「ユーザーと共創する」 by Takuya Homma

Quipperには創業初期から参画しているが、「Quipperの歴史=Pivotの繰り返し」と言っても過言ではない(褒められることではない)。度重なるPivotの末に辿りつき、今でこそ世界中で数百万人の熱心なユーザー(先生、生徒)に使われるQuipper Schoolであるが、サービス開始当初は苦難の連続であった。そんな中で、会社全体として徹底して意識したことは、「ユーザーの声を聞く」という単純なことだった。

フィリピンでサービスを開始して最初の数週間は、鳴かず飛ばずどころか、1人もちゃんと使ってくれる人がいなかった。広告を打っても、学校でプレゼンをしても、全く誰も使ってくれない。「これはヤバい」と思っているところに、ようやく1人のヘビーユーザーが誕生した。早速マニラのモールにあるスタバに来てもらい、2時間に渡って話を聞いた。ITに強い先生で、その先生自身は僕らが意図したサービスの使い方をしてくれていたが、「正直、他の一般の先生はまだ使いこなせないと思う」というフィードバックをいただいた。その先生の細かいフィードバックをもとに、サービスを改善し、さらに先生たちの間でどうやったらサービスが口コミでどんどん広まっていくのかを教えてもらった。また、フィリピンの教育制度や、他の教育サービスについても、こと細かにレクチャーを受けた。

その先生を発火点としてサービスが拡大し始めたころ(先生の言う通りにやったら一気に広まり始めた!)、ミンダナオ島の先生から突然Facebook申請が届いた。恐る恐るチャットを開始してみると、Quipper先生歴代トップ5くらいに入るくらい熱心にサービスを使ってくれていて、再び様々なフィードバックをいただいた。フィリピンの教育を良くしたいという熱意から、同じビジョンを共有するQuipperを応援したいと言ってくださった。マーケティングのメッセージ・トンマナから、コンテンツの改善案まで(おそらく100箇所くらい指摘をもらった)、様々な角度から助言をいただいた。また、生徒と共にQuipperのMusic Videoを独自に作ってくださり、チーム皆勇気づけられた ( https://www.youtube.com/watch?v=mMaByo_zh9A )。

その辺りから、新サービスを作るとき、新機能を試してもらいたいとき、新しいマーケ施策を考えるとき、コンテンツについて悩んだときは迷わず先生たちに助言を仰いだ。何度もカフェでミーティングを重ね、遠く離れた学校にも訪問し、オフィスにも来ていただき、Facebookチャット・Lineチャットも先生たちとのやり取りで一杯になった。フィリピンにいながら、インドネシアの先生と深夜までチャットでサービスについて語り合ったこともある。先生たちは、さすが「先生」だけあって、教えるのも非常にうまく、貴重な意見・アイディアばかりであった。Quipper Schoolは、まさに先生たちと二人三脚で作り上げたサービスである。

Quipperメンバーは、皆、教育に対して熱い想いを持っているし、どうやったらユーザーに価値を届けられるか昼夜頭を悩ませている。とはいえ、皆が教職経験があるわけでもないし、皆が生徒のことを深く理解できているわけではない。何年・何十年にも渡り、「どうやって教えるか」を考え続け、その間ずっと生徒たちとふれあい続けている先生たちには到底敵わない。僕らがやっているのは、端的に言えば、そんな先生たちの(常にクリアに言語化されているわけではない)経験・考えを掬い上げ、サービスに落とし込み、先生たちに還元することだ。いわゆる、「ユーザーの声を聞く」ということ。Quipperの場合は、一般的に言われる「ユーザーの声を聞く」を遥かに超え、「ユーザーと共創する」くらいであると思う。もちろん、まだまだ先生たちの悩みポイントをわかりきっているわけでもないし、解釈を間違ってあまり必要とされない機能を作ってしまうこともある。また、先生たちが必ずしもいつも正しい訳でもない。ただ、先生たちと共に作り上げたサービスが、世界中の多くのユーザーに使われているという感覚は、格別である。

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