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【社長インタビュー:今村 亙忠 (38)】2040年までに時価総額5兆円企業を目指す。今村がいま、考えること。

現在9期目を迎えた日本ユニスト代表取締役社長の今村。買取実績100億円の豊富な資金力を背景に、全体の20%以上が48時間以内で可否決定という圧倒的なスピード感をもって実績を積み上げてきました。付加価値の高い不動産を提供することで、社会に貢献したい。そこに至るストーリーと、今後のビジョンについてインタビューしました。

「“30歳までに自分で商売をする” と18歳の頃から決めていた」

・まず、日本ユニストの事業内容を教えてください。

当社は不動産デベロッパーです。その地域のために何がいいのかという目線、金融機関の目線、事業性の目線を持って、不動産関連の様々な事業を行なっています。例えば、大阪・新今宮を中心に行なっているホテル開発。不動産とテクノロジーを融合した地方創生。大きな土地を購入しまちづくり全体を担う住宅の開発, 商業開発 等を行っています。

・全てに通じる「大切にしていること」はありますか?

全てにおいて大切にしていることはに、その土地をどうデザインしたらいいのか、ということ。例えば、地主は高額で購入してくれる業者に売りたいので、そういった購入先を探します。ただし、その土地で「工場」を運営するのか「マンション」を作って売るのか。代々受け継がれてきた土地をどちらで活用したら、その土地にとって一番良いのか、という点も重要なポイントです。日本ユニストは、どうしたら一番いいのか=一番市場から評価されるのか、という “ゴールから逆算” し、デザインします。だからこそ、日本ユニストが関わる全ての物件には想いがあり、僕らの考えるストーリーがあります。



・”ゴールからの逆算” というのは、いつから意識するようになったのですか?

僕は中学の頃から数学が好きだったこともあり、物事を筋道立てて考えることや、ゴールから逆算して、どうやって生産的にできるのかということを、全てにおいて考えてきました。それは今に至るまであらゆることに通じていて、毎日1ヶ月ほどのスケジュールを何度もチェックして、どうしたら無駄な時間を削って効率的に取り組めるのか、どうしたら僕なしでオートに回るのか、をいつも考えています。


・日本ユニストも逆算思考で起業を...?

そうですね。もともと18歳の頃にはに「30歳で自分で商売を始める」ということを決めていました。時代に合わせた様々なビジネスを手がける祖母から、男は自分で商売しろ!と言われて育ったこともあり、起業を志すようになりました。そうして、もし30歳で事業を興すなら、何がいいか?を考え「不動産」か「金融」だ、と。市場規模が大きく、衣食住に関わる "必要不可欠なビジネス" だと考えたからです。当時、金融は消費者金融に法律が変わり、厳しいマーケットだったので、「不動産」1本に絞り、30歳で独立するために、どの企業に入って、どの能力をつけるべきかというところから逆算し、不動産上場企業3社を渡り歩いて、29歳で起業しました。

一気通貫 かつ 入り口に強いことが、日本ユニストの特徴。

・上場企業3社での経験で、役に立ったことを教えてください。

2つの点でとても役に立っています。
まず1つ目は、最初の会社で「マーケット調査・分析」「用地取得」と不動産開発の入り口に特化して経験できたことです。僕は、いいものを作ることが究極のマーケティングだと考えています。そのため、どんな場所に土地を購入し、どんなストーリーを描けるのかを考えるために「マーケット調査・分析」することはとても大切です。

例えば、東京でワンルームマンションを売るという点で考えてみれば、東京には資産運用したいお金持ちが多くいて、そこにニーズがあり、いくらでも出口があるので、どのように口でうまいことを言って売るのか、ということに特化しているイメージがあります。一方、大阪はいいものを作らないと売れないんですよね。だからこそ、入り口の部分「マーケット調査・分析」から行い、そこにストーリーを描けるのか?は重要な点なんです。なので、もし調査分析の結果、ストーリーが描けない物件や、付加価値を提供できなそうな理念と合わない物件は受けません。

2つ目は、一気通貫で不動産開発できるようになったことです。その次に勤めた会社では、フロー全体を担う会社でした。そこで全体のバランス感を身につけられたことが、僕の強みとなりました。一気通貫かつ特に入り口の「調査・分析」「用地物件取得」に深い理解がある大阪の不動産会社の社長は、案外少ないんです。



・どんな案件を扱うことが多いのですか?

