エンジニア天国を目指して
リフカムの社員インタビュー、2回目となる今回は、現在リフカムでCTOを務める中森のインタビュー記事です。
エンジニアとしてスタートしたキャリアの中で得た手応えや葛藤、今後の展望について話してもらいました。
彼の目指す「エンジニア天国」の正体に迫ります。
中森 恭平(なかもり きょうへい)
新卒でSansan株式会社に入社後、フリーランスを経て、リフカムに入社。
現在は取締役兼CTOに加えて、カスタマーサクセス部の部長も務める。
―そもそも、エンジニアになったきっかけは何でしょうか。
小学生の時に家に届いたパソコンが一番のきっかけですね。ダイヤルアップ接続という今からすると恐ろしく遅いインターネット環境だったのですが激しくのめり込んでしまい、いつも夜更かししては親に怒られてました。次第にネットを見るだけでは物足りなくなって、中学卒業をする頃には既に「プログラマーになりたい」と思っていました。そのため、工業系の勉強が早くからできる高専へと進学しました。
―プログラミングの何に惹かれたのでしょうか。
高専に入ってからはコードを書くこと自体がとても楽しくて、趣味でいつも書いてました。かなりのプログラミング言語オタクだったので挙げるとキリがないのですがこの頃からRubyは好きでした。ただ、根本的にはプログラミングの持っている力に強く惹かれていたような気がします。何かを作ってを公開すれば、見知らぬ誰かが喜んだり、もしかすると誰かの生活や人生を変えることができるかもしれない。Facebookなどが出てきた時代性もあったと思うのですが、政府ではなくWebサービスが世界を変えていく姿を見て、コードを書けばこんなことができるんだなと、非常にワクワクしたのを覚えています。
―リフカム入社前は何をやっていたのでしょうか?
高専卒業後は、あるベンチャー企業にエンジニアとして就職して、新規事業の立ち上げに携わりました。その会社は本気で世界を変えることを目指していて、コードで世界を少しでも変えたいと思っていた自分にとっては最高の場所でしたね。
―エンジニアの仕事はいかがでしたか?
学生時代は1人でコードを書いていただけでしたが、会社ではプロフェッショナルな仲間と協力して成果を出すことができて、楽しかったです。世界を変えるという目標に向かって全員で走るのは何ともいえない高揚感がありました。
ただ、3年間やる中で次第に違和感が出てきました。
―どのような違和感だったのですか?
やっている事業が、ビジネス職種向けの事業で自分がユーザではないので、いまいち世界を変えている感覚がつかめなかった、ということが1つです。
もう1つは、どの会社もそうだと思うのですが、分業なので「自分が世界を変えてる感」が少ないことです。
一般的な会社では、ディレクターが仕様を作って、デザイナーがデザインを作って、それをエンジニアが動かせるようにします。
エンジニアは「正しく動いているか」と「どれだけ早く仕上げられるか」に責任を持つのが一般的です。
もちろん、いくら素晴らしい仕様を作っても動かないとただの絵に描いた餅なので、エンジニアは必要です。
でも、「自分が世界変えてる感」が欲しい人間としては、「ちゃんと動いている」だけが自分の成果だと、ちょっと物足りないんですよね。
ちゃんと動いてるのは当然として、自分が死に物狂いで作っている機能が「どれだけイケてるのか」を自分でも考えたい、責任を持ちたい、と思うようになりました。
―リフカムではその思いが実現できていますか?
実は自分はできていなくて(笑)
自分と同じように、「ちゃんと動いてるだけじゃイヤだ」というエンジニアのための環境を用意する方が面白くなってしまったんです。自分だったらこんな会社で働きたいな、と思うチームや環境を作ることが今の仕事で、それが今の楽しみです。
まだ道半ばではありますが、新しい「エンジニア天国」の土台作りはできてきていると思っています。
一般的にエンジニア天国というと、高級な椅子、机、高性能なマシンがある環境を言うような気がしますが、自分が作りたい天国は「これ俺が作ったんだぜ」とエンジニアが素直に自慢できる環境。
誰かから指示されたプロダクトを淡々と作るのではなく、エンジニア達が意思を持ってものづくりをし、自分達が作ったんだと誇りを持って言える、そんな環境を実現したいと思っています。
例を挙げると、当社のエンジニアは仕様を自分で作っています。また、エンジニアの中でフロントエンドやサーバーサイドのように役割分担がありません。最近はみんなでiOSのアプリ開発を進めているようです。
チーム作りや技術についても、その方向性に合わせて選択していますね。
―実際にやってみてどうですか?
メリット・デメリットは色々あります。マネジメントは正直難しいですね。
デメリットは主に「エンジニアには仕様を作るための経験や情報が足りない」こと。ここは、弊社のセールスやコンサルティングのチームや、お客様に協力してもらいながら乗り越えていってます。例えばエンジニアが自らモックを作ってレビューしてもらったりしています。
メリットは感情面の話を抜きにすると、物事が非常にシンプルになってくることですね。
エンジニアがディレクターに反発したり、ディレクターがエンジニアのことを考えない仕様を作ったり、ということは当社ではありません。どっちも本人がやってますから。
他人を説得するための資料を作る必要もありませんし、モックとコードが全てという仕事はやりやすいと思ってます。
他にも色々とあるのですが、語り始めると長くなってしまうと思いますよ(笑)
―そうですね(笑) では最後に、今後の目標を教えてください。
まだエンジニア天国は完成には至っていません。まだまだ仲間も足りてませんし、仲間が増えた時にどうやっていくかなど、考えないといけないことは多くあります。
でも、エンジニアのメンバーがユーザに想いを馳せながら…というより頭を抱えながら仕様を作る姿を見るのは楽しいです(笑)
苦しみも楽しみも沢山味わってほしいなと思いますし、そのための環境づくりに全力を注ぎたいと思います!
―分かりました。今日はありがとうございました!
〜筆者のあと書き〜
中森さんとは1年ほど一緒に仕事をさせてもらっているのですが、淡々と、クールに仕事をこなしている印象でした。しかし今回のインタビューでは、そんな中森さんの熱い側面を知ることができ、部下としては非常に大きな収穫を得たような感覚です。 中森さんの言う「エンジニア天国」は一見突飛なことを言っているようで、実はすごく本質的なので、これから広まっていくと嬉しいです。