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とにかくやってみる滋賀の会社「いろあわせ」代表 北川氏にインタビュー

当社のOB(中途退社)を振り返ると退職後に独立、起業している方が多いことが特徴的です。
起業や何か別のやりたいことを実現するための退社は応援したい考えで、その後にビジネスでの連携などのご縁も大切にしています。

そこで、今回はじめてOBインタビューを行うことにしました。
インタビュイーは、神戸大学卒業後、博報堂、当社、フリーランスを経て、株式会社いろあわせを起業した北川雄士氏です。
3月に行ったインタビューでしたが、3か月経ってようやく公開です!

起業までの道のりと起業してから

今が踏み出す時、ビジネスモデルも決まらないまま、とりあえず独立

― 2014年に当社を退社し独立、そして2015年10月にいろあわせを設立されていますが、独立そして起業の経緯を教えてください。

(北川氏)シナジーマーケティングでの仕事が楽しかったこともあり、気付けば入社して5、6年が経っていました。シナジーマーケティングは成長を遂げ、社員数も増え、企業として踊り場のような場所に位置していたと思います。
シナジーマーケティング入社以前から独立・起業を目指していたので、踊り場に立ち、独立を考えるようになりました。「何がしたいのか」「どんなビジネスモデルでやるか」などを通勤中毎日ずっと、阪急電車に乗っている時間も梅田駅から堂島アバンザのオフィスまで歩く時間も考えていました。
そして、もっとシナジーマーケティングに踏み込んで骨をうずめるのか、その覚悟でなければ、今去るべきという考えにいたりました。
はじめは、やりたいことや具体的なビジネスモデルを明確化させてからではいけないと思っていたのですが、「今去るべき」「今が踏み出す時」が自分にとっての答えだと思い、何も決まらないまま独立に踏み切りました。
独立してから、企業に対して「何かやらしてください」と言うと「何ができる?」という話になり、採用や面接、研修といった仕事をいただくようになり、1年半ほどフリーで人事関連の仕事をしていました。

自分サイズのチャンスが楽しい

― 会社員を経て起業家になられましたが、会社員、フリー、起業家(社長)の違いはなんですか?

(北川氏)やはり背負うモノの重さですね。
シナジーマーケティングで人事を任されていたので、サラリーマンでいながらも経営者の意識や目線でやっているつもりでしたが、フリーになってみて違いを実感しました。
毎月固定の給与が入ってくるわけではない、明日の食いぶちを稼がなければというサラリーマン時代には感じなかった重いモノを背負うことになりました。
その後起業してしばらくはフリーの頃から大きな変化はありませんでしたが、従業員を雇った瞬間さらに各段に重いモノが乗っかりました。自分だけではなく、従業員分の重さを背負うことになりました。とにかく必死になりました。
大企業の営業からベンチャー企業の人事責任者、フリー、起業、従業員雇用、ステップごとに背負うものがどんどん重くなっていきました。
今は、自分サイズでチャンスをもらえることが純粋に楽しいです。
先日、びわ湖放送で、SDGsや滋賀の未来について考える、という生放送番組に、2時間出演しました。いろあわせで企画・運営をさせてもらったことが市民の皆さんに届くというのがうれしかったです。
解けなくはないけれど、まだ誰にも解かれていない未解決のパズルを自分たちが解くみたいな感じが「ええんちゃう」と思います。
多彩な切り口で自分サイズなことに取り組んでいきたいです。

起業までの道順に正解はない、打算は成功の鍵ではない

― 会社員を経たことでプラスまたはマイナスになったことはありますか?

(北川氏)起業までの経験は間違いなく何もかもプラスでした。マイナスがあるとしたら「時間」です。
大企業での営業経験も、シナジーマーケティングで手探りでのイチから人事を担当したことも様々な経験が今に繋がっています。
とても多くの経験をさせてもらったことは間違いなくプラスです。もし、マイナスなことがあるとすれば、「時間」でしょうね。
もし、今より若いタイミングで起業していれば、もっと早くここまでこれたな、ということを感じることが多々あります。
実は守られた環境でゆっくり積む経験より、何も守られるものがない環境で積む経験の方が何倍も早いのかもしれません。
ただし若い人には、これがベスト、これがモデルケースだとは思ってほしくありません。私や他人のケースをモデルにして打算的に動くのではなく「自分自身がどうしたいか」に従って、自分のタイミングでチャレンジすべきです。
他者をなぞった打算的な考えは起業の本質ではないと思いますし、バランスよく全部経験した先に成功があるとも思いません。

