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「デザインは120点より70点」経営者×デザイナーがONE CAREERサイトリニューアルに込めた思い【高橋才将】

デザイナーがROIを意識できていないと、余計なデザインが増えてしまう。局所最適になってしまうんです

こう語るのは、Timers Inc.創業者の高橋才将さん。経営者兼デザイナーという独自のキャリアを歩み、Pairy(ペアリー)やFamm(ファム)などの人気アプリを生み出し、現在はUI/UXのコンサルティング会社「FAKE Inc.」を経営しています。

Timers Inc.の代表を退任した彼が次の挑戦の一つに選んだのが、デザインコンサル事業。その最初の案件として、就職活動サイト「ONE CAREER」のサイトリニューアル を牽引しました。月間100万人が使うサービスを進化させるため「ROIを意識した超フラットデザイン」を徹底したといいます。

経営者でもある彼だからこそ分かるデザイナーの価値とは、そしてワンキャリアに残したものとは──。高橋さんに思いを聞きました。

サービスデザインは120点より70点の方が価値は高い。経営者との二足のわらじで見つけた真実

今回はありがとうございます。高橋さんは博報堂から独立後、デザイナーとCEOを兼務されていました。2つを経験する中で学べたことは、何だったのでしょうか?

高橋:デザインは70点でもいいから早く出した方がいい。Timersの創業から代表退任までの7年間、試行錯誤し、この結論に至りました。


高橋才将(たかはし としまさ)
Timers Inc.創業者、FAKE Inc. CEO。新卒で博報堂に入社し、営業として数々の企業広告に携わる。退職後はTimers Inc.を起業し、CEO兼デザイナーとしてPairy(ペアリー)やFamm(ファム)などのWebアプリをリリースする。同社のCEO退任後は、ワンキャリアを始めとする複数の企業プロジェクトに参画しながら、FAKE Inc. CEOとしても活躍。ワンキャリア取締役 北野唯我とは博報堂時代の同期。


創業当時はスマホアプリが登場したばかりで、スマホアプリのデザイナーはあまりいない時代でした。「自分たちでやった方が早い」という理由で、創業メンバーで一番関心が高かった僕がやることになりました。

経営陣が「良い」と仮説を立てたことをプロトタイプにしてユーザーに見せると、全然刺さらなかった、なんてことはたくさんありました。逆に雑に作った一つの案がすごく受けて、メインのデザインになったこともあります。

つまり、自分たちの頭の中で考えず、さっさと見せてしまった方が早いよね、ということです。

すると、デザイナーの役割も変わりますね。

高橋:グラフィックデザインが中心だったころは、あくまでクライアントワークだったので、デザイナーはいかに120点を出すかが大事でした。視覚的にインパクトが残る、打ち上げ花火的な仕事ですね。

それが、今はアップデートすることが前提のWebサービスの時代になり、さっさと70点を出して後から120点をする方が、能力として求められるようになりました。ここは、根本的に変わりましたね。

70点から120点にするために必要なことは何でしょうか?

高橋:僕が今でも意識しているのは、コラボレーションを生むことです。チームメンバーからのフィードバックがもらいやすい環境をつくれば、プロダクトの質や提案内容を高めることができます。

そのために、昔は地道にチャットアプリにデザイン画像を1枚ずつアップして共有していました。 今でこそ、Figmaでデザインを共有し、Slackでコミュニケーションを取りながらプロジェクトを進めるのが当たり前となっていますが、当時はそのようなツールがありませんでした。

重視するのはデザインのROI。「イチローの背面キャッチ」だけでは、事業に貢献できない

高橋さんは今回、外部デザイナーとしてワンキャリアのWebサイトのリニューアルを担当されました。リニューアルは現在も進行中ですが、重視したポイントは何でしょうか?

高橋:一番重要視しているのは、デザインのROI(費用対効果)です。今回もかなりフラットデザインを目指しました。「線は使わない」、「色はこれしか使わない」と、不要なものをどんどん削っていきました。

フラットなデザインだと、なぜROIに貢献できるのでしょうか?

高橋:デザインのガイドラインやルールを決めすぎると、いざ運用する際にそれをクリアしているのか、一つ一つ確認が必要になります。その工数の回収コストもすごくかかってしまいます。フラットなデザインにすれば、回収するコストや新しく考えるコストが劇的に減りますし、デザイナーでない人も簡単にプロトタイプを作れます

本当に運用に値するデザインかを考えたとき、フラットな方がいろいろな手数は打てるし、改善のスピードは上がります。これは、一緒にやってきたワンキャリアの伊藤さんとも共通認識を持ってやれました。

コスト意識がかなり高いですね。

高橋:僕は、デザインが事業に貢献しないと意味がないと思うんです。デザイナーがROIやKPIを意識できていないと、余計なデザインが増えてしまう。アニメーションが無くてもサービスとして成立するのに格好良いからと追求したり、見栄えの良いUIに時間をかけてみたり、120%の完成度を求めてしまったり……。局所最適を求めがちなんですね。

