中国で爆発的に普及したQRコード決済の4つのメリット
日本でも最近、QRコード決済を利用できる場所が増えてきています。政府もキャッシュレス経済の比率を40%に目指す提言をまとめ、Alipayを巻き込んでQRコードの企画を統一を目指して動き出しています。
では、なぜここまで世界ではQRコード決済が普及し、政府までが後押しを始めているのでしょうか?ここでは、4つのメリットを紹介したいと思います。
メリット(1)セキュリティの高い認証システム
QRコードに限らず、決済サービスで最も重要なプロセスは認証です。
「認証」とは、
・どのアカウントで決済をするのか
・どのマーチャント(店舗)で決済を行おうとしているのか
・いくら支払うことの承認を求めているのか
…の3つを、電子的に処理して、記録することです。
銀行なら通帳と銀行、クレジットカードならカードの提示と署名(または暗証番号)に当たるもの。アカウントの持ち主が本人であるかどうかを確認することで、不正利用を未然に防ぐ役割があります。
QRコード決済にも、もちろん認証があります。WeChat PayやAlipayでは、決済のたびに利用者に個別に発行するQRコードとPINコードで認証を行います。
これの何がいいのかというと、犯罪被害を防げるという点です。たとえばクレジットカードの場合、スキミングで偽造カードを作られてしまい、被害に遭ってしまうことがあります。
一方でQRコードは、利用できる時間に数秒から数分の制限が付いています。そのため、他人の認証QRコードを盗み撮りして、あとで自分の買い物に使うということができないのです。
メリット(2)利用者データは宝の山
決済サービスには、どの利用者が、「いつ」「どの店舗で」「いくら使ったか」というデータが膨大に集まります。利用者の消費傾向や店舗ごとの売り上げ傾向を分析することで、マーケティング活動や他のサービスに活用することができます。
メリット(3)導入のハードルが低い
QRコード決済には、実は2つの方法があります。ひとつは、これまで説明してきた、利用者がスマホ画面に表示したQRコードを店舗に提示する方法。店舗は決済端末で、QRコードを読み取ることで決済が完了します。
もうひとつが、オンライン決済と呼ばれる方法で、あらかじめ印刷しておいたQRコードを利用者が読み取ることで、決済をすることができます。
つまり、加盟店側でPOSレジなどを導入する必要がなくコストがかからないため、個人商店や屋台、個人タクシーなどが導入しやすいという利点があります。
メリット(4)個人間送金が消費を後押し
WeChat PayやAlipayには、同一サービスの利用者同士がアプリ内で即時送金できる機能があります。手続きが面倒で手数料も高く、リアルタイムで送金ができない銀行に代わり、このサービスは一気に広がりました。
実はこの個人間送金が、中国人観光客の爆買いにつながっていたことを、ご存知でしょうか。
たとえば、日本での旅行中に友人が好きそうな商品を見つけたとします。それを写真に撮ってWeChatで送信。友人が購入を希望した場合は代金を伝えれば、その場でWeChat Payを使って個人間送金ができます。
一昔前までは、友人に買い物リストをもらってお金を預かってくるか、日本滞在中に銀行で送金をしてもらうしかなかったものが、今では、お店の中で、しかもたった10分もあればできてしまうのです。
決済方法が変わることで、これまでにない新しい購買行動や消費が生まれています。社会や経済を変えていくサービスに、あなたも携わってみませんか?ご興味があれば、ぜひ、ご連絡ください。