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コンテンツ流通網を新しくデザインする仕事

はじめに

この文章は短くはないです。書き始めたのは1年以上前になります。下書きのまま少しずつ更新していたら長くなってしまいました。そのため、たいして推敲をしておらず、文章の繋がりがおかしい箇所がありますのでご了承ください。

また、長めの文章を読むには時間がかかります。しがたって、シナプスに興味がある、もしくはベンチャー企業に入ろうかを検討されている方に、本投稿を読んでいただければ幸いです。

シナプス株式会社に入る前

2015年3月に将棋仲間の武部さん(まだ一度も指したことがない)から連絡がありました。 どうせ高田馬場付近で週2日も暇しているだろうから、週1日でいいので遊びに来てくださいという話をいただいたのです。

当時のシナプスは、ユーザー数が増加したおかげで売上が増加してきたものの、大部分のオペレーションが人力で行われており、開発の人手が足りなくて困っている状況と伺いました。

話をするとどうやら、数カ月後にはiOSアプリを出したいので是非一緒にやりたいとのことです。

私はせっかくシナプスに参加させてもらうなら、マーケティングのデザインをやりたいと考えていました。ただ、人が足りないのなら開発も微力ながらお手伝いさせてくださいということで、開発チームに参加させていただくことになりました。

現在の仕事内容

休憩時間、5分将棋・バックギャモン・五目並べを嗜む傍ら、日々日々シナプスの抱えている問題改善に取り組んでいます。

私の仕事は、今後入って来てくださるであろう優秀なメンバー、主にエンジニアの方が開発の現場で十分に力を発揮できるように備えることです。

シナプスに最初参加した頃にはGitもドキュメントもありませんでしたし、FTPを使ってサーバーにファイルを上げたり、手動でバックアップをとっていたり、AWSにログインして直接開発していました。

いまではVPC内のRDSへDBが移動され、SlackでGithubの通知を確認するようになり、APIをCIでUnitTestによりテストする仕組みを導入されたりと、プルリクエストで開発ができるような体制が整ってきてきます。エンジニアにとって働きやすい環境に向け日に日に前向きな変化が起こっています。

これらの変化に関する思い出は、レガシー開発環境を今風の開発に近づけるために一年やってきたこと というスライドに記載しています。よろしければ御覧ください。

シナプス株式会社について

シナプス株式会社について2点、お話します。

・ マインドについて ・ 仕事について

シナプスのマインド

近年の多くのベンチャー企業に見られる傾向として、良いサービスを低価格で提供しようとしていると感じています。

なにしろ現代、IT技術の進化により私達の暮らしはどんどん安価で便利になります。AppleやAmazonなど競争力のあるグローバル企業の課金サービスでさえ、基本的には既存サービスの価格よりも安い価格でサービスを提供してきます。そのような企業と競争する場合、低価格戦略をとる企業が多いと認識しています。

シナプスはそのような多くの企業と異なるスタンスをとる企業です。

「本当に良いコンテンツならばもっと高く売れる」というマインドをシナプスには感じます。

シナプスの仕事

シナプス株式会社が取り組む仕事についてお話します。

シナプスはコンテンツ市場にチャレンジしている企業です。既存コンテンツであるCDや書籍などのパッケージコンテンツは毎年売れなくなる傾向にあり、基本的に市場はシュリンクしていると言われています。そういった市場動向において、シナプスが果たす役割をデザインする必要があります。

既存のコンテンツ販売チャネルが消失していく中で、その代替となるチャネルをデザインすることが、シナプスの大きな仕事になるのではないか考えています。

例えば、ある書店が潰れてしまいます。すると、その書店でコンテンツを購入していた顧客はコンテンツを購入できなくなります。潰れた書店の顧客へ新しい販売チャネルが書籍コンテンツを届ければ、元書店の顧客は新しい販売チャネルの新しい顧客になります。大雑把な例ですが、シナプスはそんなユーザーへコンテンツを届けるような流通網をつくる、あるいは既存の書店などの流通網や、コンテンツプロバイダーと協力して新しいコンテンツ販売の形をつくる、そのような存在に成るのではないかと考えています。

ベンチャーの開発チームはどうあるべきか

シナプスはベンチャー企業といわれる企業です。ベンチャーを成功させようと思ったら、僻地にある過疎の村に一人で行き、村おこしを達成するくらいのマインドが必要と聞いたことがあります。

エンジニアチームが無かったシナプスの場合は、まずは最初の開発チームを作る必要がありました。

ただ、開発チームというのはすぐにはできないものです。

ベンチャーというものはそもそも知名度がありませんから、多くのエンジニアにとっては魅力的な会社には見えないでしょう。つまり、そもそもエンジニアを採用すること自体のハードルが高いです。開発チームのメンバーを集めるという部分でハードな面があります。

そして、ベンチャーの初期フェーズではエンジニアが一人もいないような場合も少なくありません。エンジニアが少ない環境は、経営者や上司にエンジニアに対する理解が乏しい、あるいは長時間労働が多い、あるいはエンジニアに逃げられて人がいない、などなど、エンジニアにとって労働環境が厳しい場合が多いと考えています。エンジニアは避けるべき職場とは、エンジニアが少ない、あるいはエンジニアの離職率が高い職場だと思います。

