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介護士からグラフィックの世界へ!コンプレックスの塊だった私が異業種起業した理由|グラフィックテラー株式会社 代表取締役  山﨑 史香さん

「『絵を描くことは好きだけど、特別な才能はない。しかも地方出身だし…』とコンプレックスの塊だった私が、今は自分の力を活かして、たくさんの企業や行政機関の役に立つことができている。

自分が夢中になっていることや隠れた能力を、大したことはないと否定し続けるのはもったいない!堂々と続けていたら、きっと誰かがその価値に気づいてくれるから!

そう語るのは、グラフィックテラー株式会社(以下、グラフィックテラー) 代表取締役 山﨑 史香(やまざき ふみか)さん。パワフルで思わず話に引き込まれる、魅力溢れる人物です。

「言葉では伝わりにくい想いを描いて通訳する」事業を行うグラフィックテラーを立ち上げた山﨑さん。前職は介護士と介護の資格研修講師で、イラストの専門学校には通ったことがなく、関連資格も持っていないという、一見すると変わった経歴の持ち主です。

なぜ介護士だった山﨑さんがグラフィックをメインにした企業を立ち上げ、Team Energyグループに参画したのでしょうか。詳しくお伺いしました。

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【インタビュアー/ライター】
株式会社ストーリーテラーズ  ストーリーライター 平澤 歩

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「グラフィックテラー」とは



グラフィックテラーは、「メタグラフィック事業」と「イラスト通訳事業」の2つの事業を行う会社です。

メタグラフィック事業」とは、一般企業・福祉企業・行政機関の会議内容・アイデア・思考を可視化し、ブランディング策定や企業成長に繋げたり、社内全員に伝わりやすく描いて通訳する事業です。

また、「イラスト通訳事業」とは、言葉だけでは伝わりにくい内容をイラストにして通訳する「イラスト通訳」ができる人材を育てる企業研修や、フリーランスとして戦える人材を育成する「グラレコ起業スクール」を運営する事業です。


イラストで言葉を可視化し続けてきた過去。しかし…

山﨑さんは商業高校の卒業後、12年間介護士として勤務していました。そんな山﨑さんがなぜ、グラフィックの会社を起業することになったのでしょうか。

「もともと、絵を描くことが大好きな子どもでした。

今で言う、LDと言われる学習障害があり、文章や単語を文字で覚えたり、長い文章を書き写したりすることが大の苦手だったんです。授業の板書をノートに文字で書き留めるのが追いつかなかったので、いつも先に消されていました(笑)。

なので、板書を書き写すのをやめて、先生の話を聞き、イラストや図を用いたり、キャラクターにしたりと、自分にとってわかりやすいように工夫してノートを書いてました。

山﨑さんにとっては、学習のためにイラストや図で記したノート。しかし、先生からは理解されず、ノートはラクガキだらけのように見え、「授業中にお絵かきはやめましょう」とよく注意されていたそうです。

「介護士時代、専門用語が飛び交う研修に参加する機会がたくさんありました。研修で学んだ内容をイラストや図でまとめ、資料の端にイラストでメモ書きを残し、同僚に共有していました。

また、寝たきりで一日中天井を見つめているご高齢者がなんとか目で楽しめるよう、お孫さんや季節の絵を描き、天井に貼りました。

なんでも絵や図にしてかく、変わった介護士だったんです(笑)」

同僚には「イラストだとわかりやすいね!」「図だと難しい内容でも意図が伝わりやすいね!」と評判でした。

同僚やお年寄りとの関わりを通じて、「イラストや図で可視化することには、大きな価値があるのではないか?」と考えはじめた山﨑さん。そして、その価値をより強く感じるようになった出来事が。

「介護現場でお年寄りのサポートをすると、『ありがとう』と言ってもらえることがたくさんあります。でも、その『ありがとう』は感謝の意味合いより『こんなことまでしてもらって申し訳ない、ふがいない』という気持ちが混ざっている。

字面だけでは本当の気持ちは伝わりにくく、言葉は相手の受け取り方次第で全く意味が変わってしまうものだと気づきました。

だからこそ、【描くこと】イラストや図で可視化することには、大きな価値がある。単にわかりやすく物事を伝えるだけの意味合いにはとどまらないと確信しました」

そんな中、当時勤めていた施設の上長から呼び出され、思いがけない一言をぶつけられてしまいます。

「『報告書をイラストで提出するなんて…一体何を考えているの?あなたには常識がない!』と叱責されてしまいました」

言葉や想いを綴る際、山﨑さんにとっては一番表現しやすい手段であると、職場での情報共有に用いてきたイラスト。しかし、学生時代も、就職してからも、目上の人からは理解を得ることができませんでした。

