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大企業とベンチャーが繋がることで生まれる、新しい価値提供を。新しい創造の拠点BASE Q

VCからの億を超える資金調達やIPOのニュースなどを目にすることも多く、まだまだ盛り上がりを見せているスタートアップやベンチャーの領域。

しかし、インターネット勃興期以降に創業され時価総額で上位100位に入るような企業は未だ数少ない。まだまだ、新しく参入した企業が日本経済の舵を取る状況にはないのが現状だ。

そんな今だからこそ、目を向けたい事業を生み出すための方法がある。大企業とベンチャー企業とがタッグを組むことで新たなビジネスを生み出すオープンイノベーションだ。大企業はベンチャー企業のアイディアや技術、活力を取り入れ、ベンチャー企業は大企業のアセットを活用して成長を加速させる。

これからの未来を切り開く企業は、オープンイノベーションによって生まれるのか。
今回は、オープンイノベーションをテーマに掲げて誕生した東京ミッドタウン日比谷のBASE Q立ち上げメンバーである三井不動産の光村、大企業とのタッグを推進するウォンテッドリーの後藤の2名に、これからの企業のあり方を語ってもらった。

誰のために続ける?の疑問を抱いた編集者時代

光村圭一郎
新卒で株式会社講談社に入社。三井不動産株式会社に転職後、オフィスビルの開発・運営に従事。現在は新規事業創造、ベンチャー支援などを担当。
後藤 達哉
新卒で東京海上日動火災保険株式会社に入社。株式会社ポケモンに転職後、セールスマネージャーに最年少で就任。その後ブランディングなどを経験。株式会社電通、株式会社レベルファイブを経てウォンテッドリー株式会社に入社。ビジネスアライアンスなどを担当。

現在、三井不動産で新規事業を担当する光村。前職では、マスコミ業界にいた経験を持つ。
自身が就職活動をしていた頃は、マスコミ関連の職業に就くと信じて疑わなかったと語る。

光村「安直な考えですが、僕は文学部の出身だったのでマスコミに行くとしか思っていなかったんです。テレビ、新聞、出版社などを受けた結果、講談社に入って週刊誌の担当編集として働いていました。ただ、最初のうちは仕事がおもしろかったのですが、だんだんと報道に対する違和感を感じてしまって。週刊誌の仕事って、事象の原因を基本的には個人に求める記事の作り方をします。事件や不祥事が起こった際に、その背景にはいろいろな要因があるはずなのに、特定の個人にフォーカスして記事を作り上げる部分があるんです。だんだんと居心地が悪くなってしまって転職を決めました」

マスコミへの違和感を感じての転職。転職先として選んだのは、全くの異業種である不動産業界だった。

光村「単純ですけれど、まちづくりっていいじゃないですか。それくらいの考えで三井不動産に転職しましたね。今思えば、学生時代にシムシティ(都市経営のシミュレーションゲーム)についてレポートを書いたことでまちづくりを身近に感じるようになったのかもしれないですが、立派な志望動機があったわけではありません。ただ素直に魅力的だと思ったんです」

魅力や興味からまちづくりに携わることを選んだ光村。不動産業界でキャリアを積むなかで気がついたことは、建物はつくることよりも「使い方」に価値が生まれるのだということだった。

光村「転職して3年間、都心のオフィスビルの開発に携わった後、今度はビルの運営サイドの仕事をすることに。担当したのは、日本初の超高層ビルとして知られている霞が関ビルです。着任してすぐに、ビルの図面を見て衝撃を受けました。当時、霞が関ビルは竣工して40年以上が経過していましたが、新築のビルとさほど変わらない図面がそこにあったのです。もちろん、細かな違いはあるのだけれど、超高層ビルの作り方はすでに40年以上前にかなり高いレベルで完成してしまっていたんですね。そして、霞が関ビルは未だに現役のビルとしてしっかり使われている。以来、ビルをどう作り込むか、よりもどう使い続けるかが大切だと考えるようになりました」

光村はまた、霞が関ビルに関わる中でベンチャー企業との接点も生まれたという。

光村「当時、リーマンショックや東日本大震災の後ということもあり、霞が関ビルにも少なからず空室がありました。その空室に、賃料を多少ディスカウントする形でベンチャー企業に入ってもらおうという構想が持ち上がったんです。ただ、単に家賃を安くするのではなく、もっと本質的にベンチャー企業の成長を支えたいという思いがあり、協業に取り組むようになりました」

大手企業からベンチャー企業へと転職した後藤は、大企業で培った経験を違った形で活かせる環境を探してウォンテッドリーへの入社を決めたと語る。

後藤「僕は、もともと長いことエンターテイメント業界にいました。その中でもキャラクター領域は、自社のキャラクターと外部の会社でコラボレーションしてブランド価値を向上させたり、新たな切り口でコンテンツを生み出したりする仕事です。なにかとなにかを掛け算することで新しく生まれる価値や、ビジネス開発におけるクリエイティブな仕事に対して強い興味がありました」

