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既存予備校の存在に疑問を持ち、教育スタートアップで3年働いて学んだこと

はじめまして、早稲田大学教育学部5年の林拓樹です。
現在、センセイプレイス株式会社(以下センプレ)で大学受験生にコーチングを行うセンセイをしています。
この記事を読んでくださっている方の中には「自分はこのままでいいのか」「自分の行為は果たして誰かのためになっているのか」という思いがある方もいると思います。センプレに関わる前の僕もそうでした。どうしてそう思っていたか、センプレに関わったきっかけ、センプレでセンセイとして働いて抱えていた疑問がどのように解消されていたかをお話ししていければなと思います。

センプレに入る前

 大学1年生の時から2年間、大手大学受験予備校のチューターとしてアルバイトをしていました。大学受験期にお世話になった予備校で、社員の方に誘われたので特に考えもせず働き始めました。業務内容としては事務作業や待機の時間が多く、教育に関わる部分は少ないものでした。またお金を稼ぐためのアルバイトであり、大きな負担もなかったため惰性で続けていました。しかし、働いている中で2つの疑問を抱くようになりました。

1.自分がやっていることは本当に生徒のためになっているのか
 これは担当生徒に対して予備校の講座を受けるように勧めている時に感じました。会社的には売り上げを考えなければいけないことは当然ですが、参考書を一冊やれば良いところを時間もお金も何十倍もかかるものを勧めることは本当に生徒のためとは言えません。
 教育学部で教育を学べば学ぶほど「考える力」の重要性を感じていましたが、限定された選択肢を提示し、レールの上を走らせようとする行為はこの考えとは反します。合格という目的であったにもかかわらず、講座を受けるという手段が目的化していたことに疑問を持っていました。

2.自分の貴重な大学生活の時間をこのような単純作業で浪費して良いのか
 これはトイレ掃除、部屋掃除、データ入力、特にやることがない待機をしている時に感じました。大使館やベンチャー企業へのインターンをしている、ボランティア団体を立ち上げ精力的に活動している、トライアスロン日本代表を目指しているなど全力で学生生活を謳歌し、会うたびに成長している友人が多くいる中で本当にこのままで良いのかと思うようになりました。
 また高学歴で優秀な同僚たちがこのような労働に時間を割いているのは、本人、ひいては日本社会のためにならないのではないかという疑問も感じました。輝いている友人たち以上の学歴と素質を持った同僚が私と同じ単純作業をしていることは、物凄くもったいなく感じました。成長機会を失い、還元する場も持っていないのは誰の幸せにもならないと思いました。  

センプレとの出会い

 このような疑問を持っていましたが、バイトをやめて他のバイトやインターンを探すということはしませんでした。それは周りに迷惑をかけたくないという考えが私に根づいていたからです。バイト先では私がバイトリーダーであり、人手不足でもありました。そのしわ寄せが社員の方や同僚に及ぶことを心苦しく感じていました。そのため、自分が我慢すれば現状は維持できるので考えないようにしていました。
 そんな時、サークルの先輩でありセンプレの創業者の1人である庄司さんから「教育に興味がある学生と会いたい」という呼びかけがありました。この抱えていた疑問をぶつけてみたところ、同意してくださり、それらの疑問を解消する教育ベンチャーを立ち上げたいというお話しを伺いました。


