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前向きに"なる"?

こんにちは!

SEKAISHAの笠巻です!

今回はインターン生の岡村知香さんに、「前向き」について語っていただきました。

長い間、“前向き星人”に悩まされてきた岡村さん。

「前向きに“なれない”」「“本当の”自分を知りたい」

そんなあなたに新たな気づきを与えてくれる、そんな内容の記事です。


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はじめまして、SEKAISHAインターンの岡村知香です。

あなたは、「前向きな人間」ですか?

またこれか、とうんざりした人がいたら、もう少しだけ我慢して読み進めてください。

この記事は、そういうあなたにこそ読んでもらいたいからです。

「はい、私は前向きな人間です!」と胸を張って答えられた人がいたら、そんなあなたには、これから書くことはただの言い訳のように感じられるかもしれません。

それでもやっぱり、我慢して読み進めてください。


「前向き」とはどういう意味か

結論から言えば、私は自分を「前向きな人間」だと思っています。

けれどそれは、明るくポジティブで何事も肯定的に考えられる人、という意味ではありません。

「前向き」関連の言葉について、辞書には次のように書いてあります。

まえ‐むき〔まへ‐〕【前向き】出典:デジタル大辞泉(小学館)

1.正面に向くこと。前方に向くこと。まむき。「前向きに座る」⇔後ろ向き

2.物事に対する姿勢が積極的、建設的であること。「前向きに考える」⇔後ろ向き

ポジティブ【positive】出典:デジタル大辞泉(小学館)

1.[名]写真で、肉眼で見た被写体と同じ明暗や色相で写っている画像。陽画。ポジ。⇔ネガティブ

2.[形動]積極的であるさま。「ポジティブな生き方」「ポジティブに考える」⇔ネガティブ

せっきょく‐てき〔セキキヨク‐〕【積極的】出典:デジタル大辞泉(小学館)

[形動]物事を進んでするさま。「積極的に仕事に取り組む」⇔消極的

これを読んで、意外だと思う人は少ないでしょう。わざわざ解説しなくたって、この通りの意味で使っているじゃないか、と思うかもしれません。

けれど私はあえて、「前向き」という言葉の捉え直しに挑戦してみたいと思います。


VS前向き星人

私はこれまで幾度となく「前向き星人」に悩まされてきました。前向き星人とは、私が壁にぶつかったとき、やたらと「前向き」を推奨してくる人たちのことです。

「もっと前向きに考えなさい」

「どうしてそう後ろ向きに考えるのかなあ」

「ポジティブになったほうがいいよ」

「プラス思考でいこう!」

幼少期の習いごとにはじまり、進路相談や受験。そして大学三年生のいま、就職活動に至るまで、あらゆる場面に前向き星人は出没するのです。

(wantedlyを利用してこの記事を読んでいる方の中には、前向き星人ご本人もいることでしょう。良かれと思ってアドバイスをくれたのに、浮かない顔をしてすみませんでした。)

明るく乗り越えていけるのならその方がいいのはわかります。「前向きになる方法」とインターネットで検索したこともありました。けれど私はどうしても、いわゆる「後ろ向き」「ネガティブ」な考え方しかできません。失敗したらどうしよう、もしダメだったら…。何かをやるときには必ず、ありとあらゆる不安が豪雨のように降ってくるのです。


前向きに“なる”?

世間話の中でもインターネット上でも、「前向き」な考え方や生き方が賞賛され、幅を利かせていて、そうなれない自分にうんざりしていたころ、そもそも「前向き」とは一体どういうことなのか?という疑問が浮かびました。ちょうど大学三年生になって、就職するということが現実味を帯びてきた時期です。

辞書をもう一度見てみると、「前向き」という言葉ついて、「積極的」とは書かれていますが「楽観的」とは書かれていません。世間では「前向き」と「楽観的」はセットになって使われていることが多いけれど、イコールではないのです。

と、こんなヘリクツをこねて結局何が言いたいのかというと、「悲観的な前向き人間」は存在しうるのではないか、ということです。

私はいつも先のことが不安で仕方がないのですが、それは積極的に未来について考えているからなのではないか。私のような心配性の人たちは、前を向いていないのではなくて、むしろ積極的に前を向き、「前向きな悲観」をしているのではないか。そのように考えると、「前向きな人間」の範囲はかなり広がってきます。

結局私に必要だったのは、前向きに"なる"ことではなく、前向きだと"気付く"ことだったのでした。

この考え方をするようになってからは、「不安を感じること」に不安を感じなくなりました。つまり、無理やり「楽観的な前向き人間」に変身しようとする必要はなくて、抱えられるだけの「前向きな心配」を抱えきっていこう、という気持ちになったのです。

SEKAISHAのインターンに参加することも、前向き星人に悩まされていた少し前の自分なら、考えられないことでした。それは新しい環境への不安自体が、いつからか私の中で悪者になってしまっていたからです。もともとちゃんと前を向いていたのに、なんとか他人の言う「楽観的な前向き人間」にならなければ、と要らない葛藤をしていました。


あらゆる前向きな人たちへ

冒頭で「私は前向きな人間です!」と答えられた人は、そのままキラキラした前向きな生き方を続けていってください。

そして、もしもあなたが不安を感じやすく、怖いからこそ前へ向かって走ろうとしているなら、そんなあなたはすでに立派な「前向きな人間」だと思います。それがもし何かから逃げるために走っているのだとしても、走っている先はいつだって「前」だからです。

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