異国での孤独を救ってくれたインターネットと、巨大プラットフォームへの違和感 〜スタートバーンの中の人Vol.2〜松本光広さん

スタートバーン社員を紹介するシリーズ、第2回は、昨年12月入社のプロジェクトマネージャー松本さん(通称:Mitsuさん)です。インターネットとの出会い、大学院での無線通信技術の研究と、その先に感じた巨大プラットフォームへの違和感。そしてMitsuさんなりの「ブロックチェーンの可能性と未来」について聞きました。スタートバーンの雰囲気が少しでも伝われば嬉しいです。

松本光広 プロジェクトマネージャー

1989年生まれ。幼少期をアメリカで過ごす。早稲田大学基幹理工学研究科情報理工学専攻修了。院ではソフトウェア無線やDTNについて研究。卒業後は教育系ベンチャーにてウェブマーケ、営業、人事等を担当。2018年よりスタートバーンにプロジェクトマネージャーとして入社。趣味は映画、言語の勉強とトレイルラン。また大学時代の活動が高じ、神奈川県出身ながら鳥取県江府町のふるさと大使を務める。

慣れない異国での孤独を救ってくれたインターネットとの出会い

ー大学でソフトウェア無線の研究をしていたけど、子供の頃からITが好きだったの?

小学校高学年から中学3年まで、親の仕事の都合でアップル本社があるアメリカのサンノゼという街に住んでいたのですが、その頃パソコンにのめり込みました。英語が苦手で周囲に友達も少なくて、親も仕事が忙しくて余裕がなくて、「誰かと繋がりたい」と思って当時ネットの匿名掲示板サービスにハマったのが最初ですね。

親や知人に言えない孤独さとか、愚痴を書き込むと、ネットを介して名前も顔も知らない誰かが「わかる、俺もだよ」って返事をくれて繋がれる。純粋にインターネットの素晴らしさを感じて、その延長線上で大学の理工学部に進みました。

ーインターネット=プログラミングとかではなく無線やDTN、インフラ技術の研究をした理由は?

研究室を選ぶ時に色々と見学をしていて、先輩が無線端末同士を通信させるZigBeeのデモをしていたのを見ました。それで「目には見えないけど通信技術で繋がっている。これがインターネットの本質だ」と感じて、無線ってかっこいいなと思ったんですよね。

僕にとっては、無線技術もどこか人間的なものに感じて、例えばwifiでデータを飛ばす際に処理が多すぎると「パケット落ち」が発生します。人間に例えると「すごく忙しくてテンパっている時に話しかけられても、相手の言っていることを拾えずに情報が抜け落ちる」のに近い。

無線技術を掘り下げるほど、むしろ「人間的なもの」が見えてくる。なんとなく「人でも機械でも、自分は”コミュニケーション”に興味があるんだ」と気がつきました。

ー大学が理工学部で通信技術研究だけど、就職はIT企業じゃなかったんだよね。

たしかに大学時代の同僚はgoogleやfacebookなど巨大IT企業に就職した人も多いです。たぶんそのコースが王道ですね。

ただ僕は、大学院でネットワークの研究をしながらずっと「ITの巨大プラットフォーム」に対して違和感を抱いてたんです。僕が最初にのめり込んだ「匿名で顔が見えなくても、みんな平等で伝わるネット社会」じゃなく、特定企業が独裁的に左右するネット社会のような。

ー自分が好きなインターネットでは無かった。

そう、だから最初にスタートバーンのオフィスに遊びに来た時に未だに覚えていることがあって。

当時、僕はブロックチェーンの知識が全然無かったんですが、代表の施井さんが「ブロックチェーンで平和的につながる仕組みを目指している」って言ったのがとても印象的で。

巨大ITプラットフォームが寡占して誰かが独裁的に振る舞うインターネット業界への違和感、自分が好きだった「無名でも匿名でも、フラットに伝達してコミュニケーションする仕組み」その両方にしっくり来る話でした。

あの一言が、スタートバーンで働いてブロックチェーンに関わろうと感じた第一歩だったと思います。

「共通言語」を持つための努力

日本語・英語と相手の状況に合わせて使い分け、コミュニケーションする姿が印象的

ー入社してすぐ、PM(プロジェクトマネージャー)になったけど、心がけていたことはある?

「ユーザー目線」と「共通言語」ですね。
「ITサービスのPMの仕事とは何か?」とずっと考えていて、この2つが大事なんだと思います。

例えば、誰かが”こういう表示をしたほうがいい”とアイデアを出す、それがエンジニア視点になれば”一回だけ表示”なのか”毎回表示する”かで仕様も変わるし、どちらがユーザーにとって必要なものか?の視点もある。

全てのバランスを取るためには、みんなの目線を尊重しつつ、その中で共通言語をどう作るか?が必要になります。全員がスムーズに仕事するためにPMが必要とされるのはその共通言語化ではないかなと。

ユーザーにとっての使いやすさとか、理想の実装の形とか。
それぞれの目線で「こうしたほうがいいのでは?」と解決案を出す、その解決策だけ議論するのではなく、元々の「ユーザーが達成したいこと」に立ち戻ると、意外とシンプルな解決策が見つかるし、全部自動化するより個別で手動対応したほうがいい、とか。

