。
「ログインできない」
「動かない」
「急いでる」
ここで“手順を案内して終わり”にしない。背景を聞く。今どんな状況か、何をしたいのか、何が本当のゴールなのか。そこを掘り当てて、ちゃんと解決まで持っていく。これがユーザーファーストだ、と。
時には、クライアントの要望とエンドユーザーの現実が食い違うこともあります。その時は、クライアントにも意見する。全員がちゃんと幸せになる落としどころを探して提案する。そのために、持てる知識と技術を使い切る。
「エンドユーザーが笑顔になったら、結局みんなが助かる」
今の仕事でも、ずっとこの考え方が芯にあります。
37歳、転機の葛藤。「上司がいなくなったら自分は…?」
LSVとして拠点を見て、数字も人も追う立場になっていくほど、別の不安がむくむく出てきました。
「この上司のもとを離れたら、自分は何ができるんだろう」
評価してくれる上司がいる。頼ってくれるメンバーもいる(たぶん)。でも、環境が変わったら? 看板が外れたら?
ユーザーの方を向き続けられるのか。社会に必要とされる人になれるのか。考え出すと止まりません。
37歳で転職。正直、遅い気もしました。結婚していて、子どもも生まれたばかり。家族にとっては、安定よりもリスクが増える選択です。それでも「やってみたら」と背中を押してくれた。だから覚悟が決まりました。
最初は「CS&オペレーションマネジメント(案件管理)」で応募しました。コンタクトセンターの経験が活きると思ったからです。
面接で突然の一言。「情シス、やらない?」
選考の途中、取締役の太田との面接で、空気が変わりました。
メリービズは経理アウトソーシングを軸にしたBPO企業で、当時は情シスが不在の状態が続いていたそうです。
「安田さん、ITできる人? 情シスやらない?」
……え? という感じでした。
メリービズでは、情報システム部門を「ITOffice」と呼んでいます。前任者はかなり前に離職していて、ほぼゼロからのスタートと聞きました。
私は正直に答えました。
「できなくはないです。でもプロには敵わないですし、情シスは未経験なので、すぐ即戦力ってわけにはならないと思います」
ただ、その瞬間に頭の中で一本つながった感覚もありました。
情シスって、問い合わせの受け口でもある。困っている人の“表の言葉”の奥にある“本当の困りごと”を見つけて、解決まで連れていく。これ、コンタクトセンターでやってきたことと似ている。
それにもう一つ。ここは少し偏見も混ざりますが、私は「業務を回すだけの情シス」があまり好きではありませんでした。
制約に縛られて動けない情シス。会社の言いなりになってしまう情シス。そういう姿に、ずっと違和感があったんです。
だったら。
「自分が嫌いだった情シス像を、ひっくり返してみよう」
そう決めて、メリービズのIT管理者に挑戦しました。
入社直後の実感。Minecraftみたいに“材料ちょっと、あとは自分で”
入社してみると、本当にゼロではありませんでした。前任者が残してくれた仕組みもあり、現場のメンバーも何とか踏ん張って回していた。最低限のリスクマネジメントは効いている状態です。
でも、足りないところも山ほどありました。
この感覚、たぶんMinecraftに近いです。
最初に木材を少し拾って、作業台を置いて、夜を越えるために必死で囲いを作る——みたいな、あの感じ。
救いだったのは、周りのサポートが想像以上に厚かったこと。外部の業務委託の方が助けてくれただけじゃなく、いつの間にか前任者とも連絡を取ってくださっていて、必要な時に相談できる“細いけど確かなパイプ”がつながりました。
それから、社内の方々が「一人にしない」動きをしてくれたのも大きいです。
現状(As-Is)と理想(To-Be)を包み隠さず話してくれたり、事業部のメンバーとの接点を意識的に増やしてくれたり。
情シスはコーポレート側に立つ役割に見えがちですが、メリービズのITを本当に良くするなら事業を理解しないと始まらない。私のバックボーンが事業寄りだったこともあり、この環境はすごくありがたかったです。
忘れられない失敗。「ユーザーの行動を、あと数歩ぶん想像できていなかった」
1年目、2年目は“現状を整える”ことに全力でした。3年目に入ってようやく、未来に向けた一手を打てる余裕が少しずつ出てきた。
ただ、その途中で、痛い失敗もしました。
2年目に「Hermerry」という議事録共有システムを作りました。
動画をアップロードするとAIが文字起こしして議事録を生成。クライアントごとに整理できて、タグ管理もできる。さらに、過去のミーティングも参照して、そのクライアント専用の“即席チャットボット”も作れる。
機能だけ見ると、かなり良さそうですよね。
でも、導入に失敗しました。
理由はシンプルで、ユーザーの行動設計が甘かった。
・ミーティング後に動画をアップロードするのが、地味に面倒
・文字起こし品質が、期待に届かない場面がある
・「で、結局いつ使えばいいの?」がユーザーに伝わりにくい
技術的に良いものを作っても、それだけでは使われない。
ユーザーが実際に動くまでの“あと数歩”を想像できていなかったんです。