ざっくり図のように不動産業界を4つのポジションに分けると、日本ユニストは比較的小規模 かつ 難易度の高い物件を扱っています。



例えば田舎でアパートを建てる場合、大手不動産がそれをパッケージにしているので比較的簡単に作ることができます。マンションなら都心の一等地に、高価だけどあえて建設する。パッケージがあるので。一方で、大手は地形が悪い土地があったとして、そこにどういう物件を建てられるかという知恵を絞ることをしません。

僕らは、大手が建てられないような場所、地形が悪いようなところを狙います。安く買って、安くいいものを建てれば、相場よりも1〜2割安く提供できる。そうしてホテルを作ったとして、周りのホテルよりも1割部屋が広くて、5%値段が安いホテルができる。こういうホテルを作れば、選んでくれる会社が絶対にあります。さらに、その中でも「マーケット調査・分析」から「販売」まで一気通貫で行う企業はなかなかありません。これが日本ユニストの強みです。

「全部自分でやる。その代わり、自分で一番リスクをとる。」

・リスクを取りつつ、一気通貫という点が日本ユニストの特徴なのですね。

そうですね。私たちで全部完結させられる方がスピード感を持って取り組めますし、僕は物事を進めるのに、人にお伺いをたててしかできない事業はやりたくないんですよ。

「全部自分でやる。その代わり、自分で一番リスクをとる。」

だから、高い基準のオーダーを出しても応えてくれる仲間を集めて、いいものを作って、世の中に提供したい。そんなイメージで取り組んでいます。


・9期会社を運営してきて、困ったことはありましたか?

ある山林開発事業が一番大変でしたね。事業を進める中で、近隣説明会を行ったところ、住民の方々から猛反対にあって、事業がストップしました。そのプロジェクトで利益を上げて、次のプロジェクトにチャレンジする予定だったんですが、それができなくなりました。そうして従業員の不平不満がたまり、当時15名規模の会社にも関わらず、3ヶ月で11名が退職してしまって、業界的にも「日本ユニストはやばいぞ」と噂され...。

ただそんな中でも、当時の新規事業である「ホテル開発事業は行う」、と強く心に決めていたので、どのようにすれば実現できるのかということをずっと考えていました。会社がそんな状態かつ、新規事業がお金になるかわからない段階でも、大阪市のマーケット調査・分析を続けました。

100人経営者がいたら、100人反対するような事業だったんですが、みんながやめとけって言う方が、できた時の衝撃も大きいかなと思って、ずっと考え続けて、あるホテルを新今宮に建設することが決まります。20億円以上の投資でしたね。本来であれば、地元の鉄道会社が土地を購入して、物件を建てて企業に貸す、と言うのがストーリーです。でも大企業はできないんです。土地を購入して、様々なリスクがある中で、社内調整をすることが難しい。

僕らは土地を購入して、ホテルを建築して、そこに鉄道会社さんからオーダーがあって交渉して、出来上がっている状態ですら、購入までに2ヶ月ほど時間がかかるようだったので、僕らが動いたことで、本当にいいものがその地域にできて、付加価値の不動産を提供して、社会に貢献する、と言うことが実現した物件でした。




・今村社長は、なぜそんなにリスクを取れるのでしょうか?

リスクを取る感覚が普通の人よりある意味鈍感かもしれません。サラリーマン時代にどんどんリスクを取らせてもらえるポジションにいたので。

あとは一歩引いた目線で見れるという点もリスクを取る上で大切だと思っていて、No.2 の田中が現場をしっかり回してくれているので、僕が現場を見なくても良いため、経営に徹することができます。

僕のイメージは常にリリーフで、呼ばれるときはノーアウト満塁で、ここで打たれたら逆転負け!と言うところに、僕が投手として出ていき、三球三振を抑える。と言うのが僕の仕事のイメージです。だから現場に出て行くときはトラブルの場合が多いですよね。日々、現場には極力出ないようにしています。


・では、今村社長は普段どんなことをしているのですか?

日々、自分の能力をあげることを意識しています。読書でインプットを増やしたり、グロービスに通ったり。ボイトレや英会話にも通っているんですが、全ては脳をどう動かすのか?という発想に繋がっています。脳を動かすことって難しくて、”この難しい問題を、どう解決するのか” という点で、全てがビジネスに繋がるんですよね。

不動産業は一発が大きいため、支払いもかなりの金額になってきます。なので例えば、書類のチェックが回ってきて、たまに気分が悪くなったりもします(笑)

だからこそ、常に頭をスッキリさせておいて、もし何かあれば、その瞬間、すぐに解決できるようにしておくことを心がけています。

情報をオープンにするのは、負けない自信があるから。

・これから日本ユニストは、どんなことにチャレンジしていくのですか?

地方創生の一環として「熊野古道プロジェクト」が控えています。熊野古道はインバウンド需要が年々増加する中、慢性的な宿泊施設不足が問題となっています。この課題に対し、日本ユニストはデベロッパーとしてできるライン作りと言うことで、地元の業者と組み、周辺の運営をやめたい民宿を借り上げ、ホテルを建設し、WEBも整備して、直接海外に熊野古道の魅力が詰まったプランを作り、弊社から海外に向けてパッケージツアーを提案、販売できる仕組みを整えていく予定です。僕らは “ここ!” と言う場所に土地を購入し、そこにまたストーリーを作っていけるというのが強みだと思うので、自社で宿泊施設を持つからこそできるツアーを造成し、地方創生の軸とすることを考えています。
そのほかにもクラウドファンディング、海外展開 etc 様々なチャレンジを控えています。


・クラウドファンディングと海外展開は、具体的にどんな取り組みなのでしょうか?

