株式会社水星には、多様な業界でプロフェッショナルとしての腕を磨いてきた多彩な人材が集まっています。水星に新しく入社した社員にインタビューをする入社エントリー企画。今回ご紹介するのは、2024年12月にHOTEL SHE, KYOTOへジョインし、今年の3月に副支配人に就任された鈴木淳平さんです。
新卒で空調機大手メーカーに入社し、商品開発の最前線で「同期最速の昇進」を果たすなど、順風満帆なキャリアを歩んでいた鈴木さん。そんな彼がなぜ、30歳を目前にして未経験のホテル業界に飛び込んだのか。鈴木さんが考える水星の魅力や、これからのキャリア像について伺いました。
「鈴木が言うならやるか」コロナ禍の最注力商品開発の現場で、部署間の架け橋として多方面から信頼される存在に — 改めて鈴木さんのルーツから伺えればと思います。 大学では工学部で勉強をされながら、学業以外の活動もかなりアクティブにされていたそうですね。
鈴木: 大学時代は、長期休暇のたびに友人たちと自転車で日本中を旅することに熱中していました。 1日に最低でも100kmは漕ぐような生活で、重い荷物を積んで日本各地を駆け巡っていましたね。 道中で何かトラブルがあった際も自分で修理できるように、自転車屋でアルバイトもしていました。そういう 自分の工学部的な理系としての側面と「旅」にも結びついたのがツーリングで、今でも楽しく続けている趣味の一つ です。
— 自転車で1日100kmはかなりのハードワークですね。旅を通じて得たものはありましたか?
鈴木: 全く違う働き方や価値観を持つ人たちを直接知ることができたのが最大の財産 ですね。自転車旅に限らず、青春18きっぷでの鉄道旅や車での北海道周遊、予定なしでの沖縄の島生活など、バイトで貯めたお金のすべてを遠出につぎ込んでいました。工学部の学生生活は、放っておくと研究室という非常に閉鎖的なコミュニティだけで完結してしまいがちです。しかし、旅先での 「予定不調和な出会い」を重ねることで、異なる考えに触れることが何よりの楽しみ でした。当時、 意識的に外の世界へ飛び出して多様な視点を得られた経験は、今の仕事においても、単一の答えにとらわれず、異なる背景を持つ人々と協調しながら柔軟に最適解を模索するための、多面的な土台になっています 。
— 大学院修了後、新卒で大手メーカーの商品開発という道を選ばれたのはなぜでしょうか。
鈴木: 地元では自動車関連など、特定の技術を極めるプロフェッショナルな道を選ぶ同級生も多かったです。もちろん、特定の部品や機能を一生かけて突き詰める職人的な仕事も非常に尊いものです。ただ、僕自身の興味は、理系の知識を活かしつつ、自分が作った完成品がどう市場に流れ、誰に売れるのか、という後工程までの全体を見届けたいという想いが強かったんです。そのため、コア部品の分業に特化するよりも自社で製品全体を一気通貫で開発しているメーカーで就職は検討しておりました。最初から空調機に特別な思い入れがあったわけではありません。ただ、 自分の興味関心と照らし合わせ、技術が社会に繋がるまでのプロセスを丸ごと体感できる環境を探し求めた 結果、この会社が自分らしくいられるフィールドだなと思いました。
入社後、配属されたのは換気製品の部門でした。入社1年目となる冬にちょうどコロナ禍が始まったのですが、それまでは会社としてもサブの立ち位置だったこの部門が、 コロナ禍で一気に社会から必要とされる最注力商品に なったんです。他のライバル会社より1日でも早く新製品を出さなければならないという状況で、製造業の基本であるQCD(品質・コスト・納期)の中でも、納期(D)を最優先にした過酷なスケジュールが組まれました。 1年目からその激流に組み込まれ、毎日残業して設計チームと泥臭く仕様を詰め、知らない試験を繰り返しては改善する …というPDCAを回し続けました。激務でしたが、コロナ禍で社会に貢献しているという実感がチーム全員にあり、あの独特の熱量の中でチーム一丸となって取り組む感覚は、最高に気持ちよく貴重な経験でした。
前職で新入社員向けに講師をする鈴木さん
— その後、同期の中で最速の係長昇進を果たされたとのことで、大企業の中でそれほど早く評価された要因は、ご自身としてはどこにあったと考えていますか?