そうして山﨑さんは、「大人になっても、ラクガキで物事を伝えようとするなんて。でも、バカだから絵を書かないと覚えられない」と自分を否定するようになってしまいました

「イラスト通訳」の誕生


そんな山﨑さんがなぜ、2020年にグラフィックの会社を起業することとなったのか。

山﨑さんの運命を大きく変えたのは、2011年の東日本大震災でした。

当時、宮城県で勤務していた山﨑さん。

「東日本大震災に被災し、甚大な被害を受けましたが、幸運にも私は生き残ることができた。

周囲で犠牲となってしまった方がいる中で、自分が生き残った意味を考えたときに、何かもっと人の役に立てることに取り組もうと固く決意しました

自分が人の役に立てることは何か。たどり着いた答えはやはり、小さい頃から描き続けてきたイラストを活かした事業でした。

「介護士として働く中で、可視化して言葉や想いを伝える重要性を強く認識しました。

介護・福祉の場の会議や対話の大切なニュアンスを、文字だらけの報告書ではなく、言葉をイラストにすることで、誰にでも想いが伝わりやすくなる。いわば『イラスト通訳』を行えば、きっと人のコミュニケーションの役に立てる!

こうして山﨑さんは、「イラスト通訳」を生み出し、事業化するに至ったのです。

介護の道から、グループ企業の社長へ!

イラスト通訳を基幹事業に、合同会社として事業活動を始めた山﨑さん。

仙台市や福岡県などの行政でのグラレコ研修事業や、介護事業者向けの事業もスタートし、年間400人、今まで2000人近くに描いて伝える・伝わる魅力を教えてきました。

また、省庁での研修や地域づくり加速化事業のアドバイザーなども務め、企業や行政、教育の場で可視化(グラレコ)が注目を浴びるようになりました。

そして、イラスト通訳の事業として、一部上場企業や省庁関連、シンポジウムやイベント、会議など100以上の場所で描いて通訳してきました。




そんな中、人生を変える出会いが。

とある企業と仕事をした際、「山﨑さんの事業は素晴らしいから、他の経営者仲間にもぜひ伝えたい!今度大阪で経営者の集まりがあるから来ない?」と誘いを受けたのです。

その集まりに足を運び、出会った経営者一人ひとりに事業にかける想いを伝え、イラスト通訳とはどのようなものか説明していきました。

「『面白い!』と褒めてくれる人、SNSで事業についてシェアしてくれる人など、様々なありがたい反応がありました。そんな中、これも何かの縁か、一人の経営者さんの縁が縁を繋いでお声がかかりました。

それがTeam Energy創業者の中村代表です


こうして出会った中村から「この素晴らしい技術、事業を世の中に広めないともったいない!より付加価値をつけるために、Team Energyグループの一員として一緒に事業を行っていかないか?」と、山﨑さんはまさかのスカウトを受けます。

「数年前までは、『理解力が低いから、絵を描かないと物事を整理できないんだ』『イラストの専門学校にも通っていないし、こんなラクガキは世の中の価値にも、仕事にもならない』と自虐的になり、コンプレックスを抱えていた私。

それが、年商400億円のグループ企業の創業者に能力を認められ、スカウトまで受けるなんて、夢にも思いませんでした!

自分のやってきたことは間違いじゃなかったと自信を持つことが改めてでき、『同じように描くことで役に立ちたいと思う人は多いはず!もっと社会に意義のあることをしたい!』と思い、Team Energyグループへの参画を決めました」

オタクの輝く希望になりたい

こうして介護士からグラフィックの世界に転身し、Team Energyグループにスカウトされ、活動の幅をますます広げる山﨑さん。自身を「オタク」と認識しており、「オタクの希望になりたい!」と熱意を持って話します。

「『好きこそ物の上手なれ』という言葉がありますが、オタクと自認している方の中には、かつての私と同じように『自分の熱中していることが世間から理解されない』『自分に自信を持てない』と思っている方も多いと思います。

でも、好きな映画なら何時間でも見れる、好きなマンガの模写を何時間でもできる、好きなアニメはコマ割りまで観察する、気になったことを追求するなど、オタクの好きなことへの情熱や集中力は、実は他の人には持ち得ない、すごい才能なんです!

その能力を否定するのは本当にもったいないこと。私自身、自分が『こんなイラストを描けても何の役にも立たない、ただのラクガキだ』と思っていたのが、周りの方々が才能だと気づかせてくれたおかげで、今の事業につながり、こんな素敵なグループ企業の一員になることができた。

才能がない人なんていません。

夢中になれること、やりたいと思えたこと それは才能の種です。

だから、自分の可能性を愛せる人を増やしたいと思っています。

そしてゆくゆくは、『好き』の力で、日本を、そして世界にムーブメントを起こせるような会社に成長させるのが目標です!

コンプレックスを才能へと昇華させ、世の中に新たな価値を生み出し続ける山﨑さん。人の想いを伝えることを通して、オタクの輝く星となるため、山﨑さんは今日も新たな挑戦を続けます。








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