独学でAIを学び始めて10年。ブラック企業・フリーランス・自身の起業を経て、スカイディスクのビジネスをどのように伸ばそうとしているか、全貌を聞いてみました。

▼伊藤 俊介

スカイディスクの創業メンバーで、現在取締役兼最高情報責任者CIO。大分県出身。
20代はSI企業に所属し、製造、⾦融、物流等のシステム開発に従事。30代でSIerの人材紹介会社を起業。同時期に、AIによる時系列データ分析を用いたトレーディングシステムを開発し、セミリタイアをする。2014年頃からスカイディスクの前身であるネビラボにジョイン。2017年1月より現職。

▼AIエンジニアになりたい!という人は多いと思うのですが、伊藤さんはどのようなキャリアを経て、AIの技術を身につけていったのでしょうか。

小学生の頃、ちびまる子ちゃんの花輪くんのようなお金持ちの友達がいたんです。

3時のおやつが美味しかったので、毎日のように彼の家に遊びに行っていたのですが、そこにピアノと一緒にパソコンが置いてあり、毎日のようにパソコンに触れていた経験が、エンジニア人生の始まりでした。

PC-8801シリーズというもので、当時100万円くらいしたものです。

それから高校は理系、大学は情報系に進みました。

大学生の時にWindows95がリリースされ、その頃、今のブラウザの走りであるMosaicなどを海外の大学からダウンロードして、コンパイルして使っていました。

また、スティーブ・ジョブズが一度Appleから追い出された後に設立したNeXT, Inc.社のパソコンを情報処理ルームで使い、OSXの元となる「NeXTSTEP」でJavaプログラミングをし、HP作っていました。

▼IT革命の真っ只中、新しい技術にどんどんのめり込んで行った様子が目に浮かびます。大学卒業後は、就職をされたんですよね?

社員数1,000名ほどの、福岡のSIerに就職しました。

ただ、先端なことをやりたかったのですが、COBOL(※)を使ってシステムを開発することになってしまって…

(※)1959年に事務処理用に開発されたプログラミング言語

また、製造業や銀行向けのシステムを作っていたのですが、ある時宮崎に飛ばされました。

飛ばされたのはまだ良かったのですが、ボロボロの平屋に10名ほどで共同生活をさせられることになってしまったんです。雨漏りした水を貯めるためのソリが置いてあるほどボロボロでした。

当時は地下鉄サリン事件などがあった頃で、近隣の住民に怪しまれて警察に通報されて指紋とられたこともありました。


△宮崎での一枚

▼尋常じゃない環境ですね(笑) 

先輩達と一緒に住んでいたのですが、結局先輩全員辞めていってしまったので、入社3年目くらいですでにプロジェクトのリーダーを任されていました。

ただ、そんなブラックな会社だったのでいろいろあって(ごにょごにょ…)今度は鹿児島に飛ばされてしまったんです。


△鹿児島へ飛ばされた際の一枚

会社のブラックさに嫌気がさしてきたのと、COBOLのような古い言語よりも、当時最先端の言語であったJavaでの開発がしたくて転職を決意しました。

無事、すぐに福岡の別の会社に転職することができました。

▼良かったですね!ただ、この流れからなんとなくそこでも事件が待っていそうな気が…

事件は転職初日に起こりました(笑)。

案件を任され、初回の面談で東京の四ツ谷まで日帰り出張を命じられたんです。

そこにいる社員に声をかけてください、と。

そうしたら、なぜかそのまま東京に11ヶ月間もいることになってしまったんです。

毎日夜の3時まで仕事して、ホテルに帰ってからも打ち合わせする日々でした。

その会社では、Javaを使った開発をしていたのですが、当時先端すぎてノウハウがなかたっため、PMが失踪する事件なども起こっていました。

こんな環境でも、自分は「(悪い意味で)引きが強い」くらいにしか思っていなかったのですが(笑)

あとは「乗りかかった船だし、最後まで航海を続けよう」という気持ちはあったかもしれません。

▼漆黒に近いブラック企業での経験も乗り越えられてきた伊藤さんが、スカイディスクを創業したきっかけは何だったんでしょうか?

ちょうど東京でのプロジェクトがひと段落して、11ヶ月ぶりに福岡に戻ってきたときに、SIerになったばかりの、現スカイディスク代表の橋本に会ったんです。

新しい挑戦を始めて希望に満ち溢れている橋本に、SI業界のブラックさに辟易していた自分は、「SIなんて辞めなよ」「SIはビジネスモデルが人売りだ」とか言っていました(笑)

▼ちょうどその頃、伊藤さんご自身は会社を辞められていたんですよね?

はい。サラリーマンを辞めてフリーになりました。

今まで仕事でおつきあいのあった方から仕事をいただいて、年収は倍になりました。

28歳の時です。

しばらくフリーで仕事をしていたんですが、2006年に会社法が変わって、1円からでも会社が作れるようになったを知り、会社を作ろうと思ったんです。

何をやろうかな、と考えたときに、今までSIerとして人に使われる側にいたけれど、今度は人を使う側に回ってみようと思い、SIerを派遣する人材紹介業の会社を立ち上げました。


△起業時の仲間との写真

ただ、売り上げは働いている人にきちんと還元させたかったので、自分の食い扶持は株で稼いで、売り上げは還元できるようにしていました。

でも実際これが難しくて・・・

お客様から「◯◯さんがきません!」と電話があって、本人に電話をしてみたら、「海を見に行ってました」という人がいたり、何回注意しても客先で寝る人がいたり・・・

12人ほど雇用していたのですが、人の管理が本当に難しかったです。

一方で、自分の食い扶持を稼ぐための株については、ちょうどリーマンショックの時に、TVなどで金融工学という分野があると知り、「『工学』ということは自分でもできるのでは?」と思って勉強し始めたらうまくいきました。