鈴木: そうですね、 自分が「いろんな部署との架け橋になる」役割を積極的に担っていた ことだと思います。設計図上では完璧でも、実際にラインで組み立てる製造現場の人たちにとって作りづらいものだったら、良い製品は生まれません。だから僕は、 とにかく現場に足を運び、お互いが納得できる落とし所を地道に探し続けました 。その結果、現場のおっちゃんたちからも 「鈴木が言うならやるか」と信頼される立ち位置に なれた。そういった立ち回り方が、大きな組織の中でも「珍しいタイプ」として、重宝されたのではないでしょうか(笑)
「予定不調和な旅」を肯定する考え方に惹かれて — 順風満帆なキャリアに思えますが、そこからなぜ転職、しかもホテルという異業種への挑戦を決意されたのでしょうか。
鈴木: ありがたいことに昇進もさせていただき、会社から特定の技術を極めるプロフェッショナルとしての道を期待されるようになりましたが、逆に「このままこの会社にいたら、10年後はこうなっているだろうな」という キャリアパスが鮮明に見えてしまうことに、焦燥感を覚え始めました 。安定はもちろん魅力的ですが、自分はもっと 直接的に「人を感動させたい」「幸せな空間を生み出したい」という夢が昔からありました 。それを叶えるには、「今動かないと一生後悔する」と思ったんです。祖父母が熱海で商売をしていたこともあり、小さなコミュニティの中で貢献し人々の笑顔をみることに喜びを感じるというルーツがあったことも、転職の決断を後押ししました。
転職活動も、王道とは言えない進め方だったと思います。というのは、いわゆる大手転職サイトに登録しても、同業他社ばかりが紹介されてしまうので、あえてそれらは見ないようにしていて。 全く違う働き方をしている人を知りたくて 、実際に起業や異業種転職をした会社の先輩に直接話を聞きに行ったり、暇さえあれば梅田の蔦屋書店に行ってひたすら本を読んで情報収集をしたりしていました。そこで出会ったのが、翔子さんの著書『クリエイティブジャンプ』。 「予定不調和な旅」を肯定する考え方などにかつての旅の記憶が重なり、強く共感 しました。そこから水星のことを調べまくり「なんだこの面白い会社は!」と衝撃を受けました。wantedlyの記事で、COO大籠さんが理系出身でメーカーから転職されたことを知るなどする中で、 水星でなら、自分の理系のバックグラウンドを武器にしながら「人を感動させたい」「幸せな空間を生み出したい」という夢に向かって突き進めるのではないか と確信しました。
【前編】「攻めの決断に早すぎることはないと思う」ゼネラルマネージャーが語るホテルスタートアップで働く理由と勝算 | 株式会社水星 #member_profile大籠亮介。1992年生まれ。福岡生まれの北海道育ち。北海道大学在学中、バックパッカーをしていwww.wantedly.com
— HOTEL SHE, KYOTOに配属されてから、どんな一年でしたか。
鈴木: 最初の数ヶ月は、ホテル業自体が完全に未経験だったので、接客や清掃などの基礎的な部分を学ぶことに集中しました。その後『泊まれる演劇』の準備がスタートし、準備業務に自分も携わることができました。内装を変えて ホテルの顔がガラッと変わる光景を目の当たりにして、水星ならではのスピード感ある瞬間を体験 したと思います。
その後、元々数字や売上の分析に興味があったので、 自発的に去年の売上データなどを調べ始めた んです。 その分析結果を元に今月の方針を提案していたら、自然とレベニューマネジメントや分析業務を任せていただけるよう になりました。それからは、 売上だけでなくPLや支出にも目を向けて経営目線で運営を考えるようになり、今の役割を任せてもらえることに なりました。
HOTEL SHE, KYOTOのメンバーは、キャラクターもバックグラウンドも特性も本当に多種多様で、お互いをリスペクトし合える環境にもこの一年で刺激を受けました。金融業界出身ながら多彩なカルチャーに精通した頼れる兄貴分のような籔田さん、年下ながら仕事に対して強い想いを持って前向きに働いている原さんや内田さんなど、 それぞれが自身のバリューを発揮している姿に圧倒されました ね。 そんな環境だからこそ、僕も「数字」や「仕組み化」といった自分の強みやこだわりを堂々と発揮できました 。
— 理系としての強みが成果に結びついていると感じます。働き方で意識していることはありますか?
