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「類は地域における学校の在り方を追求し続けてくれた」
当社が設計監理を担った【世田谷区立若林小学校】の開校150年記念誌の対談で、設計当時の校長先生からいただいた言葉です。
対談は1時間程度の予定でしたが、当時の苦労や充足話で大いに盛り上がり、気づけば2時間を超えていました。
特に、本プロジェクトの一番の特徴である敷地南北を貫く“松蔭(まつかげ)ストリート”に対しても、
「類の追求姿勢があったから「松蔭ストリート」という地域のシンボルを持つ学校ができた」
と、様々な逆境を乗り越えて想いをカタチにしていく私たちの設計姿勢を評価していただきました。
■実現に導いてくれたのは「地域の期待」と「校長の想い」
この松蔭ストリートは、小学校と幼稚園が一緒に使える共同の場所。幼稚園から小学校まで、同学年での関係世界に閉じこめず、異学年の交流・学びの場をつくりたい、それこそが今回、幼稚園と小学校が複合する意味。この地域に必要なものだと考えたのです。
しかし、設計をしていると、様々な「現実の壁」に当たります。
敷地を貫通する“松蔭ストリート”も区内で前例がないため、
「小学校と保育園は、所管が違うので共同利用エリアは不要」
といった、行政の「縦割り意識」が壁として大きく立ちはだかりました。
その壁を乗り越える力になったのは、地域の方々や、校長先生の熱い想いでした。
「松蔭ストリートが、若林小一番の“ウリ”になる!」
「多世代が往来する、楽しいストリートにしたい!」
「地域のシンボルとして期待と夢が膨らんできた!」
設計当時、小学校の校長先生と保育園の園長先生が一緒に、“松蔭ストリート”を活用した多世代交流の可能性を議論したり、校長先生は模型を職員室に置いてその可能性を職員の皆さんに伝えてくださりました。
実際に使う職員や地域の方々の本源的な想いと行動が、壁を乗り越える推進力になったと思います。
■「人づくり」「地域づくり」から「学び」を追求する
社会をつくるのは地域です。
地域の中に集団・組織があり、集団の中に場があり、場を創るのは人です。
だから、類設計室はとことん「人づくり」「地域づくり」にこだわります。
「学び」は「人づくり」の原点だと考えているからです。
設計を通じて、「現実の壁」と闘うことは日常です。
その都度、現実に真正面から向き合い、多くの関係者の追求心に火をつけて共に追求する仲間を創る。
共に創るプロセスを、類設計室は大切にしています。
【世田谷区立若林小学校】は、東京都23区最古の150年の歴史を持つ、地域に支えられた学校です。
多くの方々の想いがカタチになった“松蔭ストリート”が、将来にわたって継承・発展していくように、これからも応援しています。