浅谷 唯のプロフィール - Wantedly
1998年広島生まれ。転勤族で瀬戸内海の周り(+大阪)を転々としながら育つ。 就職で上京して少し後、友人と香林居に宿泊して建築とコンセプトに感激、水星を知る。 楽観的、片付けは苦手、お寿司大好き。
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株式会社水星には、様々な業界でプロフェッショナルとしての腕を磨いてきた多彩な人材が集まっています。水星に新しく入社した社員にインタビューをする入社エントリー企画、今回ご紹介するのは、2025年8月にアシスタントマネージャーとして香林居にジョインした、浅谷唯さんです。
新卒で大手SIerに入社し、労務管理システムの導入を支援するSEとしてキャリアをスタートさせた後、彼女が次なる舞台に選んだのは、水星が運営する金沢のブティックホテル「香林居」でした。一見、遠い業界に思える「ITシステム」と「ホテル」という二つの世界を渡った浅谷さん。「安定」を捨て、変化の激しい現場で自らの価値を再定義しようとする彼女の静かなる情熱に迫ります。
ー浅谷さんは幼少期から転勤族の家庭で育たれたそうですね。特に記憶に残るエリアはありますか?
浅谷:
生まれは広島で、徳島、大阪、そして再び広島へと、瀬戸内周辺をぐるぐると巡っていました。一番長く住んだのは、幼稚園から小学校5年生までの9年間を過ごした徳島。徳島のゆったりとした環境から一変して、大阪のスピード感ある環境へ放り込まれた時のギャップの大きさは、今でも鮮烈に覚えています。大阪での生活を経て、高校からはまた広島に戻りました。
大学は、法学部に進学しましたが、実を言うと、特に法律の世界への特別な興味や将来の夢があったわけではなくて。将来どんな道に進みたくなっても対応できるよう、最も可能性を広げられそうなのはどこかと考えた結果、法学部を選びました。「選択肢を狭めないこと」が、当時の私なりの防衛策だったのかもしれません。
ゼミはアジア政治学を選択。調査でインドへ。
大学時代は、学園祭実行委員会の活動にも力を入れていました。100名以上が所属する大きな組織で、バザー団体の管理や、会場の電源をどこから引くかといった地道なインフラ設営も担当していました。活動を通して、私はチームを率先していくリーダー的なポジションではなく、物事を進めるために必要なところをフォローするいわばマネージャー的な役割にやりがいを感じるタイプなんだと気づきました。幼少期から誰もやりたがらなくて物事が進まない状況を見ると、「じゃあ、私がやります」と手を挙げることが多かったように思います。
大学祭当日の朝
ー卒業後、IT業界のSIerに就職されましたが、文系学部からSEの道を選んだのはなぜですか。
浅谷:
就職活動時期がちょうどコロナ禍と重なっていたこともあり、「安定」というキーワードが自分の選択基準の主軸になっていたからです。本当は、観光業界にも興味があったのですが、当時はその業界全体が大きな打撃を受けていて先が見通せない状況。これから先、確実に必要とされ続けるのはシステムだろう、中でも大手なら研修が充実していて未経験でもスキルが身につくだろう、と考えました。
入社後、「インストラクターSE」というポジションに配属されました。企業の人事部などがメインのお客様で、労務管理システム(人事・給与・就業)の導入を支援するお仕事でした。顧客の経営課題をヒアリングし、それに合わせてシステムを構築・運用保守していくという、非常にお客さんと距離の近いSEです。システムの導入にあたり、運用の検討や設定・テスト、説明会までを一手に引き受けていました。様々な会社のキーマン100名以上を集めた説明会で講師を務めることもありました。
