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【創業者インタビュー②】—SIVAの歴史—Squad beyondの事業開発秘話と月間広告流通額10億円を突破するまで


前回
【創業者インタビュー①】“正しさ” を「信用」と「成果」に。新しいデジタルマーケティングの世界へ 。
からの続き

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先日(2020年12月)、Squad beyondが正式リリースから約6ヶ月で広告流通額累計50億円、月間の流通額は10億円を突破しました。導入企業は数百社を規模になり、デジタル広告に携わるさまざまな方に利用されるツールに成長しています。

そんなSquad beyondがどのようにして生まれ、どんなチームでどう発展させてきたのか、SIVA代表の杉浦に話を聞きました。

Squad beyondの礎をつくった、創業からの2年間

—— Squad beyondの正式リリースから約6ヶ月で、早くも月間の流通額は10億円を突破しましたね。今回は、ここまでの歴史を伺いたいなと思っています。

SIVAは創業してから丸4年になるんですが、そのうちSquad beyondの運営・開発をしているのは直近の2年間です。Squad beyondの構想自体は創業から半年後ぐらいにはありましたが、創業1、2年目は、ツール(Squad beyond)開発はせず、別のことをやっていましたね。

創業当時のオフィス。なぜか17時をすぎると下水の匂いがひどかった...。



—— それはなぜですか?

まず、いきなりツールを出したところで使ってもらえるイメージがありませんでした。仮に使ってもらえたとして、サポートや継続的なアップデートが必要になることは明確でしたが、それをできるリソースが足りてなかったからです。

そこで、Squad beyondに辿り着くまでの道筋として、まずは「Squad」というASPの提供からはじめました。

ASPから始めた理由は、アフィリエイトという取引形態の特性上、広告主はリスクが限りなくゼロに近い。逆に広告運用側の視点で見ると、弊社にノウハウが多くあり優位性があった。つまり顧客を集めやすいんです。そしてそれが一過性の顧客でなく、資産になる顧客です。その先に構想しているSquad beyondが関わる領域である広告運用に関する登場人物全員を集められるわけなので。

また業界の特性として、社歴が浅くても数字さえ上がれば依頼される仕事がわかりやすく増えていくという特性があります。その特性を利用してまずはSIVAの強みを確立して信用を獲得していき、自社の信用度を高めた状態でツールへ移行していこう、という戦略でした。

—— まずは自分たちの存在を認識してもらうところからのスタートだったんですね。

そうです。

その次に行ったのが、アフィリエイターの方々への“正しい”広告運用スキルの提供です。

僕がGunosyにいたときに培ってきた広告運用のスキルを、小さな広告代理店や個人の方など、これからアフィリエイトをはじめたいという方に向けて提供するようにしました。

—— “正しい”広告運用スキルとはどういうものですか?

たとえば、「CPMはどういうものなのか、なぜ大事なのか」「どういう時に広告の入札額を強めるべきなのか」などの、正しいノウハウと心構えです。アフィリエイトにどっぷりハマっている人は、自分の利益に対してとてつもなく執着がありますが、他人の利益を考えない傾向があります。

広告には、表示する場所を提供してくれる「媒体」、お金を出す「広告主」、運用する「代理店」など様々なステークホルダーが存在します。
それぞれに対しWin-Win-Winの関係を築かなければ長期的に収益は得られません。

そういった心構えから実際の手法までを教えながら自社の取引先の商品を売ってもらう。ということをしていました。

その中でも、ノウハウを誰に教えるか?は非常に大事にしていましたね。

お申し込みいただいた方と必ず面談をして、「どういう風にやっていきたいか」という方向性などの合意が取れないと全部お断りしていました。「嘘をつかない」とか「裏切らない」とか、僕たちが大事にしていることを守ってくださる方とだけ、お付き合いをさせてもらっていました。それが2016〜2017年頃のことです。

今も変わらない、サービスポリシー

—— この頃から、Web広告における「透明性と安全性を保つ」「モラルを守る」ということを大事にされていたんですね。



そうですね。

そうして正しい広告運用スキルを提供していると、徐々に「この話だけで、30万円のセミナーくらいの価値あります!」と言ってもらえることが多くなってきて。「もっと早く構想をサービスにできる」という体感を得られたのが、ちょうどこの頃です。
逆にセミナーでお金取ってる人たちってこんなことで稼いでるの?という疑問も生まれましたね(笑)

そこで、広告主ではないところから、月額固定でアフィリエイターさんから毎月会員費を受け取るというビジネスモデルを、業界で最初にスタートしました。最初は月1,000円で始めました。

もっと儲かる単発のセミナーにしなかったのは、自分たちで教えることに責任を持ちたかったからです。
単発ですとどうしてもその後の縁は続きにくいですし、短期的な手法を教えることに集中しがちです。そうなると結局、弊社の思う良い広告運用にはなりにくい。

だからこそお客さんにも、月額を支払うくらい本気で、その程度の資金もきちんとあって、クライアントの成長につなげるというマインドを求めました。実際に取引をお断りさせていただく方も多かったです。

その結果、会社が一気に成長して、10億円を超える売上を2期目につくることができました。

—— ここまでは何人体制でやってこられたのですか?