一見すると全く別のものに見えるウォンテッドリーへの転職も、人と企業とをサービスで繋ぎ新しい価値を生み出す点で、後藤がこれまでに経験してきたことの延長線上にあったのだという。

後藤「キャラクターを用いたキャンペーンや施策をたくさん経験するうちに、だんだんとほかの領域にも挑戦してみたいと思うようになったんです。掛け算で見せ方を変えたり、サービスを大きくグロースさせていくことそのものは、本質的には同じことですから」

大企業とベンチャー企業が手を取る。BASE Qが生まれた瞬間

2018年5月にオープンした日比谷・BASE Q。
伴走コンサルタント・スクール・ラウンジ・イベント・メディアの5つの役割を持ち、大企業とベンチャー企業とのイノベーションを創出する拠点として位置付けられている。

具体的には、戦略の整理、課題のマッチング、施策の進行といった、3つのフェーズを追って、事業を進めることのできるキーマンを輩出することが目的だ。

光村は、海外のように世界的な規模の企業を日本がゼロから生むのは、未だに難易度の高いことだと語る。だからこそ注目するべきは、大企業とベンチャー企業が協業し、一緒に新たな事業を生み出すオープンイノベーションだ。

大手企業の「三井不動産」とベンチャー企業の「ウォンテッドリー」。
これらふたつがタッグを組むことになった理由には、お互いが求めていた考え方の一致があった。

光村「僕が新規事業の一環として立ち上げていたClipニホンバシでイベントを開催したときにウォンテッドリーの創業者である仲さんが足を運んでくださったことがあるんです。オープンイノベーションを生み出すための場を用意したら、仲さんから直接『後藤と一緒に事業を進めてほしい』と打診をいただきました」

後藤「当時僕はジョインしたばかりで、アライアンス部門を立ち上げ、具体的な戦略を練っているところでした。その構想を光村さんに話しているうちに、その場で盛り上がり、どんどん企画が進んでいって。企画ありきで話が進んだというのではなく、お互いにピンくるところがあったように感じました」

あくまでも「誰とやるのか」を重視していたと語る光村。ウォンテッドリーが従来掲げていた“共感”が、大企業との繋がりを生み出していたという。

光村「当時のウォンテッドリーは、上場前ということもあり大企業にはまだまだ知られていない会社でした。しかし、戦略もサービスもすごく良かったんです。アライアンス戦略は、信頼ありきの施策です。信頼がない場合はすぐに倒れてしまうほどもろい。サービスも人も良かったからこそ、安心して一緒に事業を進めようと思うことができました」

後藤「直感ですが、光村さんと新しいことをやりたいと強く思ったんです。大企業のなかでは、誰とやるかを重視してくれる方は決して多くありません。光村さんとなら、新しいものを生み出せる。そう、感じました」

BASE Qは、イントレプレナーを生み出す場所に

オープンイノベーションを掲げるBASE Q。
光村は、生まれる仕事やお金よりももっと大切な指標がBASE Qには必要だと語る。

光村「BASE Qには、大企業がベンチャー企業と手を組むことで、いくらの仕事を生み出すのか、いくつの仕事を生み出すのかを追う使命があるんです。けれど、それ以上にもっと大切なことがある。それは、大企業においてオープンイノベーションの担い手となる優れたイントレプレナーを何人生み出せるのか。僕らは、たとえBASE Qがいつかなくなったとしても、ノウハウを伝えていける人材を輩出したいと思っているんです。つまり、再現性のある形で、優れたイントレプレナーを生み出すこと。それこそが、BASE Qの存在意義です」

後藤「特に大企業で働く人々は、自分の所属している会社が事業を続けている理由を意識する機会がなかなかありません。会社も事業も、なんらかのミッションや想いを持っているからこそ存在してきたはずなのに、そのミッションや想いを意識しないまま働き続けている。そんなのもったいないじゃないですか。『目的を持って、意思を持って、頑張り続けることのできるイントレプレナーをBASE Qから輩出したい』そんな光村さん想いにはすごく共感しました」

光村「つまるところたとえ大企業であっても『人』の部分がすごく重要です。大企業の各社に優れたイントレプレナーがいれば、企業は変革していきます。そして、その集積によって日本全体も変わっていく。その橋渡しをBASE Qで担っていきます。ウォンテッドリーと三井不動産との新しい取り組みもそのひとつなんです(詳しくは後編で紹介)」

企業の変革と個人の変革。

働き方や私たち個人のあり方を問われ続けている現代だからこそ必要な人材輩出の拠点として、BASE Qが今、動き出す。

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