労務管理という、間違いが許されない領域のシステムを扱う仕事は、ロジックと正確性がすべて。安定を求めて入った世界でしたが、実際の仕事は非常にハードでした(笑)。クライアントである企業の重要なシステムを扱うことのプレッシャーは大きかったですが、システムの裏側にあるロジックを理解し、それを整理して伝える仕事は、自分に合っていたと思います 。顧客の要望を聞き出し、それをシステムの仕様に落とし込んでいく要件定義のプロセスは、パズルを解くような面白さがありました 。前職で培われた「違和感を見逃さない目」や「仕組みを整える力」は、今のホテルでの仕事にも活かせていると感じます。
―インストラクターSEとして活躍されている中、転職を意識されたのはなぜでしょうか。
浅谷:
10年後の自分の姿を想像したとき、物足りなさを感じたんです。毎日決まった時間に出社し、決まったシステムと向き合う。その先に待っている、管理職になってまた同じシステムを管理する自分を、容易に想像できました。そのうち「10年後の自分が見えてしまう安定」よりも、「もっとワクワクすることに時間を使いたい」「自分の力だけでどこまで通用するのかを試してみたい」という気持ちが抑えられなくなってきたんです。また、知識が増えるにつれ、自分が扱っているスキルが「自社システム」に特化していることに不安を感じ始めたことも、理由の1つですね。
大手企業の安定を手放すことは、正直怖かったです。でも「楽しいことがなくても給料さえ安定していればいい」と思っていた過去の自分を壊したくて。また、転職を意識し始めて改めて、先ほどお話した「リーダーよりもマネージャー」という自身の特性についても、再確認するようになりました。やっぱり私は、「これをやりたい!」という強いビジョンをゼロから掲げるのではなく、誰かが掲げる「やりたいこと」を実現するための道筋を立てて足場を固めることに、より大きな喜びを感じる人間だな、と。自分が心からリスペクトできるビジョンを持つ会社の中で、その「足場」を作る役割を担いたいと思い、自分がワクワクしながら熱意を持って取り組める組織を探しました。
ー数ある選択肢の中から、なぜ水星を選ばれたのでしょうか。
浅谷:
転職活動を始めて真っ先に思い浮かんだのが、以前宿泊した「香林居」での記憶でした。開業当初にSNSで見かけて「なんて素敵な空間なんだろう」とかねてから憧れていたのですが、実際に泊まってみたら、香林居の空間の素晴らしさはもちろんのこと、そこで働くスタッフの方々の佇まいや熱量に圧倒されて。当時はまだ水星という会社すら詳しく知りませんでしたが、その「人の魅力」がずっと心に残っていたんです。そこから、水星のnoteやSNSも読むようになりました。
香林居宿泊時の1枚
実はHOTEL SHE, KYOTOにも泊まりに行って、支配人の岸さんや社員の籔田さんとお話させていただきました。実際に働いている人とお話しをする中でホテルで働くことへのイメージも湧き、背中を押されて選考に進むことへの決意を固めました。異業種からの転職でしたが、noteやPodcastで皆さんが話されている内容もかなりインプットしていたので、あまり不安感はなかったですね。
HOTEL SHE, KYOTOに泊まりに行った時のことを、HOTEL SHE, KYOTOのXアカウントで配信されている籔田さん執筆の4コマ漫画『ホテルシー京都の日報』にしていただいたことは、私の密かな自慢です(笑)
選考中、代表の翔子さんや他の社員さんたちとお話ししてみて、皆さん良い意味で「突き抜けている」と感じました。圧倒的なビジョンを掲げられる翔子さん、その周りにはそれぞれの専門領域で変態的なまでのこだわりを持つメンバーがいる。ロジックだけでガチガチに固めるのではなく、ワクワクを原動力にする姿勢に、かつて私が求めていた「熱」を見つけた気がしました。入社の決め手も、やはり「人」の魅力。多様なバックグラウンドを持つ人が集まっていて、それぞれの専門性を活かしながら「物事を面白くしたい」と本気で考えている。そんな尊敬できる人たちに囲まれて働けたら、私の人生はもっと面白くなるはずだと思いました。
HOTEL SHE, KYOTO 宿泊時の1枚
