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【チームストーリー】ファンドレイザーとして”非営利団体の持つ未来を描く”コンサルティングユニット

STYZのコンサルティングユニットは、Syncable導入団体のファンドレイジングやコンサルティング支援をする部署です。デジタルファンドレイジングを通じてどのような未来を描いてるのか。実際にファンドレイザーとして従事するメンバーに語ってもらいました。

様々なルーツを持つ三人が語る、ファンドレイザーとして大切にしていること

多岐に渡るファンドレイジング業務を行うメンバーは、非営利団体のファンドレイジングの「今」とどう向き合っているのでしょうか。

※左:佐藤 中:高村 右:増田

高村:多くの団体さんのファンドレイジングを担当してきましたが、どのケースにおいてもまず自分自身が「直向き(ひたむき)にやる」ことを何よりも大切にしています。

例えば小さなケースではありますが、当日開催された会議の議事録をその日の内に送れなかったりすると、直向きさに欠けているな、と痛感します。「もうちょっと、後5分書けば送れるのに」「今のうちにやっておけば良かったのに」という、あと少しのアクションがやりきれなかったことで、その日動かせるはずだったことが進まない。

これは、ファンドレイジングにも重なることだと思っていて、自分たちが決めたことや準備したことを、どれだけ当たり前にこつこつ実行できるか、これがファンドレイジングの達成において大切なことの一つであると思っています。

だからこそ、誰よりもまず自分がその直向きさを体現し、団体さんに示していける必要があると思っていますし、彼らに向き合う上で大事にしているスタンスです。

佐藤:僕は、「最善を尽くす、自分を出し切る」ということを大切にしています。単純に、その日「考え抜いたぞ」「自分を出し切ったぞ」という自負が自分の中にないと、仕事をした気分にならない、という意図もありますが、ファンドレイジングの伴走支援において、僕自身が発揮できる貢献って本当に微々たるものだという、前提があります。もっと言うと、ファンドレイジングの達成は、団体さんの潜在力が5割以上を占めると思っていて、僕たちはそのポテンシャルの中でいかに闘うか、もしくは不足部分をどのように引き出してあげられるか、ということに常々向き合っています。

だからこそ、自分のこれまでの経験、見聞きしてきたことや他団体のケース・事例を基に、自分ならではのサプライズを団体に届けることで価値提供したいと思っています。

増田:お二人の普段の伴走支援の動きからもそのスタンスはとても感じます!

私が伴走支援をするにあたって気をつけていることは、「ただの御用聞きにならない」ことです。団体さんのやりたいこと、叶えたいことを考慮することはとても大切ですが、全て丸飲みしない。

それは、団体さんの直近のニーズや期待がAだとしても、中長期的に見たらBが大事だったり、Cを優先した方が良いときもあると考えているからです。言われたままに横流しで動くのではなく、そのニーズの裏側にあることをきちんと自分なりに噛み砕き、伴走している団体さんにとって最善のアウトプットを見出すように心掛けています。

良い意味で、伴走する側・される側という上下の関係値ではなく、ビジネスパートナーのような対等な目線でいるようにしているのかもしれません。

ファンドレイザーの伴走支援の役割

ファンドレイジングの伴走支援は、あくまで”伴走者”。コンサルティングユニットという名称からは相反するような業務の泥臭さと愚直なコミュニケーション方法に、この事業の真髄があるような気もします。そこで、伴走者としてファンドレイザーはどのような役割を果たしているのでしょうか。

高村:自分は二つあると思っています。一つは団体さんの持っている潜在力を100%発揮して引き出せるようにすること、もう一つは団体の理想像へと導いていくことだと思ってます。

佐藤:成功体験を客観的に見て示唆し続けることかなと、僕は思います。得てして寄付総額や寄付者数のような定量的で分かりやすい指標だけが成果として見られがちなんですけど、そうではなく、団体さんとのコミュニケーションで発見した新事実、改めて気付けた魅力など定性的な、どちらかというと主観的な成功体験を見逃さない…ということが役割の一つであると考えています。

増田:私も佐藤さんに近しいです。客観的に団体さんを見て、彼らの強み・弱み、補充しなければならない部分を見ることができるのが、伴走支援の良さであり役割なのではないかと。
自分が鏡のような存在になって、団体さんの可能性を映してあげること。私たちが介在することで、団体さんの未来を投影していけるようなイメージを追求していきたいと思っています。

理想的な伴走支援・ファンドレイジングとは?

デジタルファンドレイジングを通じて非営利団体が持つ想いを社会に届けるために、どのような伴走支援を思い描いているのでしょうか。

高村:いっぱいあって…いいですか?(笑)

今回は自分のようなファンドレイザーが介在したけれど、次回からは団体さんが自分たちでファンドレイジングを実行できるようになる、そんな状態にまで持っていく支援が理想的だなと思います。
あとは、自分にしか思い付かないようなオリジナリティのあるファンドレイジング手法を企画して、団体さんが寄付集め自体を楽しく思ってくれるような支援も大事にしたいです。
また個人的には、自分の話すことが自分の中で納得できた状態で、物事を実行できることが大事だと考えているので、団体さんにも同じような状態を形成できる支援を意識しています。
これらをすべて叶えられるような伴走が理想的だと思っています。

