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2018 Young Lions Japan Competition Review — デザイン部門ファイナリスト/高橋健太・見目拓也

通称「ヤングカンヌ」と呼ばれる、広告業界の若手登竜門といわれるヤングライオンズコンペティション、及びヤングスパイクスコンペティション。2018年度、monopoではメンバーがメディア部門GOLD、デザイン部門ファイナリストとして選出されました。

今回はデザイン部門でファイナリストに選ばれた、ヤングカンヌ初参加の高橋健太(プロデューサー / エンジニア)見目拓也(アートディレクター)に振り返ってもらいました!


ヤングカンヌとは?

広告業界の若手登竜門といわれるヤングライオンズコンペティション、及びヤングスパイクスコンペティション(通称ヤングカンヌ)。
これは、国際広告祭であるカンヌライオンズ、スパイクスアジアそれぞれで行われる30歳以下のプロフェッショナルを対象としたコンペ形式のオフィシャルプログラムです。各国の代表2名1チームが参加し、現地で与えられた課題に対し、定められた時間内に作成した映像や企画書の提出、またはプレゼンテーションにより、GOLD・SILVER・BRONZEを決定するというものです。





「言語や文化が違っても伝わるメッセージを意識しました」(見目)

新卒2年目で、今回初めてのコンペに挑戦した高橋・見目。決勝進出はかなわなかったものの、デザイン部門でのファイナリストという健闘の結果についてコメントをもらいました!


— 今年のヤングカンヌはどんなお題でしたか?

見目:今回のヤングカンヌのお題は、簡潔に言うと”家庭の電球をLEDに変えてもらうにはどうすればよいか “というものでした。

高橋:それに応えたぼくらのアイデアは、「過去の発明への敬意と、新しい技術への転換の意思を、署名という行動で示す」というものです。タイトルは「RIP INNOVATION」RIPはバクロニムで、REST IN PEACE、簡単にいうと、革新よ安らかに眠れ、ということです。



「RIP INNOVATION」はどのようなアイデアですか?

高橋:エネルギーや環境問題を考えると、白熱電球・蛍光灯をLEDに変えるべきなのは自明のこと。しかし、白熱電球がこれだけ広く使われている背景には、それが私たちの生活を豊かにしてきた「発明」であったことが隠れています。

その点にぼくらはスポットを当て、白熱電球の発明を称えるとともに、技術の転換と、現代の状況において取るアクションを明確に意思表示するためのソリューションを考えました。 VI(ビジュアル・アイデンティティー)は白熱電球のガラス球内のフィラメントをわたす導入線をモチーフとしていて、導入線間にサインをすることで、サインはフィラメントとなり、電気がともる様子を表しています。その行為は、過去の発明者の業績に敬意を評すとともに、古くなった技術から新しい技術への転換の意思を示すことになるというものになっています。

— デザインでこだわった点は?

見目:ぼくらは初出場だったので、先輩方などの助けを借りてカンヌの課題傾向をかなりリサーチしました。そのなかで、ヤングカンヌでは「人種や国を問わない国際問題が課題として提示される傾向がある」ということが明らかになったので、国際問題を扱ったデザイン のケーススタディを参考にしました。ぼくは普段の仕事では、国内の人間あるいはなんらかのターゲットに向けてデザインを発信することが多いので、視野が広げられたように思います。

さらに、言語や文化が違う中で、今回のターゲットである全世界の家庭に同等の意義を感じてもらうには、引き算を徹底しなければならなかったし、よりアイコニックである必要があると思ったので「人物(著名人)のサイン」をメインモチーフに使いました。

個人的に良いと自負しているポイントは、サインが、電球のフィラメント部分としても機能している点。サインは、言語としての認識に加えて、形として認識される機能もあるので、言語の壁が生まれる国際問題においては効果的だったのではないでしょうか…実際はどうか分かりませんが(笑)。

「初出場だったのでとにかくリサーチ。広くアイデア出しをしたのが勉強になりました」(高橋)

— 期間中、過去の事例を大量に調べてましたよね。二人が見つけた「勝ち筋」ってなんですか?

高橋:今回、例年の日本予選とは異なり、全部門共通の課題という出題形式だったので、部門問わず、課題解決のアイデアを出していき、最終的に相性の良い部門に向けてチューニングをするというやり方を取っていました。

見目:本戦と国内予選ではかなりアイデアの勝ち筋が違うように感じましたね。日本の国内予選の場合、かなり端的で太いビックアイデアが好まれる印象でした。

—「RIP INNOVATION」以外に出したアイデアには、どのようなものがありましたか?

