1
/
5

そのビジネス、キャッシュポイントは時代の流れに乗っていますか?

今までのキャッシュポイントがこれからもキャッシュポイントであり続けるとは限らない。

漫画家による、海賊版撲滅キャンペーンが行われているというニュースがありました。

画像:https://shuppankoho.jp/damage/tokusetsu.html
ニュース出典:オリコンニュース

一時期、漫画の海賊版を扱うサイトのことがニュースになっていましたが、今なお尾を引いていることに正直驚いています。それだけ、なくならないということだとは思いますが、逆に、

なくなると思ってるの?? と思ってもいます。

この辺については、色々な意見が本当にたくさんあるので、ぜひ読んでみてください。


特許庁:https://www.jpo.go.jp/mohouhin/29fy/campaign/
海賊版撲滅キャンペーン:https://www.oricon.co.jp/news/2116672/full/
「やれたかも委員会」作者の意見:https://www.huffingtonpost.jp/2018/02/08/pirated-manga-problem_a_23353898/
すまほん・なぜ電子書籍は海賊版を駆逐できないのか:https://smhn.info/201804-denshi-shoseki-no-damena-tokoro-matome
NHKPR・日本漫画家協会:https://www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/800/291202.html
海賊版サイトで職を奪われた人の話:https://ddnavi.com/matome/456495/a/
ITMEDIA:http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1805/11/news026.html
経産省:https://www.huffingtonpost.jp/2018/03/29/kaizoku-ban-meti_a_23397215/


時代は変わ明らかに変わりました。
インターネットが世界中に普及し、欲しい情報やサービスは欲しいと思った人が即座に手に入れられる時代になりました。


そして、コンピューターなどの技術の発展により、一定レベルまでは特別な知識や才能がなくても手に入れることができるようになったことで、漫画に限らずどの業界もプロとアマチュアの境界は曖昧になっているような気がします。

つまり、敷居が低くなり供給が増えている状態です。


これまでは一部の限られた才能を持った人にしかできなかったことが、今は誰にでもできるようになっている。


そうなれば、お金にするためには、他との差別化が必要になる。


漫画で言うならば、絵がうまいとかストーリーがうまいとか、もはやそういうことでは差別化しきれないのです。
もっと漫画に関わること以外の部分で、圧倒的な差をつける必要があるのです。


たとえば、昔は駅の改札には切符を切る駅員さんがいました。
その駅員さんは、切符を切ることでお給料をもらっていたけど、
あるとき、自動改札機が導入されたことにより、お給料をもらえなくなってしまった。


切符を切っていた駅員さんは、果たして「自動改札機撲滅運動」をしていたのでしょうか。
きっと、キャッシュポイントを別なところに置いて、新しい道を歩き始めたのではないでしょうか。


漫画や小説、音楽など今まで特別に見えていた職業も、そういうポイントに差し掛かっているのだと思います。


漫画家の使命は、漫画を読んだ誰かに喜んでもらうことではないでしょうか。

だとしたら、本当は、漫画を読んでもらう方法はなんでも良いはずです。
海賊版は勝手にスキャンしてくれて、無料であちこちに宣伝もしてくれて、たくさんの人を喜ばせているとしたら、それで使命は達成できているのではないでしょうか。


お金をもらうことが目的ではなかったはず。(知らないですけど、たぶん)


でも、お金を得ることができなければ、当然生きていくことができなくなる世の中ですから、お金は必要です。

この、「生きるためにお金を得ること」と「好きでやりたいこと」をイコールにしてしまうから、ゴチャゴチャしていると思うのです。


漫画は好きで描く。でも、それでお金がもらえない時代になったなら、その先を作るしかないと思う。


維新は簡単ではありません。当然。血を流す必要だってあるかもしれない。
でももう時代は流れてしまったし、止めることはできない。


だったら、流れに乗るしかないのです。


新しい時代の流れに乗りつつ、自分が好きな漫画を描き続けていく方法にたどり着けた人しか生きていけるわけがないのです。
いつの時代だって、そうだったはず。


たとえば、海賊版の流通により紙の本の売り上げが失われたとするならば、逆を返すと海賊版がなければ、紙の本が売れていたはずということ。

つまり、読者は紙の本を買ってまで、その作者の本を読みたいと思っているはず。。ということ。


海賊版でそれだけ多くの読者の心を掴んだという自信があるならば(つまり、海賊版さえなければバカ売れするくらいの人気があるというならば)、自サイトを設けてECでスピンオフ作品でも売り出せばいいのだ。


出版社に頼らずに。自分で。


海賊版で名前が知れ渡り、ユーザーがこぞって続編を求めて検索するというならば、
作品の中で完結しないキーワードでも潜ませておいて、
ネットで検索させて、そのときに自分のサイトが表示されるようにSEO対策をして、自サイトに誘導することでキャッシュポイントを作るようなことだってできるはず。


そういう工夫をする方が、私はよほど健全だと思うし、本当に生き延びるには、抗うよりもさらに先のテを打つしかないのではないかなと思います。


漫画を描いて、出版社に委ねればお金になった時代は終わり、そこから先の「リアル」を生みだすのが漫画家の仕事に変わっていくのかもしれません。

漫画の世界観をリアルに体験できるイベントで集客してグッズを売るとか、ゼロ号を発行するとか。

その辺は2.5次元舞台やアイドル握手会などから学べるところがものすごく多い気がします。


人気の作品は、漫画から映画や映像作品、実写へと形を変えており、海賊版が追いつけないところでお金を生んでいることからも、キャッシュポイントが変わっていることは想像に難くありません。


今までと同じことをしていたら、淘汰されるだけなのではないでしょうか。

なんなら、出版社へ作品の売り込みをするときに、その作品の良さを説明するだけじゃなくて、そこから先にどれだけ売り上げを作り出せるコンテンツを見込んでいるのかをプレゼンできたら、出版社も採用するのではないでしょうか。

自分の漫画を読んでもらいたいなら、ブログで毎日更新していればいいのです。

良い作品を作ることと、お金を稼ぐことはまったく別な話だと思います。


これは、漫画に限らずすべてのビジネスに言えることだと思います。
良いサービスが必ずしも売れるサービスではないのです。

いかに、そのサービスや作品を多くの人に届けようとするのか。そこまで考えられる生みの親だけが、本当にお金を作っていけるのだと思います。

株式会社リフレクトエンターテイメントでは一緒に働く仲間を募集しています
今週のランキング