私は、昨年4月ベトナム現地採用としてソルテックベトナムに入社しました。今年4月に入社2年目を迎えたばかりの私にとって、社会人1年目の経験は社会人経験そのものです。今回、その中で1番印象に残った体験について書きます。1年間海外で働き、異文化から生じる困難や外国ならではの希な体験もしてきました。しかし、それ以上に私に大きな影響を与えた経験は、日本人の職人のＹさんとの出会いです。

　私は、タイの現場工事のプロジェクトでＹさんと出会いました。Ｙさんは、日本本社から来た日本人の職人です。この工事でＹさんと3ヶ月間、共に仕事をしました。Ｙさんの年齢は67歳。67歳という年齢で40度近い炎天下の中、現場作業を平然とこなすだけでも凄い事だと思います。若い20代のタイの職人が直ぐ休憩を取ろうとする中、Ｙさんは黙々と働いていました。それ以上に彼から受けた大きな衝撃は、仕事に対する姿勢です。 Ｙさんは、仕事に一切の妥協を許しませんでした。例えお客様が良いと言っても、自分の仕事に満足できなければ決して納得しません。言動、一つ一つに拘りがあり、プライドを持って仕事に取り組まれていました。Ｙさんが私に良く仰った言葉があります。

　｢やるからには、良い仕事をせなアカン。仕事は、自分のため、家族のため、会社のためにヤるんや｣

Ｙさんの働く姿勢に圧倒され続けた3ヶ月間でした。そんな彼の働く姿勢を目の当たりにし、自分の考えの甘さに改めて気づくと同時に、日本の職人の凄さを肌で感じることができました。　誇りとプライドを持ち仕事に取り組むＹさんとの出会いを、社会人1年目を振り返った時に1番最初に思い出します。