そこは、本質的な部分ではない、と。

高橋:UI/UXデザイナーの仕事の多くは、効率よくビジネスを回す手助けをすることです。経営会議でパワポやエクセルだけでなくデザインも資料に入れ、経営判断の精度を高めるイメージです。

でも、その点をデザイナーが意識できていないために基本的な部分が抜け、実際のサービスではほとんど使わない部分に時間をかけているケースは少なくありません。

野球に例えるなら、元メジャーリーガーのイチローの背面キャッチです。観客を驚かせ、注目されるプレーですが、それは基本を毎日トレーニングしている中の一面にすぎません。本当に試合で使うかはさておき、土台があってこその、遊び心なんです

もしかしたら、デザイナー自身が抱くエゴと局所最適の2つに対して、メタ認知を持つことが大事なのかもしれませんね。

高橋:それが理想ですが、残念ながら、この両者を教えてもらえる環境がないのが現状です。それは、デザインが駄目でも経営がうまくいくケースは多々あるから。自身が違和感を感じない限り、デザイナーがこの問いにぶつかることは、ほぼありません。

プロジェクトベースで仕事をすることが多い「コラボレーションの時代」だからこそ、短期的だけではなく、中長期的な事業成長やプロダクト変化を考える必要があります。そのためにも本質的な問題と向き合い、複数のKPIを組み合わせながら自分ができることを考え、基本からやりきることが重要です。

「デザイナーの年収を上げたい」。Timers Inc.代表退任後の展望

2019年にTimers Inc.の代表を退任されましたが、これから何をしていきたいですか?

高橋:代表を務める事業会社の他に、「FAKE Inc.」というUI/UXのコンサルティング会社も立ち上げましたデザイナーの年収を上げたいと思います。

デザイナーの年収を上げるのは、簡単です。ROIが上がればいいのだから。エンジニアはコードの行数に業務量がある程度依存するので、急に年収が10倍になることは難しいですが、デザインワークは理論上、余裕で起こり得ます。デザインはブラックボックスになっている部分が大きいので、オープンになれば相当変わる気がします。

「できるデザイナー」が1人いれば、3人分の仕事を任せられるし、その分時給も高くなる、と。

高橋:その方が、プロダクトを使うユーザーにも、経営陣にとっても良いですよね。

そうしたデザイナーの価値が分かっている企業は、どう見極めればいいでしょうか。

高橋:その企業がデザインに投資しているかどうか、ではないでしょうか。企業HPやWantedlyなどから、ビジネスも、ものづくりも良い会社を見つけることです。

もしそんな企業が見あたらなかったら、フリーランスで働いても良いのではないでしょか。今の時代、デザイナーが企業に在籍する意味は、そこで自己成長ができるかどうかです。だから、周囲からフィードバックを得られない組織では、デザインを磨き上げようとしても最速の方法にはなりません。

デザイナーがより良い環境にいることで、世の中のプロダクトが良くなる循環が生まれれば、うれしいです。

思想があるデザインをチームで作る。ワンキャリアに残したものとは?

高橋さんはワンキャリアと一緒に仕事をする中で、感じたことは何でしたか。

高橋:今回のWebリニューアルでは、僕の知らない社内KPIやビジネス構造を加味したうえで、ワンキャリアらしさという思想が入れられるかも勝負でした


ワンキャリアらしさですか?

高橋:はい。タイトルの見せ方をはじめとしたクリエイティブ、サイトの情報構造などに反映されています。「ワンキャリアらしさ」は、デザインチームそして、経営陣とのディスカッションでも随所に登場しました。マイナビやリクナビなどの大手就活サイトの規模感を目指しながらも、企業としての鋭さを意識していたのは印象的ですね。

思想をデザインに反映することは、難しいのでしょうか。

高橋:思想の組み込みは土台でできていても、ビジネス規模や事業モデルの成長などの変化を通して、悪気なく変わってしまうことがあるんです。セールス、コンテンツなど色々な部署の声を取り入れようとすると、局所最適になりかねない。最初は良かったけど、プロダクトのコントロールができず、デザイナーが疲弊してやめていく企業も少なくありません。

ワンキャリアのデザインチームでは、そうならないために何を工夫していましたか。

高橋:デザインについてレビューする会を2日に1回設けたり、週に1回、他の人のデザインを一緒に作ってフィードバックし合う機会をつくったりしました。デザイナーが仕事を通して成長できる環境を整える仕組みを、デザインチーム内に作れたと思います。そして、経営陣とディスカッションできたのも、プロジェクトを進める上でやりやすかったです。

高橋さん自身はワンキャリアのプロジェクトを離れられますが、これからワンキャリアで働くデザイナーに期待することは何でしょうか。

高橋:事業が急速に成長している環境でものづくりができることを楽しんでほしいです。ユーザーにも恵まれ、伸び続けているサービスでものづくりができるのは幸せだと思います。

また、今のワンキャリアはデザイナーとエンジニアの数がまだ圧倒的に少ないです。だからこそ、伸びしろのある事業を0から一緒に立ち上げられるのは、とても面白いと思います。


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(ライター:スギモトアイ 撮影:百瀬浩三郎)

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