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「選択肢にあふれた社会をつくるために」龍崎翔子が社員総会で語った“ホテルの会社を越えた次なる挑戦”

L&G Global BusinessといえばHOTEL SHE,を運営する“ホテルの会社”という印象が強いかもしれませんが、実は事業内容はホテル運営にとどまりません。L&Gはどんなミッションを掲げ、今後どんな事業を展開していくのか。4月に行われた社員総会でホテルプロデューサーの龍崎翔子が語った「会社設立の背景と未来の展望」をスライドとともにご紹介します。


L&Gの原点「私が泊まったホテルは、どれもよく似ていた」

L&Gの原点は、小学生の時のアメリカ横断旅行でした。毎日変わらない車窓からの景色にうんざりしていた私にとって唯一の楽しみが、その日宿泊するホテルでした。だけど、どの街へ行っても、同じようなホテルばかり。選択肢が限られていることへの不満を感じた原体験でした。

だから、HOTEL SHE,のように、ファッションやグルメを楽しむような感覚で、選択すること自体を楽しめるホテルを作りました。「ジャケ買いされるホテル」です。ビジネスホテルかラグジュアリーホテルという2つの選択肢しかなかった時代に、これまでになかったカテゴリーのホテルを増やすことで、ゲストが新しい選択肢を選べるようになると思うのです。


ミッションは「選択肢の多様性にあふれた社会を作る」こと

L&Gのミッションは「ライフスタイルのあらゆる意思決定のシーンで、選択肢の多様性にあふれた社会を作る」ことです。全ての人が「賢い」選択ではなく「自分らしい」選択をできる社会が、私たちの思い描く社会です。


なぜ選択肢が大切なのか? 

自分らしさを持っている人は、自分を幸せにできるはずです。そんな自分らしさは選択を重ねることでできるものだと思います。たとえば、学生時代には同じ制服、同じライフスタイルという環境の中でも好きなバンドとか、こうしたアイデンティティの拠り所があったはず。だから、私は「自分らしい選択ができる社会」「選択肢のある状態」を作ることが大事だと思っています。


「新しい選択肢」と「それを選ぶためのプラットフォーム」を作る

私たちの使命は「新しい選択肢」と「それを選ぶためのプラットフォーム」を作ること。ポテンシャルがあるにもかかわらず、多様性のない業界に対して、時代の空気感やムード・価値観にマッチした選択肢を提供することです。これまでは「光の当たらなかった土地に灯台を作り、人を集めるような会社」だと言ってきました。

「ホテルはライフスタイルを試着する場所」

ホテルには3つの側面があります。まず、ホテルは「ライフスタイルを試着する場所」であるということ。「ホテルがメディアである」ということをつねづね言っていますが、私はホテルそのものが新しいモノ・土地・価値観を提案するプラットフォームになり得ると思うんです。たとえば、HOTEL SHE, OSAKAではレコードプレイヤーのある生活を提案していますが、こうした新しい日常生活の一コマをホテルで過ごすことで、体験したことのない日常を体験し、選択の幅を広げることができますよね。

2つ目は、ホテルという箱を通じて「見過ごされがちな土地の価値を伝える」こと。私たちで言えば、層雲峡という場所にHOTEL KUMOIを作ることで層雲峡自体を知ってもらい、旅行の選択肢を広げることができました。

最後はホテルという空間で「ライフステージにおける選択肢を広げる」こと。これは少し抽象的なのですが、ホテルは旅行のための宿泊施設だけじゃなくて、生活の一部として自宅以外で滞在する場所のこと全てを指すものです。24時間以上滞在できる空間はホテルしかないじゃないですか。突き詰めれば、1つ目に言ったようなモノによる生活提案だけじゃなく、たとえば「産後ケア施設」のように出産後の居場所として、新しいライフステージの選択肢を提案することもできるはずです。最終的にはホテルという箱と何かを組み合わせることで、あらゆる社会課題の解決につながるんじゃないかと考えています。


今後展開していく新しい事業

L&Gといえばホテル運営の会社という印象が強いかもしれませんが、実はこの一年間はホテルを増やしていません。私たちの使命は「真似したくなる新しい選択肢」と「それを選ぶためのプラットフォーム」を作ることだと言いましたが、今後もホテル業界が活性化していく中で、同じような思想を持つホテルをエンパワメントしたり、ホテル業界自体をアップデートできる仕組み(プラットフォーム)をつくっていく予定です。

具体的には、選択肢とプラットフォームという2軸で、ホテル運営以外にいくつかの事業を手掛けています。一つは「水星」というクリエイティブ・カンパニーを作り、外部のホテル事業のお手伝いやSNS運用などを請け負っています。

ほかにもホテルのストーリーを打ち出せるような、未来の消費のあり方を提案をするための「自社予約エンジン」を作っています。あとは、ホテル向け業務用品の制作。自社で使いたいアメニティがなかったことから自社製品の開発をスタートしたのですが、私たちがほしいシャンプーは他のホテルもほしいんじゃないか、というところからPB事業をはじめました。将来的には人材採用のお手伝いなども含めて、ホテル向けのBtoB事業全般を手がけたいと思ってます。


社会に与えたインパクトの規模で語られる企業を目指して

さて、そんなL&Gは創業から4年を迎えました。おかげさまで会社としても成長を続けていますが、そもそも、ちょっとした不満とか、こういうものがあったらいいなという思いから始まった会社でした。せっかくの場なので、今後の会社としての目標について、何か数値的なものを公表しようかとも考えましたが、私たちは時価総額とか売上高を必死で追いかけるような企業じゃないなと思って、この場で数値目標を立てることをやめました。むしろ、社会に与えた定性的なインパクトで測られたいですね。

すでにホテル運営にとどまらず、選択肢の多様性をもたらす会社へと進化を目指し、いろんな事業を展開していますが、みなさん(社員)が思うことをL&Gというプラットフォームを通じてどんどんと叶えてほしいと思います。

(執筆:角田貴広 撮影:延原優生)

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