コンサルティングをはじめる頃まで社員は原だけでした。それ以外には業務委託のエンジニアで現在もCTO的存在の高橋。彼らと僕の3人でした。

その半年後に、現在のプラットフォーム事業部長である明石がジョインします。
ここからバックオフィスメンバーなど、少しずつ仲間が増えていきましたね。

この頃から、いよいよ次のステップに突入します。
コンサルティング内容をプロダクトで表現する。プロダクトに落とし込むことで半自動化しお客さんの裾野を一気に広げ、様々なビジネスのマーケティングインフラになるためのプロダクト。これがSquad beyondの前身となるサービスです。

Squadから、Squad beyond。そして急成長の入り口へ



—— いよいよ、本当に実現したかったことのサービス化、Squad beyondへと移っていくわけですね。

はい。ただ、実はここでも一気にプロダクトにはせず、ASP機能の一部としてスタートしました。

ASPを提供していたことで、広告主(クライアント)・代理店・制作会社・運用者というデジタル広告の関係者全員がSIVAの周りに集まってくれていたので、まずは彼らに利用してもらい、フィードバックをもらいツールに反映していくという形で、ひとつひとつの機能を拡充していきました。
如何に理想を語っても、現状の業務が滞らないレベルの基本機能は備えてる必要があったからです。なので、最初はデザイン度外視で既存のASP上に実装し、最低限の実用に耐えるシステムを構築しました。

ASP上に実装していたのにはもう一つ意味があります。それは機能の利用を排他的にするためです。
弊社のASPに登録されている広告主の商品に対してのみ機能を使えるようにしていました。
排他的にすることで需要を確認できます。多くの場合、広告主も代理店も1つのASPだけを使うということはありません。つまり、機能が優れていればいるほど「他のASPの案件にこの機能を使えないか」「うちのおかかえ代理店にこの機能を使わせたい」という声が届くようになります。中には、日本を代表する広告媒体から「うちの代理店向けにこの機能だけ導入させて広告売上を伸ばしたい」という打診までくるようになりました。
そういった声が多くなってきたことで、「確実に需要があるな」という確信をもち、いよいよ本格的にスピンアウトすることを決めました。

そこからデザイナーをアサインし、前途した広告媒体から代理店さんを紹介頂いたりなどして、今まで取引のなかったテストユーザーに数社協力いただき本格的に開発していきました。

その後1年ほどベータ版として開発と調整を続け、サービスとしては2020年7月に、Squad beyondを正式リリース。現在は数百社規模でSquad beyondを導入いただいていて、2021年1月には広告流通額累計50億円、月間の流通額は10億円を突破する規模になってきました。

規模もそうですし、日経新聞様にメルカリなどのメガベンチャーと並んで掲載して頂いたりなど、我々の取り組みそのものを評価いただけるようにもなってきました。

信頼できるテックを競え デジタル社会のモラル改善

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH153CP0V11C20A2000000/


—— そんな伸び盛りのSquad beyondを、現在はどのようなチーム編成で運営・開発されていますか?

Squad beyondをβ版としてリリースしてからは、毎月ひとりメンバーが増えていくようなかたちで徐々にメンバーが増えました。しかしやはり、全くの新規事業でなかなか定着しない時期もありましたね。


いまはほとんどSquad beyondに集約していて、開発エンジニアが3人、エンジニアと営業の中間職が1人、営業が2人、デザイナーが1人、CX(カスタマーエクスペリエンス)が3人、マーケティングに関わるインターン生が3人、部長というチーム編成です。

あとは、SIVA社内で広告運用をしてほしいという依頼もあるので、その部署に3人。

バックオフィスのメンバーが1人、委託のデザイナーやコーダーが数名いますね。SIVA全体では25人前後の組織まで成長してきました。

—— 現在もさまざまなポジションの募集をされていますね。

圧倒的なSquad beyondの伸びによって、今紹介したすべてのポジションでメンバーを募集しています(笑)

雇用形態や働き方は柔軟に対応できるので、SIVAや事業に少しでも興味を持ってくれた方は応募してもらえたらうれしいですね。


続きはvol.3「急成長スタートアップ創業者の経営観——SIVAをかたちづくる、経営者としての意思」へ

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