統計学がわかる人が「プログラミング(AI)を用いて儲ける!」というような内容だったのですが、1年半ほど海外の文献などを読みながら試行錯誤し、自分でコンピューターで株を売買するシステムを作りました。

2011年頃に大きく儲けて、どんな相場が来てもいけるだろう、という自信が持てたので、自分で作った会社は畳むことにしました。

▼20代はSIer、30代で起業してトレーダーへ転身…すごいキャリアですね。そしてセミリタイアもされたとか。

トレーディングシステムを運用するために、福岡の自宅にサーバーを設置して、24時間、平日ずっと回していました。

ただ、東日本大震災のときに、福岡も輪番停電するかもという噂が立ちました。

自宅のサーバーも止まってしまう!と思い、クラウドにシステムを再構築したんです。

結局、輪番停電は福岡には来なかったのですが、そのときに「クラウドにシステムがあるなら自宅にいる意味って、ないんじゃないか」と気がついたんです。

その後、2011年秋頃から3年くらい、世界を周遊していました。

37歳くらいの時です。

サッカーが好きだったので、イタリア、スペインなどのヨーロッパ中心で、セブ島にも行きました。

3〜4ヶ月ほど旅行をして、時折日本にかえる、という生活をしていました。

帰国時にいつも会っていたのが、橋本でした。

▼初めて出会ってから10年… 連絡を取り合う関係がずっと続いていたんですね!

はい。橋本が、スカイディスクの前身の会社の話をしていて…暇だったので、手伝おうと思ったのが始まりです(笑)

「暇」というのは半分冗談で、ちゃんと言うと、人生をサッカーに例えると70歳くらいまで生きるとしたら35歳くらいが人生の前半戦だと思うんです。

海外での周遊をハーフタイムとして過ごして、後半戦は何をしようかなと思っていた頃でもありました。

自分で商売をして、セミリタイヤしようと言う夢も叶えてしまっていたので。

そのときに思い浮かんだのが、「仲間と一緒に冒険をする」ということでした。

橋本にも「暇ならおいでよ」と声をかけてもらったので、一緒に創業することにしたんです。

▼最初に作った会社は、スカイディスクではなかったんですよね?

ネビラボという、ソフトウェアの会社を作りました。

ただ、それにハードを組み合わせてサービスを提供する、スカイディスクの構想はありました。

具体的には、独居老人の見守りシステムや農業IoTもしていました。

その頃はインターンとして安部くんもいました。

ちなみに当時、自分はアルバイトとして働いていました(笑)

▼すごいキャリアアップですね!10年以上AIを活用した開発をしてきた伊藤さんからみて、現在のAI業界について感じられていることを教えてください。
AIのアルゴリズム開発は、圧倒的に海外勢が強いですね。

資本も多いし、優秀な人が多いので、太刀打ちできないと思っています。

ただ、IoTで集めた時系列データをAIで解析する、IoT×AIの分野では、充分日本が勝てる領域だと思っています。

センサなどの緻密なハードウェアは日本は得意でしたし、ハードウェアとソフトウェアを擦り合わせて作る、自動車やカメラなども強い。

なので、そのような領域では十分にチャンスがあると思っています。

ただ、デバイスのコストがまだまだ高かったり、電池の持ちが長いデバイスがまだ少ない問題があるので、一気に普及する感じはなく、どこも手探りでやってる感があります。

▼メディアでは毎日のようにAIが取り上げられ、ブームがきていると感じますが・・・

現場での実証実験をすると、まだまだ普及には時間がかかると感じています。

IoTに限らずAIでも一緒で、実際に何ができるかは手探り状態です。

ただ、大手電力会社様や、世界的な計量機メーカー様と一緒に仕事をさせていただくことで、AIを導入することで確実にお客様のビジネスが大幅に改善される案件を手がけているうちに、手ごたえを感じてきました。

例えば自動運転などの分野では、まだまだ機械に任せるのが不安、という声はあると思いますが、安全性のハードルが低い分野では、一気に普及していくと感じています。

▼実証実験から実案件化したものも増えてきたので、これからが楽しみです!

 最後に、今後のスカイディスクのAI事業について、お聞かせください。

先ほど話したように「ただAIのフレームワークを作ります」といっては、日本は勝てないと思うので、業務知識をAIモデル化する、というところに力を入れていきたいです。

自動運転などは大手企業が手がけると思うので、ニッチだけれど、お客様のペインが強い、ベンチャーだからこそできる分野を切り開いて行きたいです。

日本は超少子高齢化社会で、これからどんどん知見を持った技術者がいなくなってしまうので、その熟練の技術をモデル化しておくことにチャンスがあると感じています。

▼なるほど。そのためには、仲間がもっと必要ですね。

テクノロジーの理解だけでなく、それをどのようにビジネスに転換させられるかを考えられる人に、ぜひスカイディスクにジョインして欲しいです。

iPhoneやiPodも、それまでウォークマンやガラケーなどに使われていた技術を組み合わせてできたものですが、AI業界でも、既存の技術を組み合わせてビジネスにできる人は、すぐに活躍できるようになると思います。

40代の今、そうした業界で仲間と一緒に戦えているのは、とても面白いと思っています。

乗りかかった船なので、最後まで頑張りたいと思います。

株式会社スカイディスク's job postings
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