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地球を救う、マーケティング会社のキムチ

「人をたいせつにしないで、何をたいせつにするんだ。」

 これが、株式会社PMAのモットー。

 何か、とっても大切なことを言っている気がするけど、どんな想いが込められているんだろう?

 これまで社員へのインタビューを通してPMAについて深掘りしてきたStoryですが、今回の主役はなんと「キムチ」。そういうあだ名の社員がいるとか、会社で飼っているインコの名前だとか、そういう話ではなく、あの白菜やらネギやらキュウリやらを漬け込んで作る、正真正銘の「キムチ」が主役です。どういうことかと思うでしょうが、僕も初めてこの話を聞いた時は「どういうこと?」と思ったものです。どうせここまで読んだなら、せっかくだから「マーケティング」と「キムチ」について、ちょっと話を聞いていってください。

「マーケティング」と「キムチ」?

 端的に言うならば、マーケティング会社であるPMAが、キムチを作って売っていると、そういう話になるわけです。と、さっきから説明が変わっていないので、もう少し細かくお話ししましょう。

 2022年の3月にPMAがローンチしたフードブランド「TESIO FOODS」。その名の通り、てしおにかけて育てた土、そこで採れた野菜、それを使った商品。てしおにかけて育てた味を、お楽しみいただく。

 ここでいったん「炭素循環農法」という農法についてご説明させてください。端的に言うならば、「この農法で野菜を育て(続け)ると、大気中の二酸化炭素が軽減し、地球温暖化を防止できる」というものです。

 かの有名なアウトドアブランドPatagonia社が、同様の農法を用いて気候変動へポジティブなアプローチをしていることに感銘を受けた弊社代表の山口が、「PMAでもできないかな?」と思い立ったことが、このTESIO FOODSの始まりです。

 では、炭素循環農法を用いて何を育てようか?と山口は考え出したのですが、そこで相談に乗ってくださったのが、山口の同郷の友人であり高校の同級生でもある、農家の杉山孝尚さんです。杉山さんは、静岡県浜松市で落花生農家を営む、「杉山ナッツ」という大人気ピーナッツバターの作り手。山口から話を持ちかけると、「炭素循環農法?俺やってるよ。」と。話は早々にまとまり、炭素循環農法において落花生と相性が良いのは白菜だ、と教えていただきました。

 炭素循環農法を用いて白菜を作ろう、ということは決まりました。次は、商品化と、その売り方。もちろん白菜をそのまま売ることもできますが、鮮度やコストの問題が。ここは、我々PMAのマーケティングの知見をぜひ活かしたいところ。農業の6次産業化を目指し、育てた白菜を加工して製品化し、高付加価値化しよう。じゃあ何作る?なるべく日持ちして、輸送コストも抑えられて、できれば毎日食べるような、白菜を使ったもの。…キムチだ!という流れで、話は進んでいきました。

 白菜の苗植えや収穫の際には、PMAメンバーもお手伝いをさせていただきました。久しぶりに触れる土の感触と、信じ難いほどの足腰のガタに、心からの充実感・達成感を得たものです。


味の監修、製造にもプロの力をお借りして

 白菜をキムチにしよう。じゃあ、レシピはどうする?と、次の工程です。実はここにも、山口の同郷の友人であり高校の同級生でもある、シェフの次広哲司さんにご協力いただきました。次広さんは、東京の広尾で「薫HIROO」という超有名レストランを構えていらっしゃいます。もともと次広さんは山口を介して「杉山ナッツ」をお知りになり、ご自身のお店のデザートに使用するほどのファン。話はとんとん拍子でまとまりました。

 キムチのレシピは決まった、じゃあ誰が作るんだ?と、さらに次の工程に進みます。ここは、浜松市内に工場を構える「丸岩松本商店」の松本晃一さんにお願いしました。収穫した白菜の輸送によるCO2の排出を抑えるため、畑と漬物工場はなるべく近くで。松本さんは、創業から100年以上、地元スーパーをメインに漬物やキムチを卸してこられた方。そこに突然「炭素循環農法で地球にも良い、無農薬で身体にも良い、しかもめちゃくちゃ美味しいキムチを作りたいんです!」とお願いしたにもかかわらず、「新しい挑戦をしてみよう!」とご快諾いただきました。

 こうして完成したのが、PMAが贈る至高のキムチ、「TESIO KIMUCHI」です。


考えて、作って、そして広めるために

 完成したTESIO KIMUCHIを、どうやって世に送り出すか。ご協力いただいたのは、クリエイティブディレクターの山本悟史さんや、カメラマンの興村憲彦さん。これまで数々の名クリエイティブを世に送り出してきた御二方が、TESIO KIMUCHIにお力を貸してくださいました。

 山本さん、実はかつての山口のルームシェア仲間で、他のお仕事でもご一緒させていただいた経緯があります。そのご紹介で興村さんにもご参画いただけることに。走り出したばかりのTESIO FOODS、発起人のPMAですら右も左もわからず模索する中、敏腕クリエイターたちが「自分ゴト」と捉え、導いてくださいました。

……で、そもそもなぜそんなことを?

 そう、本題に戻りましょう。なぜマーケティング会社であるPMAがキムチを作るのか。

 それは、PMAのミッションである「マーケティングビジネスを通じて自己実現するとともに、より良い社会・持続可能な社会作りに貢献していきます。」に基づいています。

 TESIO FOODSの取り組みを通して、PMAは新たな経験値を得ました。

 これまで数々のクライアントのマーケティング課題を解決してきたPMAですが、それはあくまで代理店としての足跡です。マーケティング用語に4P(プロダクト、プライス、プロモーション、プレイス)という言葉がありますが、「何を作る?いくらで売る?どうやって広める?どこで売る?」という工程をイチから作って、DtoCにビジネスとして実働したことで、今後はよりクライアントの立場を理解し、よりブラッシュアップされた、広くて深いマーケティング支援ができると感じています。

 炭素循環農法は、続けることでその効果が生まれる。

 炭素循環農法を続けていくことによって、地球温暖化を少しでも軽減する。

 地球に良いことがしたい、けれど、我慢や妥協って長くは続かない。だからこそ、「美味しいから食べる」という極めてシンプルな行動で、その副産物として地球に良いことが起きるスキームが理想。

 持続可能な社会を作るために、TESIO FOODSも継続して商品を送り出していきます。現在は、キムチに続く第二弾の商品を企画中です。


「たかがキムチ一つ」と思う人もいるかもしれない。書いている僕も、初めは不思議に思いました。

 でも、PMAは本気です。この一歩を踏み出すことで、社会を変える、地球を変える。そのためにまず、自分たちを変えていく。

 山口の口癖は「もっといい仕事をしよう。」です。入社3週目の僕も、何度聞いたことか。でもこれがきっと本質だと思います。「いい仕事」の定義ってきっとたくさんあるけれど、「誰かの、何かのための仕事」って、おそらく「いい仕事」だと思うんです。

 とは言いつつ、この記事をキムチよりずいぶん長いこと寝かせてしまった僕はちょっとドキドキしながら原稿を提出しています。長々と話しましたが、何が言いたいかというと、PMAは、そんな「いい仕事」をしたいと思える仲間を待っています、ということです。

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