鈴木: 「チームで回る運用」を徹底的に仕組み化することを特に意識 してきました。 ホテルは365日動いていますが、僕が出勤していない日でも同様の意思決定ができるよう、僕のノウハウを言語化し、メンバーに共有 しました。市場の状況を細かく分析して価格を調整する作業も、苦手な人にはロジカルすぎて敬遠されがちですが、僕は あえて「ゲーム感覚」で楽しんでもらえるように工夫 しました。オペレーションの効率化の面では、例えば、清掃状況の確認プロセスを改善しました。ホテルの現場はアルバイトスタッフもいるので、忙しいとどうしても業務に漏れが発生しやすくなります。そこで、Notionやスプレッドシートを活用して仕組み化し、誰がどの段階で何をすべきかを一目でわかるようにしました。 前職での「後工程を考えた設計」や「多数の部署との調整」で培った、全体のフローを整えるスキルが役に立っています。
2025 SUISEI AWARDで「チームを笑顔にしよう」部門を受賞
多様な個性が集まる会社で、これから挑戦したいこと — 鈴木さんが考える、水星で働くことの魅力は何でしょうか。
鈴木: 多様なバックグラウンドを持つメンバーが、お互いをリスペクトし合っている環境そのもの です。 僕はクリエイティブの才能があるわけでもないし、最初はそういった形の活躍にしか想像が及んでなかったので、入社当初は不安もありました。でも実際は、 ホテルのバックオフィス業務ってもっと幅広く、会計管理や予約管理・組織開発などロジカルに頭を使わなければならない分野も多い んです。それを周りのメンバーが気付かせてくれたと思います。「鈴木さんにはこういうバリューがあるよね」と自然に見つけてくれ、活躍の機会を与えてくれた。 理系・文系といった物差しで測るのではなく、それぞれの個性が組み合わさって、SHE, KYOTOという場所が成り立っている 。その懐の広さが、他のホテルにはない水星ならではの魅力だと思います。
— 今後の展望についても教えてください。
鈴木: まずは、支配人としてホテル運営の目線を養い、いずれは複数のホテルを経営的な視点で見られるジェネラルマネージャーになりたいと考えています。また、今のホテルはすでにある程度運営体制やマネジメントが確立され、マニュアルも整った状態からのスタートでしたが、今後は新規ホテルの立ち上げなど、 やったことのない挑戦的な仕事にチームで取り組んでみたい ですね。前職でも打ち込んだ 「ゼロから何かを作り上げるプロセス」 に、改めて身を投じたいと思っています。
— 最後に、どんな人と一緒に働きたいですか?
鈴木: 自ら「追い風」を発見し価値を創り出せる人 かなと思います。僕の思う「追い風」というのは、 環境や状況を待つのではなく、小さな兆しやタイミングを読み、行動量で偶然を必然に近づける人 です。そうやって日々仕事に向き合う人は、必然的に周りの力も得て、それは大きな追い風となるし、どこかで小さな風があるのならばそれも見つけて成長させることができるのではないかと思います。 また、 「自分は運がいいと思える人」 。失敗しても「あくまでゴールまでの道中でしかない」とポジティブに捉えられる人は、仕事を好転させる力を持っているし、その思いは周りに伝播します。そして、そう思える人は 環境や周囲への感謝 を忘れません。
ホテルには毎日変化があり、同じ日はありません。その 変化を前向きに捉え、もし失敗したとしても「そこから何を学び、どう活かすか」を考えられるマインドを持つ人 と、切磋琢磨していきたい。理系・文系・年齢・性別・前職などの あらゆる固定観念を外し、「自分の力を今のこの環境でどう発揮するか」を追求できる方なら、きっと水星で面白い仕事ができる はずです。