先ほどの「熊野古道プロジェクト」にも関連するのですが、熊野古道はオーストラリア人観光客が多いんですね。訪れたら3泊くらい熊野古道を歩くので、訪れるためにはシドニー空港の近くのホテルを起点に来日しないといけないんです。だから、日本ユニストでシドニー空港周辺にホテルを建てよう、そこを起点としてクロスセールス含め、横展開も情報収集も可能だし、そんなブランディングができれば、他社には真似できない展開ができるのではないか、と考えています。海外にホテルを建設する資金を集めるために、日本の金融機関では調達が難しいので、機関投資家を集め、私たちの考えるストーリーを伝えて、クラウドファンディングで資金調達をしていきたいというのが、いま考えていることです。

これが僕らの1つ目標としている「世の中にない金融商品」を提供して行きたいということです。いま僕の左腕で活躍している分部(わけべ) はもともと大手野村證券で金融商品を売っていたんですが、既得権益がいっぱいあって、途中で利益が確定されているんです。この既得権益を無くし、僕らが作ったものに直接お金を出したい人がいて、その人たちにもっとリターンがある、そんな商品を作りたいと思っています。そのためには、ストーリーが必要だし、他社とは異なるということが必要だと思っています。


・他社とは異なることに挑戦する、それが日本ユニストの特徴ですね!

他にも、まちづくりについて行政と一緒に取り組みたいと考えています。将来、大阪はスーパーシティになります。ソフトバンクなどが大手不動産会社と取り組んでいるんですが、僕らベンチャー企業にしかできないようなスーパーシティのまちづくりも将来的にはやりたいです。特に行政はもっと不動産を活用して収益をあげられるところがたくさんあるので、僕らが指摘して、星野リゾート星野社長のような立ち位置を築くことができれば、税収アップ, 予算がつく, 人を増やせる etc、日本の課題を解決できるんじゃないかな?と。その取り組みを実現するためには上場して、信用力, 資金力 をつけないといけません。



・他にもITに力を入れようと考えているとか。詳しくお聞かせいただけますか?

はい。不動産業界にITをどう導入して行くのか?を経営課題にしていまして、現在、土地の仕入れは営業担当が属人的に仲介業者を回り情報収集しているんですが、それをTV電話で情報収集するとか、そういった取り組みにより、生産性が2〜3倍効率アップすると思っています。また生産性の向上だけでなく、私たちのホテルにモバイルペイメントを導入して、宿泊客がどこで何を買っているのかというデータ活用したり、観光データを活用した地域創生プロジェクトとかDMOと連携して行くとか、様々なことをやっていきたいと考えています。

将来的には、土地を買って建てて売ると言うノウハウを活用した、不動産プラットホームや、買いたい人と売りたい人のマッチングができるプラットホームも作っていきたいですね。さらには日本の地方に移住を検討する海外の方に向けたプラットホームにもしたいです。日本ユニストの作るプラットホームを利用すれば、僕らが集める土地が掲載されていて、僕らが選定している建築業者, デザイン業者がでてくる。パッケージでお支払いいただければ、日本で土地と家が手に入って、難しい手続きも必要ない。と言うサービスができれば面白いですよね。

日本人からしたら外国人に地方を買われた!ってなると思うんですけど、日本人は絶対に地方の土地は買わないんです。今後、日本は人口が減り、都心部に人口が寄ってくると考えているので、地方は、国内外の方に土地を買って加工して売る。例えば、日本に愛着のある海外の方が日本で不動産を買うならば、「日本ユニスト!」というブランディングをしていきたいです。

こんな感じでやりたいことはいっぱいあるんですが、思いきって「これをやる!」と言ってしまうと、そこに一気に舵を切らないといけないので、まだいろんなアンテナを貼りながら、いろんなことを少しずつ進めていきながら、何ができるのかということを考えたりしてます。


・そんなに色々、今後のチャレンジを言っちゃって、問題ないですか...?

世の中にはノウハウをオープンにする人, しない人がいると思うんですが、僕はオープンにする人です。オープンにしたとしても、僕はそれを上回るほどに走り出しているので負けないですし、それをリリースした方がその産業にとってよくなると思っているので。不動産業界は保守的な業界ですが、周りのそんな感じには興味がありません。

2040年までに時価総額5兆円企業を目指す

・では、最後に今後の日本ユニストのビジョンを教えてください。

日本ユニストは、2025年に時価総額で3,000億円を目指しています。それを達成するために、あと6年で何をすべきなのかということを逆算し、クラウドファンディングで世の中にない金融商品を作ろうとしていたり、地方創生で行政と組んで新しい取り組みを始めたり。あとはスーパーシティの開発や海外展開も視野に入れています。そうして将来的には、2040年に時価総額で5兆円を達成する。これが社内で掲げている目標です。

ここに至るまでの 0→1 の壁が苦労の連続だったので、将来の目標の壁はもちろん高いですが、5年前から今に至るまでよりも、資金力の面でも、集まってきたメンバーの面でも、これからの方が “イケる” と確信しています。

そんな中でもチャレンジしたいことや目標を追いかけることに対して、今の課題は圧倒的にメンバーが足りないと言うこと。さらに、求めるのは精鋭中の精鋭の方です。これを読んで少しでも興味を持ってくれた人は、冷やかしでもなんでも大丈夫です。一度、お会いしましょう。


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