紋切り型じゃなくてユーザーのシチュエーションと目線にあわせて対応しつつ、実装する際のバランスにも気を使うことが重要だなって感じます。

ー立場がみんな違うから共通言語が必要。

はい、だからPMって全員の意図をなるべく正しく理解しなければいけない。
みんなの発言はひたすらメモを取るし、わからない言葉や知識も調査して自己解決して、状況を整理して、やっと共通言語化できる。

スタートバーンに入社してからは、vue.jsなど毎日プログラミングの勉強もし始めました。
これはエンジニアと仕様について議論をする時、プログラミングが理解できていればより良い共通言語が作れる。ただ資料を読んで概要を掴むだけじゃなく、自分自身でプログラミングを読み書きしたほうが同じ視点になれるのかなって。

「新しい仕組み」を作る時に必要なこと

Mitsuさんは自分で言うとおり「とにかくメモを取る」、打合せ後は毎回メモで埋め尽くされている

ースタートバーンのメンバーについてなにか思うことはある?

とにかくみんな熱量があるなーって思います。

以前、今後リリース予定機能について全社的な議論をした時、本当にみんな自分の意見がある。「ここをケアすべきだ」「こうしたほうがいい」全員が率先して自分から意見をいいますよね。

普通、多くの人が集まって議論するとどうしても「意見を聞かれたから頑張ってなにか言わなきゃ」みたいなスタンスの人も多少いるはずなのに、スタートバーンの場合アート業界に強かったり、ブロックチェーンに造詣が深かったり、色々な視点はあるけど、全員が自分なりの視点と考えを必ず持っている

ー言われてみればそうかも。

会議中じゃなくても、ランチ中の会話でもちょっとした立ち話でも、自然とそういう議論が日常会話になっているし、タスクを割り当てられていなくてもバグや使いづらいポイントを細かく発見する人がいたり、メンバー全員が自然とそう振る舞っているのはとてもいい職場だと思います。

結局、前提がないことを楽しめるかどうかが大事なんだと思います。
ブロックチェーンを本格的に社会実装したり、サービスとしても前例が少ないジャンルでお手本となるものがほぼ無い。それが不安要素になるのではなく、むしろその状況を楽しいと感じている。

仕事を通じて自分がどう成長するか?はもちろん考えているけど、自分の成長のためだけに働くのではなく「新しい仕組みのあるべき姿」が根底にある。

新しい仕組みを作ろうとしているので「もっと良い仕組みはなんだろう」「世の中にあるべき仕組みはなんだろう」って考え続けるので、全員が自然に「利他的」になっているのかなと思います。


かつて教育系サービスに関わった経験が「ちゃんと伝わっているか」へのこだわりに活きているという

ー仕組みを考える上でMitsuさんなりに必要だと思うことは?

当たり前の前提を払拭して、全く異なる価値観の人も使うことを想定できるかですね。

うちのメンバーにはバングラデシュやインドネシア出身で、イスラムを信仰している人もいるじゃないですか。先日なにげない会話の中で「クリスマスは何をしたの?」って聞いたら「僕らはイスラムだからクリスマスはやらない」って言われて、ああそうだって気づかされました。

世界に広めたい仕組みでも一緒ですよね。
日本で普通に生きていたら当たり前に感じてしまう価値観や考えが、ちょっとしたコミュニケーションでも通用しない。誰かが前提を決めつけて進めれば、自然とその仕組みを理解できない人が出てくる。

この半年で僕以外にも多くのメンバーが入社したことで、社内の視点がいい意味で増えたと思います。
例えば、真面目に仕様どおり作るエンジニアが多い状況で加藤さんが入社して「ちょっとやってみたかったから」と作っちゃう遊びの要素とか、濱崎さんが入社して、データベースの構造や整理に新しい視点が生まれたり。

開発においても、必要な仕様どおりのコードを書くだけではなく、「ユーザーから見た気持ちよさ、美しさ、快適さ」とか「この形で本当にみんな理解できるか、仕組みに入ってくれるか」とか、そういうことを考えながら手を動かせる人はスタートバーンに向いてるんじゃないかと思います。

ー最後に、Mitsuさんの今後のビジョンを教えてください。

仮に「10年後」だとすると。
僕の子供がちょうど、自分がアメリカに移住したときの年齢になるんです。
漠然としてますが、自分の子供の世代に残るなにかを作ることに関わりたいです。

僕が渡米した時に両親に感じていたのと同様、恐らく僕の子供も10年後の僕や社会の姿をみて、自然と何かを感じとるはずです。

その時に僕のことをみて「パパはお仕事大変そうだけど、なんだか楽しそうだな」とか
社会に対しても、日本って少子化とか経済とか暗いニュースが自然と多く感じますけど、ブロックチェーンがそういう課題をひとつでも多く解決したりできると思います。

未来の可能性がある仕事、って楽しいですよね。だからブロックチェーンに関わる仕事をする人が増え、その結果社会全体が良くなってくれたら嬉しいですね。

【編集後記】Mitsuさんは元々興味を持っていなかったブロックチェーンを、入社後貪欲に学び続ける姿が印象的だと感じていました。インタビューを通じて、その熱意の根底には知的好奇心だけでなく「最初にハマった頃のインターネット」の理想を追い求め、新しい仕組みを作りたいというこだわりがあるんだ。と気付かされました。(波多野)

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