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緊急調査!ユニクロは消費者に飽きられたのか?ユニクロユーザー行動・心理にメスを入れる・・・来店購入調査:樋口 進

忍び寄る生活者の消費変化とユニクロの動向
今回の自主調査のテーマは『ユニクロ』である。そして、その巨大ブランドを取り巻く一連の外資ファストファッションや国内のSPA(*1) 業態にスポットを当ててみた。
まずは以下のグラフを見ていただきたい。本調査の手前のプレ調査として、主要なファストファッションやSPA業態の利用経験と最も購入するブランドを聞いてみた。この時点のサンプル数は2,204名。そこそこの数字なので日本の生活者全体を代表するデータと言える。

(*1) SPA:Specialty Store Of Private Label Apparel 近年はアパレルに限らず製造小売業を指す


この調査は結果として、現時点でのユニクロの圧倒的強さを改めて思い知らされた。が、なんと次点に続くのが、郊外ロードサイド店舗の雄『しまむら』である。都内周辺しか行き来していないと『しまむら』を目にすることは滅多にない。しかし、業界人ならばだれでも知っているロードサイド・レディスの老舗チェーンストアだ。

そして、これに続くのがファースト・リテイリング社のトレンド型業態のG.U.である。ファスト・ファッションというと、数年前は外資系ストアが続々と国内参入して話題になったが、外資ストアが登場するのは4位のGAP、そして6位のH&M、7位のZARAという感じである。全国商圏の調査なので、店舗数の圧倒的多さが、日本勢に味方しているのは想像に難くない。仮にGAP、H&M、ZARAの出店している商圏エリアに絞った調査であれば、ここまでの差は開かないはずである。次いで、このデータを性年代別に分解して見よう。

20~30代女性が牽引するファストファッション。しかし20代は極めて移り気
今回のサンプルではそもそも若年層の比率が高いのだが、上のグラフでは各性年代別の占有率を軸に取っているのでフラットに比較が可能である。トップのユニクロの特徴は性差や年代差が少ないことである。それ以外の業態では性別や年代による利用率ギャップが色濃くでている。しまむらは元々レディス業態なので女性の利用率が高い。G.U.は20代~30代の女性においては50%以上の利用率であり、それより高齢の女性と男性は一段落ちる。そしてこのギャップが最も激しいのは外資のH&Mやフォーエバー21であろう。メンズ商品の取り扱いもあるにはあるが、圧倒的に利用率が高いのは女性の20代~30代。そんな中にあって男性の利用率が比較的高いのはGAPと無印良品(衣料品)である。

次いで、ユニクロのユーザーに対して1年前に比べて、ユニクロでの買い物が減ったかどうかを聞いたのが下図である。

諸行無常!お客はブランドやストアをスイッチする!
『1年前と変わらない』が5割以上を占めているが、購入回数に関しては34%弱が『減った』という回答。これは実は由々しき問題であり、生活者のファスト・ファッション消費疲れと他業態へのスイッチが大きく影響している。詳細は無償レポートの方に記載しているので見られたし。それらを総括してこの業界を俯瞰したチャートが以下のマップである。

上記にみられる通り、ユニクロのターゲットのカバー範囲は非常に広い。しかしファッショ業界でこれだけ広いということは、そもそもがコモディティ(生活必需)商品に近いと言い換えることもできる。特定のターゲットに特化する業態に、容易に切り崩される危険性を秘めているわけだ。もちろんそのブランド=ストアがG.U.であるのならばFR社にとっては問題ないだろうが、G.U.もマス化すればまた同じ道をたどる可能性がある。ターゲットを分割するという概念をそろそろユニクロも検討する時期に来たのかもしれない。詳細データとレポートは以下からダウンロードされたし。

■ 無料ダウンロード「緊急調査!ユニクロ来店購入調査レポート」はこちらから
https://www.think-agent.co.jp/2016/05/24/data-6/


株式会社シンクエージェント
代表取締役 社長
樋口 進

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