シナジーマーケティング入社の「実は」

退職日を決めて入社、ちょっと手伝うはずだった

(北川氏)シナジーマーケティングですが、実はもともとは入社志望ではありませんでした。博報堂に勤めていた時代に独立や起業を目指すようになりました。そこでシナジーマーケティング現会長である谷井さんに独立にあたり出資のお願いに行ったところ、誘われて入社することになりました。
27歳で入社しましたが、その時に退社日を約束して入社しました。
30歳までに独立したいので、30歳の誕生日の前日に退職すると約束して。
2、3年手伝うつもりが、シナジーマーケティングでの仕事が楽しくて、結果、7年間いました 笑

― シナジーマーケティングはどんな会社でしたか?

(北川氏)あったかい、人間くさい、一人ひとりを大事にする会社

学生へのメッセージ

今ある選択肢から選び、ベストを尽くして

― 就活生や悩める学生にメッセージをお願いします。

(北川氏)今は情報が溢れている世界です。だからこそ色々探してしまうと思います。
ですが、ベストを探そうとるすとキリがない。答えに辿りつけず、悩み続けてしまいます。
大切なのは、今ある選択肢からベターなモノを選ぶこと、そして、選んだモノでベストを尽くすことだと思います。
ソフトクリーム屋さんで100種類あったらなかなか選べないと思うんです。「オススメは何ですか?」って聞くことになりますよね。そしてオススメの3つから自分で選んだソフトクリームが美味しいんです。そんなものだと思います。

取材後記

オンライン取材時にいろあわせメンバーの皆さんに「北川被害者の会、会員番号2番の広瀬さんです」と筆者のことを紹介してくださいました。
北川さんは筆者の入社当時の直属上司でした。当時北川さんと筆者を含めたった3名で人事、総務、情シス、社長秘書を担当していました。北川さんは「社員愛」先行でリソースを顧みずに風呂敷を広げるので、その大判風呂敷をなんとか完遂してまとめるべく筆者はがむしゃらに働いていました。とにかく忙しくて、その愛に溢れた熱さがウザくて仕方なかったわけですが、一方でその愛と熱さになんとか答えたいと思わせてくれる上司でした。ウザいウザいも好きの内ですね。

取材の中で何かヲタクなことがあるかという質問したのですが、「特にないけれど強いて言うなら『人が好き』『ヒトヲタク』」とのことでした。相変わらずウザいです(愛)。


北川 雄士|きたがわ ゆうじ

神戸大学経営学部を卒業後、新卒で株式会社博報堂に入社。テレビCMの制作担当営業にて、数々のコンペを勝ち抜き、売上の大幅増にも貢献。その後、シナジーマーケティング株式会社へ転職。30名のときに人事部門の立ち上げから責任者として参画し、上場を経て200名を超えるまでの組織づくりや、採用・人財開発の中核を担う。
2014年独立。フリーの人事として生きながら、働くことや日々の疑問を学生・社会人と語り合う「ぶっちゃけ!(仮)」を5年で170回開催。長らくの人事キャリアの中で、多様な価値観を受け入れ、認め合うことの中にこそ、これからの豊かさがある、ということに気付く。
一人ひとりのいろを大切にし、多様な生き方や選択肢を広げるため、敢えて都市部ではなく地方の可能性に着目し、2015年10月に株式会社いろあわせを設立。同年末に地元でもある滋賀県彦根市へ移住。
現在は「魅力の再発見」をキーワードに、企業/人/地域と向き合い、ここが持つパフォーマンスを最大化させるための、大学での講演、企業コンサル、雇用や移住等の行政課題の解決など、様々なプロジェクトに参画中。
専門領域:人材・組織・ファシリテーション

▼「いろあわせ」企業サイト
https://www.iroawase.co.jp/

▼滋賀ではたらく魅力を再発見!するプロジェクト「しがと、しごと。」
https://shigawork.jp/

▼つかいかたは、あそぶ・かたる・つかうの3通り「teminca」
https://www.teminca.jp/

※本コンテンツはインタビュー当時(2020年3月19日時点)の内容です。

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