こんにちは。
ナディアでエンジニアをしている とり天 です。
この記事では、「何でも屋」だった前職を経て、今の働き方に辿り着くまでの気づきについて、お話しします。
“何でも屋”だった僕が、自分の強みを見つけられる環境に出会うまで
小さなチームで「何でもやる」ことが当たり前だった日々。
前職では、エンジニア3名、デザイナー2名の小さな制作チームに所属し、月に3〜4件の納品を目標に、日々慌ただしく業務をこなしていました。
制作するサイトの多くは、WordPressをベースにした中小企業向けのコーポレートサイトで、1件あたり6〜12ページ程度。基本的にはデザインからコーディング、公開までを短いスパンで回すような体制でした。
当時の自分は「エンジニア」という肩書きでしたが、実際にはコーディング以外の業務も幅広く担当していました。案件によってはSPデザインが用意されておらず、PCデザインだけをもとに、自分でレイアウトや表現を判断しながらSP版をコーディングするというケースも少なくありませんでした。
さらに、ドメインの移管対応やレンタルサーバーの契約・設定、メールアカウントの初期設定といったインフラ寄りの作業も行っていました。中には、クライアントのオフィスまで足を運び、メール設定やネットワークの確認を現地で対応することも。
エンジニアというより「何でも対応する人」といったほうが近かったかもしれません。
電話応対をしながらソースコードを修正し、修正依頼のあったPDFを差し替えつつ、次の新規案件のスケジュールを頭の片隅でシミュレーションするような業務をこなしていました。
こうした経験を積む中で「効率よくタスクを回す」ことに対する感覚は養われていきました。ただその一方で、「自分は何が得意で、どんなスキルに強みがあるのか?」という問いに対しては、答えを出せないままでした。
「こなせる人」が次の仕事を渡される文化
当時の職場には、いわゆる人事評価制度やスキルマップのような仕組みはありませんでした。そのため、新人が入社すると「OJT」という言葉のもとで、できる人にどんどん仕事を任せていく文化です。
誰かと共同で取り組むチーム開発の機会はほとんどなく、業務の受け渡しも口頭やチャット上での簡単なやりとりのみで完結することが多く、タスク管理も各自に委ねられていました。進め方や品質の基準も明文化されていなかったため「誰かのやり方を見て覚える」「案件ごとの温度感に合わせて動く」といった、非常に属人的なスタイルでした。
結果として、できる人・動ける人にどんどん業務が偏っていきます。
「あの人なら早いから」「これも任せておこう」と、善意で仕事が集まる中、自然と「頼られる側」になっていく感覚がありました。
もちろん、それが悪いことだったとは思いません。
むしろ、トラブル対応やデザインの意図を読み解いてコーディングに落とし込む力など、広範なスキルを身につけることができたのは間違いなく貴重な経験です。
ただ、周囲との比較や、今の自分に何が足りないのかを客観的に振り返る機会が少なかったため、自分の成長をどのように測れば良いか、ずっと曖昧なままでした。
フラットな分、迷うことも多かった
前職の環境は、フラットで自由度が高い反面、迷いも多く伴うものでした。開発フローは案件ごとに異なり、誰かがルールを決めてくれるわけでもなかったため、進め方やクオリティの判断は常に自己裁量に任されていました。
たとえば、ある案件ではjQueryを使って実装し、別の案件ではVue.jsが使われていたりと、統一感がない状態。こうした柔軟さは一見ポジティブにも映りますが、技術的に「自分がどの方向に進むべきか」を見失いやすい側面もあります。
また、忙しい時期になると、ひとつひとつの業務を深く掘り下げることができず、「とにかく終わらせる」ことにフォーカスしてしまう時もありました。
効率化を追い求めすぎるあまり、気づかないうちに丁寧さや品質への意識が薄れていたことも、今振り返ると少なからずあったと思います。
それでも、限られた時間と人員でプロジェクトを遂行していくというプレッシャーの中で、最適な動きを考える癖は身につきました。今の自分の中にある「スピード感のある案件進行」は、こうした経験に支えられています。
「何でもやってきた」ことも、無駄にはならなかった
転職して、ナディアで働くようになってから、自分がこれまで培ってきた経験が予想以上に活きていることに気付きました。
前職では、要件定義から公開後のトラブル対応まで一貫して関わることが多く、クライアントとのコミュニケーションを通して相手の意図を汲み取るスキルも自然と養われていました。今の職場では、そのスキルが設計フェーズやレビュー時のディスカッションで強みとして活かされています。
また、案件ごとに判断して動いてきた経験があるからこそ、「言われて動く」だけでなく、自ら提案しながら進める姿勢を持ち続けられています。
もちろん、ひとりで抱え込まず、チームの中で共有しながら価値を出せるようになった今の環境には、大きな安心感があります。役割分担が明確で、評価制度も整っているナディアだからこそ、「自分の強みを深めていく」ことに集中できるようになったと実感しています。
最後に
エンジニアとしてのキャリアにおいて、「どんなスキルを身につけるか」と同じくらい、「どんな環境で働くか」は非常に重要です。
自分の成長を測り、強みを見つけ、誰かと補い合いながら前に進める場所に身を置けたことは、これからのキャリアを考えるうえで大きな財産になっています。
今、以前の私と同じように「自分は何がしたいのか分からない」「強みが見つからない」と感じている方がいたら、まずは少し立ち止まって、自分がどんな環境にいたいのかを考える時間を設けることで、より良い自分になることができると思います。
この記事が、そんな一歩のきっかけになれば嬉しいです。