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初のリアル店舗は”無人”!「モノタロウAIストア」プロジェクトストーリー

2018年4月、国立大学法人佐賀大学本庄キャンパス内に、株式会社オプティムと共同でモノタロウ初の無人店舗「モノタロウ AI ストア powered by OPTiM」をオープンしました。「モノタロウ AI ストア powered by OPTiM」は事業者ユーザー向けの無人店舗で、切削工具や研磨材等の工具から、軍手、作業服、テープ等の作業用品、電子部品・実験器具等の研究用品まで約2,000アイテムを販売しています。
モノタロウ初のリアル店舗を”無人店舗”にするという試みは、多くの注目を集めました。

モノタロウ初のリアル店舗は”無人”

小売店舗とネット通販の大きく違う点の一つとして、「注文からお届けまでのリードタイム」が挙げられます。しかし、それを解消する手立てとして通常の店舗を運営するとなると、人件費や長時間労働などの問題に直面することになります。そこで、両方の問題を解決する手段として考えられたのが、今回の「無人店舗」というアイディアでした。

今回のプロジェクトで、モノタロウが担っている部分は3点。店舗内商品の仕入れ・調達と、店舗用アプリの開発・運用、カスタマーサポートです。オプティム社からは、入退店ゲートや店内カメラのデジタルハード面でご協力をいただきました。ゲートから取得したデータ(滞在時間、購入率など)や、動画で入店しているお客様の状況や店内のヒートマップから、今後無人店舗ならではのインストアマーチャンダイジングを実現していくことができます。

入店から購入、退店までシームレス

「無人店舗」と聞いても、具体的な流れをイメージするのは難しいのではないでしょうか。ここでは、実際の入店フローをご紹介します。
モノタロウAIストアに入店するには、 iOS/Androidのスマートフォン専用アプリ「モノタロウ店舗」が必要です。入退店を人の代わりに管理するのは、オプティム社から提供されている「入退店ゲート」。これを開けるために、アプリからQRコードを発行します。発行されたQRコードをゲートにかざすと、ゲートが開き、入店することができます。店内を周り、購入したい商品が見つかったら、商品や棚に貼ってあるバーコードを先ほどのアプリでスキャンします。すると、その商品の画面が表示され、クレジットカード決済で購入することができます。購入が終わったら、再びQRコードをかざして退店します。
このように、アプリひとつで入退店・カート・レジの役割を担っていることで、無人化を実現しています。

無人店舗を支えるシステム

開発のプロジェクトリーダーを務めた牛島さんは、今回のプロジェクトの開発ポイントとして、「現状のサービス内システムを最大限利用し、開発工数を下げる」「ハードウェアとの繋ぎ込みを疎結合にする」を挙げています。
すでにモノタロウには、受注・集積・発送のフローをもった独自のSCM、CRMが存在しており、無人店舗はそのシステムを再利用する形で実装されました。また、入退店ゲートの開閉にかかわる部分など、ハードウェアのプログラミングを前倒しにすることで開発期間を長めにとり、注文フローなどの既存システムに依存しないように工夫をしました。

また、アプリや店舗のUI/UXを担当した川上さんは、「無人店舗内で購入フローで躓かないように、店内の安全性にも考慮する必要がある」と緊張感をもって挑まれたそうです。
アプリ内のチュートリアルや表示の流れは、すべて無人店舗での購買の流れを意識しUX設計を行いました。特に、未決済の状態なのを気づかないまま退店してしまう事故を防ぐために、画面上で注意喚起を行っています。

社内プロジェクトとして発足した無人店舗

2017年の夏に発足した無人店舗プロジェクトは、会社内のさまざまな部署のメンバーを巻き込んで進んでいきました。

プロジェクト全体のリーダーであり、進捗管理や店舗全体の準備(備品や棚入れなど)を手掛けた森岡さんは、プロジェクトを率いる以前は商品の仕入れに関する業務を担当していました。店舗運営、かつ無人で対応するというプロジェクトのリーダーを任されると聞いた時、最初は戸惑ったといいます。購買体験を支えるシステム、商品補充などのオペレーションフローなど多岐に渡るプロジェクト全体の要件定義が一番大変だった、と振り返ります。

牛島さんは、初めてプロジェクトについて聞いた時、「新しいチャネルでお客様に商品を届ける試金石になる」と感じたそうです。以前より、モノタロウがリアル店舗を出店するなら、小さな受け取り拠点をできるだけ多く持つというスタイルがモノタロウのお客様に合っていると感じていたこともあり、今回のプロジェクトに参加しました。

モノタロウだからできた意思決定スピード

リリースまでの時期が限られている中で成功させるには、意思決定のスピード感と、裁量を各メンバーに大きく委譲することが重要でした。ワンフロアのオフィスならではの意思疎通のはかりやすさも相まってプロジェクト進行はスムーズに進み、徹夜や休日出勤などの無理な作業を強いられることはなかったといいます。

また、今回は実証実験として、さまざまなアイディアを出し検証していく必要がありました。その中で、プロジェクトメンバー外の社員に協力を仰ぐケースも多数あったとのこと。そんな時でも、すぐに案件のボリュームと影響度を出して、前向きに対応を検討してくれたそうです。

新たな挑戦が、これからのモノタロウを進化させる

ショップのオープン直後から、多くの注目を集めたAIストア。プロジェクトメンバーは「ここからがスタートライン」と口をそろえます。オープンから3ヶ月経過した現在では、オンライン・オフラインで収集したデータや店舗を利用したお客様からのフィードバックをもとに、無人店舗ならではのインストアマーチャンダイジング手法について仮説検証しています。

今後も、モノタロウの未来をつくるさまざまなプロジェクトを予定しています。今後これらのプロジェクトから得た新たな知見やデータを利用し、利用していただくお客様に対してさらに利便性の高い購買体験を提供できるよう、進化していきます。

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