ー香林居で、現在取り組まれていること、今後力を入れたいことについて、教えてください。
浅谷:
SE時代のITスキルを活かし、各予約サイトの掲載画像や基本設定の調整、文面の修正などを行っています。一見地味な作業に見えますが、お客様が予約時に抱くイメージと、実際の宿泊体験のギャップを極力ゼロにするための、非常に重要な仕事だと思っています。例えば、OTAの運用では、サイトの画像一枚、文言一つでお客様が抱く期待値が変わります。このような、システムの裏側にある設定の論理構造を理解し、不備や違和感を見つけ出す作業は、SE時代の要件定義や運用保守とすごく似ているんです。「ここを直せば、もっと予約のコンバージョンが上がるはず」と、数値やロジックに基づいて現場を支えるのは、私にとっても非常にやりがいが大きく心地の良い挑戦です。水星に入社して驚いたのは、現場にいる社員だけで運営管理を完結させていること。前職のような分業体制とは異なり、一人ひとりがオーナーシップを持ってブランドを形作っている。この裁量の大きさは、水星ならではの面白さの1つだと思います。
今後の展望としては、香林居のショップの売上を伸ばすための仕組みづくりを、さらに強化したいです。私自身、香水やアメニティーなどを見るのが大好きで、香林居の独自プロダクトをもっと多くの方に手に取ってもらえるようなプラン作りや、ショップをただの「物売り」の場ではなく、ホテルの体験を自宅に持ち帰れる「物語の延長線上」となれるような店頭での体験設計に力を入れていきたいと考えています。
―浅谷さんにとって、水星とはどのような場所でしょうか。
浅谷:
「自分の知らない知識を持った魅力的な人たちから新しい発見をもらえる、ワクワクが止まらない場所」でしょうか。自分にはない視座を持った人たちが社内にこんなに多いことに、入社からずっと驚き続けています。そんな尊敬できるメンバーにも自分のスキルを還元できることが少し誇らしいです。
私の感じる水星のカルチャーを一言で表すなら、「ギャルマインド」です。「自分たちが良いと思うからやる」という直感を信じる強さとスピード感、その突き抜けたマインドこそが、水星のブランドを創っているんだと感じます。これって、私がこれまでいたロジカルな世界とは真逆で。正直、入社直後はもちろん、今でも、このスピード感や熱量に溺れそうになることもありますが、そんな時は金沢の街の美味しいお店を開拓したり、メンバーと語り合ったりすることで、うまくリフレッシュできています。ちなみに、私の食への情熱は社内でもお墨付きです(笑)
水星のメンバーは、一人一人が自分の専門領域に対してストイックなまでのこだわりを持っています。今は、香林居で一緒に働く現場のスタッフたちが「やりたい」と言ったことを、いかに数値として成果が出る形に落とし込み継続可能な運用にするかを日々考えています。
―最後に、キャリアについて考えている人、特に「安定」と「ワクワク」の間で悩んでいる人へ向けて、メッセージをお願いします。
浅谷:
「安定」が自分の可能性を縛る盾になってしまっているのなら、一度手放してみてもいいのではないでしょうか。かつて、やりたいことより「安定」を重視して選んだ仕事で楽しさを見つけようという意識もなかった私も、今は「自分がワクワクするかどうか」を大切に、日々働いています。自分の仕事がホテル・会社・世の中を面白くすることに直結している実感を持てるからこそ、水星に来てから「明日が楽しみになる瞬間」が格段に増えましたね。私もまだまだ水星の中では新人で勉強中の身ですが、これまで培ってきたスキルと自分の中の好奇心を信じて、まずはこの香林居、ゆくゆく会社全体を、土台から支えられる存在になりたいと思っています。
水星は「物事を面白くしたい」と自律的に考えられる人にとって、存分に活躍できる場所だと思います。ここには決まった正解はありません。だからこそ、自分の経験をどう事業の面白さに変換できるかを追求できる方、そして、変化を恐れずむしろ楽しめる「ギャルマインド」を持った方と、ぜひ一緒に働きたいです!