↑当時オフィスもなく代表の庄司さんと初めてお会いしたのは大隈記念タワー16階校友サロンでした。

1.自分がやっていることは本当に生徒のためになっているのか
 当時、合格すればすべて良し、と考えていました。そのため合格を遠回りするようなやり方を強いるのはおかしなことであり、生徒のためになってはいないと考えていました。しかし、センプレは合格がすべてではなく、大学受験は一つの手段であり、1番の目的は人が成長し続けることであるという考え方でした。
 この考え方を聞いた時、衝撃を受けました。生徒のためにどうすればよいかと考えていた自分も、手段の目的化をしてしまっていました。そして、真に生徒のためを思うのであるならば、学び成長する力を鍛えていくのが1番であると思えました。ただ、それと同時にそれは理想に過ぎないのではないか、という思いも生まれました。大学受験生にそこまでの力があるのか、大学生や社会人になってから身につけるような力を求めても良いのか、疑問はありましたが、この考え方が通用するのであれば日本社会全体が変わってくるという熱い想いにかられ、ひとまず関わることにしました。
 センセイを始め、結果的に大学受験生にはそれだけの力があるということがわかりました。学び成長していく速度は人にもよりますが、中には自分の思考力が抜かされたのではないかと思えてしまう一面を見せる生徒もいました。この経験から成長するのに早いも遅いもないことを改めて感じました。生徒が成長していくことで、本当に生徒のためになっていると実感できるようになり、抱いていた疑問が1つ解消されました。

2.自分の貴重な大学生活の時間をこのような単純作業で浪費して良いのか
 センプレには単純作業はなく、生徒のためにいかなることができるかを常に考えさせられるものばかりです。生徒の取り巻く環境は常に変化します。上手く行き続けることはまずなく、原因分析と解決策を考えなければならない状況が続きます。
 そもそも、生徒が一生懸命無駄な時間を減らし、工夫して勉強しているのを近くで見ていたら、時間を浪費して良いという考えが吹き飛びます。ひとつひとつの行動の意味をはっきりさせ、能動的になることを生徒に求めていると、自分自身の行動を意識するようになってきます。こうして抱いていた疑問のもう1つも解消されました。

このように疑問が解消されていくことで、生徒にもバイトにも不利益がでている組織に所属しているだけで、その組織を存続させ、様々な人の成長機会を奪うことに貢献してしまっていると思うようになりました。そして、思い切って大手予備校のバイトを辞めて、センプレに完全に移ることに決めました。

センセイとして

 センセイとは生徒に指導を行う役割です。指導では勉強内容を教えるのではなく、勉強方法や生活面といった受験に関わる全てに対してコーチングを行うものです。生徒が抱えているものを引き出すための傾聴力や話を整理するための論理的思考力が鍛えられるのはもちろんですが、生徒が毎日投稿する学びログを見て成長をそばで見ることができるのが一番の醍醐味だと感じています。
 ただ、最初はティーチングとコーチングの違いの難しさを感じました。自身が受けた教育でも予備校でチューターして生徒と接している時でも、知識がある方がない方に一方的に伝えることばかりでした。それに対してセンプレでは対話を中心にするコーチングを生徒に行うものなので、既存の経験が逆に足を引っ張ってしまうことがありました。コーチングスキルを身につけて実践をしていると、相手を尊重し共に考えるという過程で自分一人では思いつかないような考えが出てくるのも魅力的です。
 また個人的に魅力に思えるのは、地方の生徒と関われることです。今現在8人の生徒を担当していますが、内訳は北海道1人、埼玉県1人、神奈川県1人、静岡県1人、愛知県2人、広島県1人、福岡県1人です。それぞれの地域と高校独自の教育実態を知ることができ、その影響を受けている生徒と話せることも新鮮で本当に魅力的です。


そんな私は、こんな人に働いて欲しい!

 私は来年の3月には卒業し、民間企業で働くことが決まっています。起業する前から関わってきたセンプレには本当に愛着があり、より素晴らしいものなっていって欲しいと願ってやみません。就職活動も終わり、センセイとして貢献していこうと思っていた折、センプレの創業者の1人である馬場さんに「センプレで採用担当をやってみない?」とお声がけをしていただきました。僕はセンプレに関わったことを機に、多くの自分が持っていた固定概念を崩してもらい、思いもしない景色を多く見せてもらいました。自分が経験したことをより多くの人にも経験して欲しいという思いもあり、二つ返事で引き受けました。
 現在センプレは波に乗ってきて人数的にもコンテンツ的にも急速な拡大をしています。そんな時だからこそ、センプレの根幹となる想いに共感してくださる方に働いて欲しいと思っています。少しでも興味がある人がいればお話したいと思っています!

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