また、仮に実力の高いエンジニアが一人チームに加ってくれただけで、チームとしての生産性が上がるわけではありません。チームに参加したメンバー同士が、お互い信頼できる関係を構築し、チームとしてのパフォーマンスが上がるよう貢献しようとするマインドをお互いが持つ必要があります。

開発チームは傲慢にならず、常に顧客のためにサービスの品質を改善しなければ、すぐに置いていかれてしまいます。ビジネス環境の変化が早いからでしょうか。違うと考えています。ベンチャーはスピードが遅いのです。殆どの場合リソース、特にキャッシュや人材は限られており、既にタスクが山積みになっているなかでスピードを出すのは不可能です。一方で、キャッシュがある組織は確実にスピードを出せるでしょう。ベンチャーはスピードが早いなどの話をよく見かけます。しかし、それはイメージ戦略であり、実際にはそれほど早くないと思います。

ベンチャーに入社を検討している方へ

ここではシナプスのことではなく、ベンチャーに入社を検討されている方へ、僭越ながらメッセージを書かせていただきます。

ベンチャーに入社することで人生が良くなるのか悪いくなるのかというのは、入社前には全くわかりません。良いところも悪いところもあるだろうとしか言えず、会社に入社してみて初めてわかる部分です。

私が経験した範囲で申し上げますと、大きな企業から小さなベンチャーに転職された方は、企業に当たり前にあるはずのものがベンチャーには無いことに驚かれている印象があります。大企業ならば当たり前にあるはずのものとは、福利厚生であったり、ルールであったり、仕組みのことです。

ベンチャーはまるで野ざらしの荒野のように、何もなかったりする場合があります。するとどうでしょう。大抵の人はショックを受けたりストレスを感じたりします。そのようなショックやストレスを甘く見ないことです。自分はストレス耐性があるので大丈夫と主張する方が、後に体調を崩したりなんらかの理由をつけて退職されていく姿を見たことがあります。

大切なことは、ストレスがある環境を当たり前だとは考えず、ルール自体を変更することです。自分よりも後に会社へメンバーとして参加する人に、同じストレスを与えないようにするにはどうしたらよいのか、どういう仕組みを導入すれば楽になるのかを考えて実現していきます。ベンチャーは日頃の業務で手一杯になっています。もし、ルーチンでストレスを感じる作業を、少しましにする仕組みを作ってくれる人がいれば、きっと感謝されるでしょう。そして、思いついた仕組みを試してワークしなければ、すぐに新しく作り変えてください。なにしろ、組織が成長すればワークしている内容もすぐに陳腐化します。人数が変化すれば必要な作業はどんどん変化していくからです。

ルールを変更するという点について補足しますと、大企業でやっていた方法が正しいから、ベンチャーに同じ手法を取り入れればいいということではありません。きっとその組織やメンバーに合ったものがあります。新しく来た人が急に正論を主張しても、馴染みのない人には響かないかもしれません。まずはメンバーと仲良くなることが近道かもしれませんね。

私は、ベンチャーはある種のストレスの多い現場ではないかと考えています。それは大企業にいる方が感じるストレスとは異なるもののようです。

しかし、そのストレスはベンチャーで成果を出せるポイントだと考えています。今よりもストレスの少ない環境づくりのニーズは無限に存在するからです。

冒頭に私は、「今後入って来てくださるであろう優秀なメンバー、主にエンジニアの方が開発の現場で十分に力を発揮できるように備えること」に従事していると書きました。

ベンチャーでは後から入るメンバーの方が優秀である確率が上がるからです。これはあくまで知名度と確率の問題です。

私は、いまはここまでしか貢献できなくても、後に入る優秀な人がきっと解決してくれると信じて業務を行ってきました。やたらに仕事に完璧にやろうとは考えませんでした。なぜなら、ベンチャーの変化は激しく、築いた仕組みはすぐに陳腐化する可能性があるからです。私は、完璧に仕上げるコストを目一杯支払うよりも、その余力を継続的にベンチャーに貢献しうる他の箇所に支払ったほうが、自分のQOLにとっても好ましく、組織が成功する確率が上がると考えています。

特に、大きな企業からベンチャーに初めて入る方は、頑張りすぎる傾向にあるように感じています。もし、ベンチャーで目一杯働きすぎて疲れてしまいそうな時、この話が、ご自身の人生へのプラスや、所属する組織へ貢献する一助になれば幸いです。

おもうこと

今後も開発がチームへ貢献し、サービスが成長していってほしいと願っています。

シナプスの開発に携わっているエンジニアの方から、開発に近道は無いという言葉をいただきました。

その通りだと思います。

開発に限らず組織やサービスの成長に近道はありません。 一つ一つのオペレーションを自動化、効率化、あるいはルール自体を変更して生産性を向上していく必要があります。1歩一歩では遅く感じるかもしれません。しかし、その一歩一歩を上っていけば確実に壁を越えられます。壁を恐れることなく、そのうち越えられるんだくらいの気持ちでがんばっていけると、ちょうどよいですね😍

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