3日間の検証で立ち上げたインサイドセールス

スタディストのインサイドセールスマネジメント担当の加藤です。

今回が初めての記事投稿ですので、弊社のインサイドセールスの立ち上げ期についてまとめてみたいと思います。

私は2017年の5月にスタディストにジョインしたのですが、入社するまでインサイドセールスはおろか、営業未経験でした。さらには弊社内にもインサイドセールスという職種自体もなかったので、ある意味営業スキルや環境に依存しない内容ですので、これからインサイドセールスに取り組んでみたい方の参考になることが少しでもあれば幸いです。

【3日間の検証で立ち上げたインサイドセールスの職務】

 立ち上げ期は6割良し。ミニマムスタートでスピード重視。

きっかけは自社SaaS『Teachme Biz』の「機能制限の多い低価格プラン」の廃止でした。

より継続的にサービスをご利用いただけるように、きちんと主要機能が揃ったプラン提供をして価値を届ける意図ではありましたが、単純にMRRだけで考えるとミニマムプランが月額2万円から5万円に値上がったことにもなります。それによって、お客様の検討スタイルに変化が出てきたのです。

従来はセルフサーブのほかに、お客様からの商談依頼の問い合わせ、自社セミナーへの参加、紹介で成り立っていましたが、MRRが5万円になった頃からセルフサーブはほぼ無くなってきました。

加えて事業の拡大に伴い営業メンバーも増員し、より多くの商談創出が必要になってきました。引き続き完全インバウンド型の営業スタイルではありますが、ただ待ちの姿勢だけではいけなくなったのです。

そこで注目したのが、資料請求者などに対する架電アプローチです。

「資料請求者に電話する」という、書いていて恥ずかしくなるくらい、かなーーり初歩的なフェーズだったにもかかわらず、弊社では既にMAツールを導入しておりリードに対するスコアリングを実装していました。ただ、スコアリングしながらも誰も営業アクションをしていない垂れ流しの状態だったのです。

検証は以下の2つの観点で定量的に分析をしていきます。

1,検証期間の設定

2,検証対象リード(量×質×対応品質)

<検証期間>

どのくらいの規模感からインサイドセールスをスタートしたいかによって検証期間を設定します。

検証期間を長くすれば精度はよくなりますが、それとトレードオフで当然時間がかかります。弊社の場合は、まずはミニマムスタート前提で検証期間を設定しました。

ミニマムスタートであれば、精度は6割良しで傾向がわかればOK。攻めるべきか否かの判断がつけばよい基準になります。

設定した期間は3営業日。架電数は40~50件。

短い!少ない!という声が聞こえてきそうなところですが、ここは、SaaS型・サブスクリプション型サービスの特徴を活かした点でもあります。

Teachme Bizの場合、通期での売上のバラつきや傾向に大きな差異なく、河の流れはどこで切り取ってもほぼ一緒だったため、どこで水質検査をしても同じ傾向値が採れます。6割良しでいいと決めた検証なので、検査に必要な最低限の水だけ採取できればよいのです。

そもそもまだ何もやっていない状態なので、仮に上手くいかなくても影響範囲は限られていますし、早期撤退もできます。

<検証対象の量と質と対応品質>

検証には少なくとも3つの変数があります。1:対象リードの母数(量)、2:商談化率(質)、3:営業スキル(対応品質)です。

検証前に対象リードの量は把握できていますが、質は架電してみないとわかりません。対応品質は何を基準にすべきかもわからない。という状態です(色々前例ができれば検証前に大体予測はつきますが、当時はゼロベースだったため)。

試算の精度をよくしようとすると、変数は増えていきます。3つの変数だけでもだんだん混乱してきます。

そこで、まず変数を1つだけにシンプル化することを心がけました。

量(把握済)×質(変数)×対応品質(対応する営業を1人に固定(自分))

これで変数はリードの質のみの1つのみになります。「◯◯さんだったら、この郡のリードは%商談化する」ということが分かれば検証のゴールとなります。

<検証の結果>

当時のスコアリングで、ホットリードと認定する基準がスコア30点というラインで仕組みが組まれていたので、まずはスコア30点を超えるリードに架電をしてみることにしました。

結果は、商談化率は約25%。

ほぼ無策でやった割には決して悪くはない数字でしたが、それでも営業1人の目標受注数から割り戻すとリード数が足りませんでした。

そこで、架電対象を広げてみることに。

スコア30点未満にも架電をして、アプローチするのが適切なのか検証をしてみました。

結果は以下の通り。


この結果から「A」+「B」を流量(母数)と定義しました。

「A」+「B」の流量があれば、営業1人分の受注数分は商談創出ができる。つまり、「人数を多く掛けるのには時期尚早」ですが、「営業1人を専任化」して商談創出からクロージングを行うためにアプローチするには充分という結論になりました。