高橋:今年ぼくたちは初出場だったこともあり、まずは量で勝負かなと考えていました。徹底的に過去事例のリサーチを経て、勝てるアイデアの構造を分析し立てた仮説に沿って、提出ギリギリまでアイデアを絞らず、可能な限り広く、多くを出すことに時間を使いました。なので、デザイン部門に限ったアイデアではなかったりするのですが、数個ピックアップします。

「Iconic LED.」

アイデアが思いついた時に使用するアイコンは白熱電球マークというところに着目したものです。レガシーなモチーフを使用しているアイコンは身の回りにたくさんあって、接点が作りやすそうと考えていました。例えば電話のアイコンはいまだに黒電話だったり、音量のアイコンはメガホン、検索のアイコンは虫眼鏡、鍵は南京錠、バッテリーは乾電池などなど。
テーマとしては、面白そうだったのですが、認知まではとれても、実際に行動を変えるところまでインセンティブの設定や、モチベーションを生む設計ができず、ボツになりました。


「Who is next Luxo Jr.」


これは、ボツになった訳ではなく、実際にデジタル部門に出した案です。
「PIXARが求人広告を出す。募集しているのは、luxo jr.の新しい電球。」というものです。
PIXARの求人というフック、世代/国境を跨いで認知のあるLUXO JRというキャラクター、自身の電球がLUXO JRに実際に採用される期待と、結構綺麗にまとまったかなと思っていたのですが、勝てませんでした。実はデザイン部門より自信ありました… 笑

また、地球の環境に関する課題だったので、その条件から、宇宙とか惑星とか時間とかまで広げて、逆に、超自分ごと化するというのがやりたかったのですが、流石に大きすぎて無理でした。ジョナサン・ノーランに相談したらできたかもしれないですね(笑)。

— 若手社員としてヤングカンヌに出るモチベーションってなんでしょう?

高橋:実力のある同世代くらいの人たちと対等に戦える場であり、実力のある人たちに見てもらえる、いいチューニングの場だと思います。
あとは、今回初めて出場して、改めて時間をとって、カンヌ問わず過去の受賞事例を大量に見たんですが、かなり勉強になります。やっぱり過去に何かしらの評価を得ているものはよくできているので。ヤングカンヌに出ることで、アウトプットが設定されるので、そういった知識や、インプットを体系的に整理して形にするいい機会でもあると思います。

「来年は絶対勝つ!」(見目・高橋)

— 初挑戦コンビで苦戦した点はありましたたか?

見目:特に苦戦したことはないですよ!普段から社内でたくさんコミュニケーション取っているので、意思伝達は早かったです。モチベーションも二人で笑かしながらうまく保ったり、超楽しい時間でした!


あ、でもケンタさん(高橋)、凄く髪が長いんですよね…キャラが立つんですよ。彼。もし二人でGOLD(国内予選一位)を取った時、雑誌とか、メディアに写真が掲載される可能性があるじゃないですか。どうやってぼくのキャラを確立させるか、健太さんに負けないか、凄く悩みましたね….…

—(笑)。 来年への意気込みを教えてください!

見目:来年も必ず出場して、勝ちます。こういうコンペティションの場合、勝つと名前が出るのでモチベーションが超上がります。将来的に、誰か僕の友達にとって誇りになるような存在になりたいんですよ、
漠然と”凄い人”になって、俺こいつと友達なんだぜーみたいな笑
諸々友達に助けられてきた人生だったので!

高橋:広告業界では有数のコンペでもあるので、ここで勝つのと、勝たないのでは人生変わるんじゃないですかね。来年こそ、本戦に行けるよう、頑張ります。今度はメラニー(本年度メディア部門で弊社佐々木と出場、GOLDを獲得した)と出ようかな(笑)。

ありがとうございました!

ただいま、monopoではデザイナー・エンジニアとして以下の職種をオープンしています。

デザイナー
インターンシップ | デザイナー
クリエイティブで世界をつなぐ。東京発独立系グローバルクリエイティブエージェンシー。企業コミュニケーションの企画戦略から具体の制作までを内製スタッフと世界中のクリエーターネットワークのコラボレーションにより実現しています。 「DIGITAL X BRANDING X GLOBAL」を中心領域に、クライアントの事業作りから、マーケティング・PR領域までを一気通貫してサポートしています。 事業内容 ・ブランド戦略/コンサルティング ・ブランドデザイン/サービス開発 ・広告プロモーション/PR施策 ・デジタル施策の企画や制作 ・コンテンツ企画制作(映像/フォトグラフィー/アニメーションなど) クライアント/コミュニティ monopoでは世界10数カ国に渡る400社以上のクライアントとプロジェクトを行ってきました。プロジェクトは社内完結するのではなく、またがる累計700名以上のクリエーターとコラボレーションをしています。さらなるグローバルなコラボレーションを生み出すことに日々邁進中です。「GLOBAL x CREATIVE」にピンときたかたはぜひご連絡ください。
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