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行動情報科学研究所(BIL)所長の武田です。

音楽・映画・最新テクノロジーやスタートアップの祭典「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)」を視察するため、米国テキサスのオースチンに行ってきました。この季節のオースチン、日本の秋くらいの気候で気持ちよく、街を歩いているだけでも来た価値があります。

さて、私が参加したセッションの中で最も面白く、実際聴衆にも受けていたのは、ロボット研究で有名な大阪大学の石黒先生のセッションでした。ロボットを扱いながら、人間の認識に関する哲学的な問いまで踏み込んだ題材を、エンターテインされた語り口で切り込むプレゼンは、SXSWのようなイベントにフィットしていて、素晴らしかったです。

このイベントの特徴の一つは、カルチャーとテクノロジーを同時に取り上げ、盛り上がるところにあるのですが、このような場で改めて浮き彫りになるのが、技術を実際に使ってもらう上で重要なのは、使っていて「かっこいい」だったり「自分が信じる価値を表現できる」、という文化コードであるということです。WIRED誌が、Vol.21のMUSIC / SCHOOLという特集の中で取り上げていたApple / Beatsの例も、同様のトピックとして面白い記事でした。

ところで、上述のWIREDの中で、Sex In The Digital Ageという特集があり、この中でコメントさせて頂いています。これは情報テクノロジーと性、についてのトピックなのですが、このトピックを考えていて思ったのは、何はともあれ選択肢が存在するということは、それだけで豊かなことである、ということです。そして同時に、だからこそ、選ぶというプロセスがますます重要になってきているようにも思います。行動情報科学研究所は、KIBITを通じてディシジョンをもっと豊かにしていきたいと指針を打ち出しています。この指針について、改めて考えるよい機会を頂きました。