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契約チェック支援サービス「AI-CON」無料化でリーガルテックの裾野を広げたい

Photo by Scott Graham on Unsplash

こんにちは、GVA TECHの有賀です。

私は2019年5月にGVA TECH株式会社に入社し「AI-CON」や「AI-CON登記」のマーケティングを担当し、現在はビジネスサイド全体に関わっています。Wantedlyには、入社直後にブログを書いたことがありますが、今回久しぶりのポストです。

弊社GVA TECHでは「法務格差の解消」を企業理念に、AIによる契約レビュー支援クラウド「AI-CON Pro」と、商業・会社変更登記の支援サービス「AI-CON登記」の2つを主な事業として運営しています。

スタートアップ企業というと、最初にリリースしたサービスが当たってグイグイ成長していくイメージがあるかもしれませんが、実は、この2つは創業後最初にリリースしたサービスではありません。

最初のサービスは「AI-CON(アイコン)」といいまして、主に中小企業やフリーランスの方など法律面のリソースが少ない方向けに、契約書チェックを支援するサービスでした。(現在もサービス自体は存在します)

このAI-CON、当初は有料サービスとして提供していましたが、この4月から完全無償となりました。

AI契約書チェックサービス「AI-CON」のサービス内容変更および完全無償化のお知らせ

※会員登録するだけで、NDA(秘密保持契約)のリスクチェックができます。無料で何度でも使えますのでぜひ試してみてください。

今日はこの無償化に至った理由や背景について紹介したいと思います。

「SaaS事業をやっている会社に興味があるけど、中にいる人がどんなことを考えていてどんなことが起こっているか知りたい」という方向けに、ちょっとした参考になれば幸いです。

「これこそ革命だ!」と思ったAI-CON

みなさんも契約を締結する際に取引先から「契約書はこちらの内容でご確認ください」と契約書のファイルを受け取るときがありますよね?

中には、よくわからないので内容を精査せずに締結してしまったりするケースもあるかもしれません。

たとえば最近だと副業される方が増えていますが、企業と締結する契約書には「相⼿に損害を与えた場合には、相⼿に対しその損害を賠償しなければならない」という条文が含まれている場合があります。

「迷惑かけたんだからそりゃそうでしょ」とそのまま締結してしまいそうですが、理想としては「賠償額は無制限なのか」「受けている仕事の何倍もの額になってしまう可能性があるのか」といったリスクを考慮する必要があります。

AI-CONではこういったリスクとなり得るポイントを、契約書ファイルをアップロードするだけで指摘し、修正例まで提案してくれる契約書チェックのためのサービスです。

すごく、業務が効率化されそうですよね?

私も初めて知ったときは「すごい、これこそAIだ革命だ!」と思ったものです。

実際に会員登録数は10,000人を超え、多くの方に使っていただくことができました。

サービスの役割が変わるタイミングが来たのかもしれない

そんな状況の中、社内では「AI-CON Pro」や「AI-CON登記」が成長しつつありました。この2つはターゲットやプライシングが明確な反面、AI-CONほどのキャッチーさはないかもしれません。

こんな状況の中で感じ始めたのが

「確かに、対象となるお客様に適切にサービスを提示できれば使っていただけるけど、もっとたくさんの人が最初からリーガルテックを知っていたり、業務のデジタル化に触れたことがある状態にしないと、われわれのミッション達成に時間がかかりすぎてしまうのではないか」

という感覚です。

マーケット全体に対して、リーガルテックや弊社サービスに接触してくれる人を最大化する役目を担えないか?と考え、この度のAI-CON無償化に至りました。

ユーザー獲得戦略のひとつとして

スタートアップ企業にとって重要なことの一つに「トラクション」があります。「ユーザーを獲得して成長している」状態であることを指します。

では「ユーザーを獲得」と聞くとどんな方法を想像しますか?

代表的なのが検索エンジンや広告からWebサイトへの来訪を増やしたり、交通広告・テレビCMで認知度を上げたり、セミナーやイベント開催で接点を増やすといった方法です。セールスのフェーズでもTHE MODELに代表されるプロセス管理など体系化されたノウハウがいくつかあります。

それらユーザー獲得手法のひとつに、無料や安いプランで最初のハードルを下げ、効果の実感とともにより上位の利用をしていただくという手法があります。有名なのは、無料から使ってもらって価値を感じていただけたらお金を払ってもらう「フリーミアム」ですね。スマホゲームとかのイメージです。

最近はPLG(Product - Led Growth)という考え方も出てきています。フリーミアムにも似ていますが、無料かどうかよりも「プロダクトの利用を通じてお客様のサービスに対するエンゲージメントを高める」手法を総称しています。

「まずは使ってみてください」から始まって、価値の体感と比例して支払っていただけるお金が増える、というものです。最近すっかりおなじみのZoomや、日本でも利用者の増えているNotionなど、グローバルで急成長するSaaSのユーザー獲得にはだいたいこのPLG要素があったりします。

で、弊社もこれから試していく段階ですが、従来と大きく異なる可能性があるのが「セールス的な役割をどこで担うか」という点です。今までは文字通りセールスチームがセールスしていたわけですが、もしかしたら今後はカスタマーサクセスやプロダクトになるのかもしれない・・・

そんなことを考えながらチャレンジしている最中です。

おわりに

SaaSビジネスというと、上場して大きく成長したり、華々しくTVCMをしているイメージで、もう日本のビジネスに浸透しまくっている印象がある方もいるかもしれません。

でも実際にはまったくそんなことなく、日本におけるソフトウェア産業の中でSaaSの占める割合はまだまだ。

これからが本当にビジネスにおいて当たり前のツール、ビジネスのインフラになれるかの正念場だからこそ、いろんな人に興味を持ってもらいたい、異業種だったとしても自分が今までやってきたこととの共通点を感じるきっかけになればいいなと思って書かせていただきました。

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