コンタクトセンター時代に教わった「本当の目的を突き止める」。情シスになっても、まったく同じでした。
この失敗で、MVP(最小限の機能で作る試作品)の段階で何の品質を優先するべきか、かなり深く学びました。
年間600万円のコスト削減。派手じゃないけど、効いたかも
もちろん、うまくいったこともあります。
たとえば、SaaS管理ツールを導入して、アカウント管理を整理しました。特に大きかったのが、Google Workspaceのライセンス見直しです。
レポートで利用状況を可視化してみたら、エンタープライズライセンスが必要以上に割り当てられていることが分かりました。
そこで、プラン変更とライセンス数の適正化を実施。
結果として、月50万円、年間600万円のコスト削減につながりました。
役員から「取り組めて良かったよね」と声をかけてもらった時は、素直にうれしかったです。こういう“会社の血流を整える仕事”って、地味だけど確実に効きます。
他にも、業務委託スタッフさん向けの請求書自動発行ツールや、お客様と案件メンバー間のFAQを元にしたチャットボットなど、ちょこちょこ作ってきました。Salesforceのイベントでは、刺々しい言葉を柔らかく変換するAIツール「よしなに君」について話したこともあります。
最近は、まだ形になっていない段階のアイデアでも相談してもらえることが増えました(笑)。でも逆に言えば、ITOfficeが空気のように当たり前の存在になっているってことだと思っています。そうやって当たり前に頼ってもらえる状態を、みんなと一緒に作れてきたのかな、と感じています。
「ビジネスを楽しく」を一番感じるのは、リリース前のワクワク
感謝の言葉が少なくても、私は楽しく働けています。
特に楽しいのは、新しいツールを作って、リリース前に頭の中で妄想している時間。
「これ、みんなの手間が1つ減るかも」
「これがあると、ちょっと気持ちが軽くなるかも」
そんな想像が膨らむ瞬間が好きです。
コンタクトセンター時代の「エンドユーザーが笑顔になれば、みんなが助かる」。形は変わっても本質は同じ。作っている最中の“確信に近いワクワク”が、私にとって「ビジネスを楽しく」の実感です。
そして、いつの間にか“戦えるカード”も増えました。
入社当初はクラウドの運用経験もほぼゼロ。今はAWSの運用をある程度回せるし、Google Workspaceの管理も自信を持ってやれます。AIと一緒に仕事をするのも日常になりました。コードもほとんど書けなかったのに、今ではアプリやシステムを形にできています。
転職前に抱えていた不安——
「1人でどこまでできるんだろう」
それが今は、
「1人でも、意外とやれる」
くらいの感覚に変わりました。
もちろん、私だけの力ではありません。メリービズの温かさと、助けてくれるメンバーがいてこそ。技術だけに寄らず、コミュニケーションも大切にするITOfficeになってきたのは、みんなの協力のおかげです。
これからやりたいこと。情シスを「事業のパートナー」にする
来年は、全社向けのMRRや原価を統合したダッシュボード、ゲーミフィケーションを取り入れたセキュリティ教育システム、AIを活用した案件アサインシステムなど、いくつかリリースを控えています。
でも、目線はもう少し先にあります。
メリービズは今、経理アウトソーシングが主軸の事業です。世の中で「経理、困ったな」となった時に、自然と「メリービズに相談してみよう」と思ってもらえる企業になりたい。
そのために、ITOfficeとして事業を支える。
セキュリティをもう一段強くする。事業部の技術支援も増やす。
ITOfficeが“縁の下”に留まらず、事業を推進するパートナーとして機能する。そこを目指します。
入社時に決めた「嫌いな情シス像を覆す」。
これからも、地道に続けていきます。
最後に。転職を悩んでいる人へ、ひとつだけ
もし今、「このままでいいのかな」と悩んでいる方がいたら、ひとつだけ伝えたいです。
覚悟が決まったら、悩みすぎずに直感に乗ってみてもいい。
自分が活躍できるフィールドかどうか、自分に合うフェーズかどうかは、飛び込んでみないと分からない部分が多いです。
そして、飛び込んだ先で精一杯やっていると、手を差し伸べてくれる人は意外とたくさんいます。
私も転職前は、恵まれた環境にいました。それでも、年齢に関係なく純粋に共感し合える仲間と、新しくチャレンジし続けるのは、同じくらい楽しい。今はそう思えています。
37歳で未経験の職種に飛び込んだ私が、3年後に「まだやれる」と思えるようになった。
それは、メリービズという環境と、支えてくれたメンバーがいたからです。
もし少しでも共感していただけたら、気軽に声をかけてもらえるとうれしいです。
実は、この記事を読んで「ちょっと気になるな」と思ったその感覚——それが、私が3年前に感じた「やってみたい」の始まりと同じかもしれません。
あなたの「やってみたい」は、どんな形をしていますか?
もしそれが少しでも見えているなら、一緒に話してみませんか。次はあなたの番です。
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