1
/
5

M&A(企業の合併・買収)について

M&A(企業の合併・買収)は、アメリカでは1980年代から注目されてきた。

アメリカの経営者は、企業も一つの商品という考え方が強く、儲かっているときこそ高く売れるという感覚があるからだ。

買うほうは将来
の投資収益率を考えながら買う、というきわめてビジネスライクな考え方に立つものである。

日本でM&Aが脚光を浴びてきたのは、二つの観点からである。

一つは企業のカネ余りである。

減量経営と本業不振は、本業の必要資金需要を低下させた。

一方、東京集中化が、情報化・国際化で急速に進み、土地価格の高騰→企業の資産価値上昇→株式ブームをもたらし、企業のカネ余り現象をいっそう助長した。

企業のカネ余りは、本業を離れた財テクブームを呼び、有望株の大量取得を可能にしたのである。

この流れに多角化戦略が重なった。

日本企業の多角化はすでに80年代前半から急速に進んでいた。

自社の技術・経営資源が関係している分野は、すでに手をつけてある。

今後は社内リソーセスが皆無に近い未到分野への参入も考えなければならない。

それなら会社を丸ごと買うM&Aがもっとも効率的だ。

M&Aは、日本ではこうして財テクを足がかりに、異分野多角化をキーパワーとして増加してきたのである。
竹内秀樹ラボでは一緒に働く仲間を募集しています
1 いいね!
1 いいね!
今週のランキング