増田:私も最終的には団体さんが自走してファンドレイジングができるようになって欲しいと思っています。一方で、ファンドレイジングは団体さんの事業活動を後押しする手段の一つでしかないとも思っています。なので、ファンドレイジングによる自団体・事業理解を通じて、団体さんが改めて理想の組織像や事業の方向性を見出し、その後の事業活動に活かしていってくれたらとても嬉しく思います。
そこまでの収穫に寄与できると理想的なファンドレイザーなのではないかと思いますし、そうなりたいと思っています。

佐藤:僕は、たとえ失敗があっても、ポジティブな気持ちで終えられるプロジェクトが理想的だと思います。それは、「もうファンドレイジングはしません」「自分たちでは無理だと思いました」というようなコメントを残されてしまうような伴走支援ではダメだと思うからです。

その反対や真逆は、恐らく「これからもファンドレイジングをやっていきたい」「自分たちでも、もっと話し合ってより良くしていきたい」という肯定的な、自発的な姿勢・雰囲気が組織に芽生えることが理想なのかなと。そこに自分がたとえいなかったとしても、その団体さんにとっては素晴らしい一歩になったと想える、そんな支援がしたいですね。

ファンドレイザーとして記憶に残る伴走支援

数多くの伴走支援に取り組んできたメンバーですが、それぞれどのような案件が特に記憶に残っているのでしょうか。

高村:NICEさんのマンスリーファンディングですね。そもそも、初めてマンスリーファンディングをリピートしてくれたということで、団体さんに認めてもらえたのではという実感がありました。当時伴走したキャンペーンの初動が厳しい出だしだったのですが、細かく軌道修正しながら進めていくことで目標である100名を達成できたことが、とても印象的な経験になりました。

佐藤:きかちゃんを救う会さんですね。心臓移植手術のための渡航移植に伴うファンドレイジングだった訳ですが、ひとりのお子様の命のためにこんなに大勢の大人たちが一緒になって取り組んでいくその流れの中で、自分なりに考え続けることができたのは良かったのかなと感じています。

一方で、一度二度提案した時には採用されなかったアイデアが、中盤~終盤になって「それやっとけばよかった」というような事態になったこともあります。そのときに、自己主張の弱さ、理想像に向かう気持ちを互いに共有できていなかったのだなと痛感しました。

個人的には、鎌倉駅の街頭募金に立って募金のお願いをした経験だったり、渡航準備の目途が立って葉山の海岸でビーチクリーンに出たりしたとき、救う会の皆さんやきかちゃんのお母様お父様と会って話せた瞬間が記憶に残ってます。

増田:サブ伴走で携わらせていただいたフードバンクみやざきさんは印象に残っています。マンスリーファンディング自体は未達に終わってしまったのですが、私たちの伴走を満足してくださったという手ごたえが感じられました。

キャンペーン終了後の振り返りで「とても勉強になった」「半年に一回ペースでマンスリーファンディングを継続したい」「その際には、今回の反省点をこのように活かしたい」というセリフが、団体さんから自発的に出てきたことが、とても印象的でした。団体さんの自走する力を少し引き出していけたのではないかと感じることができました。

ソーシャルセクターの可能性とコンサルティングユニットのチャレンジが重なり合う未来

今後目指す未来とチャレンジしたいことについて、コンサルティングユニットのメンバーはそれぞれこのように語ります。

高村:自分は、日本全体のファンドレイジングのケーススタディとして、見習ってもらえるようなものを生み出せる組織になれたらと思っています。他の団体さんが真似をして、事業規模を大きくし、受益者・碑益者が増えて、もっと社会にとって必要な支援が大きく広がっていくようになると良いな、と思います。

佐藤:僕は、データドリブンな、再現性のあるファンドレイジングを開発して、理論として昇華させたいですね。寄付の集まり方って団体の状況によって千差万別ですし、規模が大きかったり歴史の長い団体ばかりにスポットライトが当たりがちな世の中ですが、これからの団体さんの良さ・魅力・長所に、専門家としてきちんと気付けることがコンサルティングユニットとして大切なんじゃないかなと、思います。

結局のところ、著名人、有名な団体、歴史のある団体がファンドレイジングを成功させていて、強い団体がもっと強くなっていく資本主義経済の延長線上にあるようなソーシャルセクターの現状は誤りだと思うんですね。

もっと地域だったり、世代だったり、いろんな属性の人間がいるこの世の中で多種多様な社会保障があって良いと思うし、そのような事業を成立させられるようなファンドレイジングを創出していきたいと思います。

増田:私は、草の根活動をしている非営利団体の社会的地位や注目度、必要性を世の中へもっと見せていけるようになりたいと思います。そのためには、非営利団体が弱いとされているマーケティングやデータ活用、デザインといったビジネス的なスキルをきちんと彼らの手元に届けていく必要があると思いますし、社会的に意義のあることをやっている状態が「大変そう」ではなく、「かっこいい」という魅力として映るようになるといいな、と思っています。

少し独りよがりな正義ですが(笑)以前、自分がソーシャルセクターに関する話をした際に「それってボランティアじゃないの?」「お金は稼げるの?」「偽善っぽくて自分は苦手」というようなことを周囲から云われたことがありました。このような声に当時は私もきちんと伝えることができなかったのですが、今は様々な伴走支援を通じて、そんな世の中のイメージを少しでも刷新できればと思っています。非営利団体の持つ可能性を大きくしていけるような取り組みをユニットとしてサポートしていきたいです。

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