こうして検証を行った私が、そのままインサイドセールス担当となり、自分の商談の創出の場を得たのでした。

商談化率20%かつ目標の受注数分の商談創出の場を一人でやらせてもらえるなんて、いち営業としては、ある意味オイシイ状態なわけで、アンテナの高い営業マンであれば巻き込みやすい状態ですので、私のような営業初心者よりも、ハイパフォーマーをアサインできると尚良しだと思います。

【そのKPIみんな興味あります?】

 わかりやすい成果で伝えて、個人業務からチームスケールへ

上記の通り検証はできたものの、まだ営業1人の受注目標分の流量しかありません。それでは個人業務の域を出ないため、”チーム”として対応できるスキーム化する必要があります。

しかし流量がなくては、いくら「良さそう」と思えても、リソース拡充はもちろん、そもそも流量を増やすためマーケティング施策をアグレッシブに実施する根拠が乏しい状態です。

社内関係者に「よし!行ける。アクセルを踏もう!」と思ってもらえるような結果が必要でした。

そこで社内への見せ方として気を付けたのが「きちんとインパクトが伝わるか」です。

そのためには、施策に巻き込みたい対象者が普段から興味を持っている話でないといけません。

ここは、インサイドセールス立ち上げ期に勉強熱心の方ほど陥りやすいのがKPIの罠です。

例えば、架電数、有効会話数、商談化率(数)など。最近インサイドセールスに関する記事や勉強会も増えてきており、KGI/KPIについての情報も多くなってきています。

しかし、これらはもうインサイドセールスがチームとして確立している中で設定されているKGI/KPIの話も多く、立ち上げ期には適さないこともあります。

今までなかった役割を作ろうとしている段階で、インサイドセールス目線のKGI/KPI設定で成果を語ってもインパクトが弱く、言葉を選ばずにいうと、「ふーん、で、それってすごいの?」と興味を持てないのです。これでは、マーケとセールスでよく聞くコンフリクトと同じ課題を、インサイドとフィールドに持ち込んでいるだけだったり。

まだ誰もよく分ってないことを先駆者の立場でやらせてもらえているのですから、一人でどこか遠くに行くのではなく、相手目線・普段興味を持っているKGI/KPIで「インサイドセールスってすごいんだぜ」って伝えてあげる必要があります。

では、何で成果を表したか。

それは普段営業が目標に設定している「受注数」です。

弊社でもインサイドセールス立ち上げから3ヶ月後に営業全体の受注数トップの成績を出したことが、チーム体制を組める大きな転機になりました。

可能であれば営業のトッププレーヤーを巻き込んだほうが影響度が大きいのですが、弊社の場合、私は営業経験数ヶ月だったので、正直社内影響度は低い人材選定ですが、それでも人の影響力を補うだけのインパクトが受注数(営業の普段のKGI/KPI)にはあります。


みんなが興味をもってくれた上で、

「実はね。この結果を生むためには、何コールして、商談化率がどのくらいで。」と種明かし的にインサイドセールスに適したKPI設定にシフトしていけるとスムーズかと思います。

【まとめ】

いかがでしたでしょうか。例えばマーケティングは、仕組みがいきなりマスに対して影響を及ぼすので、スタート時点からある意味慎重に取り組む必要もあったりしますが、インサイドセールスはデータドリブンでありながらも、最終的なコンタクトは人力になります。

そのため、間違った仕組みが急拡大してしまうことが少ない利点があります。この利点を活かして、高速PDCAを6割良しで回していくことができる点で、ある意味、インサイドセールスは”営業とマーケのいいとこ取り”をできる、非常に面白い職種だなー。と最近つくづく思います。

営業もマーケもどちらのスキルも身につけたい。データドリブンでありながらも、お客様の課題に寄り添って本質的な価値を届けたい。そんな方は弊社で一緒にインサイドセールスをつくっていきませんか?

https://www.wantedly.com/projects/232506

また、「神は細部に宿る」という言葉があるように、本当にそれで良いの?とお考えの方もいらっしゃると思います。大丈夫です。細部のブラッシュアップはインサイドセールスが立ち上がった後に、次のチャレンジとしてたくさん控えていますので(笑)

それはまた次の機会に。

株式会社スタディスト's job postings
13 Likes
13 Likes

Weekly ranking

Show other rankings