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漢方のDXを掲げるスタートアップ「VARYTEX」代表に聞く、当社が築いていく漢方業界の未来【後編】

VARYTEX代表平野に創業の想いやこれまでの軌跡をインタビュー形式で語っていただいた前編に続き、後編では漢方業界や当社で働く魅力についてお話ししていきます。

【前編の記事はこちら】


漢方のDXを掲げるスタートアップ「VARYTEX」代表に聞く、会社創設から2年の軌跡【前編】 | VARYTEX株式会社
今回は、VARYTEX株式会社の代表平野にインタビュー形式で創設から今日までのストーリーや創業に込めた想いや弊社が描いていく漢方の未来について語っていただきました。 漢方や医療業界、ヘルステックにご興味のある方は是非、御覧ください! ―漢方の'本当の価値'が理解されていない― きっかけは漢方業界が抱える課題を解決したいという思いからでした。 ...
https://www.wantedly.com/companies/varytex/post_articles/488856


5. 漢方業界の今後を教えていただけますか。

―漢方薬を使いこなせる医師はまだ少ない―

先程もお話しした通り、32万人の臨床医師のうち、約9割は漢方薬を処方したことがあるとわかっています。※出典 診療科という枠を超えて、9割もの医師に使用されている医薬品は他にはなかなかありません。

使用する医師のカバレッジが高いという点からも、市場のポテンシャルは非常に高いと考えています。

私はかつて漢方薬のメーカー側にいた人間なので、良さも効果も、副作用も十分にわかっていますが、医療用漢方製剤として認可されている148処方すべてが、その本来のポテンシャル通りに活用されているわけではありません。

医師の間でもあまり知られていないマイナーな漢方薬が、長年悩みを抱えている患者さんの力になれる可能性があるのに、使い方がわからないという理由で活用されていないという状況は、漢方の本当の価値が発揮されているとは言えません。

例えば、皆さんがよく知る葛根湯も、風邪薬として有名ですが、「証」によっては合わないことも多々あります。どのような風邪か、どのような体質や傾向かによって最適な漢方薬を使い分けることが、副作用を起こさず、効果を発揮させるキーポイントなのです。また、大切な天然資源である生薬・漢方薬を無駄にするべきではないという観点からも、「証」に応じた適正処方の推進を進めるべきものと確信していました。

しかし、西洋医学がベースである日本では、漢方医学を習得し、正しく使い分けることができる医師は圧倒的に不足しているのが現状です。この病気ならこの薬、といったわかりやすい西洋薬とは違い、漢方独自の「体質と症状に合った漢方を導き出す」ことが難しいのです。多くの医師たちは、疾患毎にエビデンスの構築された医薬品を処方することに慣れていて、漢方のような複雑な診断の末に答えがある医学を習得する機会がないのです。

―海外展開も視野に―

また、日本でこのソフトウェアが実用化され、ある程度実績を作ることができれば、将来的には、海外進出も視野に入れています。体質や食生活の違いなど色々とハードルがあるのでまだ先の話ですが、不可能ではないと思っています。

東洋医学という概念は、アジア諸国では一般的ですし、日本式健康増進策に対する評価や憧れは高いものがあります。また欧米でもウェルネス意識が高まるなか、自然由来製品の市場も非常に伸びています。つまり、漢方は使い方は難しいけれども、その理論を標準化・自動化して、導入しやすいものにすれば非常にニーズが多いということです。

6. VARYTEXの仕事を通じて、どんな世界を作りたいですか。

―医療インフラとして漢方治療を根付かせる意義―

実は、医療機関にかかっている人の中には3〜4割の「医学的に説明困難な症状:MUS( Medically Unexplained Symptoms) 」を抱えて悩んでいる人がいるというデータがあります。疑わしい病気の検査をしても原因がわからないけど、症状は確実に存在するので、治

療手段が明確に出せないので、医師も困ってしまいます。

患者さんの方も、医師に頼ってもなかなかよくならないので、ストレスを抱えながら改善の方法を模索します。これが、ドクターショッピングにつながったり、あまり効果のない代替医療に手を出したりしてしまう理由です。

その結果、診療時間が必要以上に長くなったり、医療費の無駄が生じてしまうことは、医療機関にとっても、国の財政にとってもよくないことです。

患者さんの側も、不調によって辛いだけではなく、労働生産性が下がっているというデータもあります。これは、労働力が減少している日本においては深刻な問題です。

―漢方はまさに「三方よし」―

スケールが大きい話になりますが、私は、漢方が医師と社会、患者さんの課題を一気に解決するゲームチェンジャーになりうると思っています。

1000年以上の先人たちの知恵によって受け継がれてきた漢方理論は、世界に誇る日本の財産です。この漢方理論をもっとわかりやすく、誰にでも活用可能な文化にしていくことが、社会課題を解決することにつながっていきます。

この革新のダイナミズムをリアルに体感し、具現化していく過程がとても楽しみです。

我々が作っているのは、そんな壮大なプロダクトなのです。

7. VARYTEXで働くことのプロフィットはどこにあるでしょうか。また、率直にどんな人にジョインしてもらいたいですか。

―世の中にないものを作る―

VARYTEXは世界初の漢方テックスタートアップです。今までになかったソフトウェアを自分の手でつくる、という意味では本当に成長できる環境だと思います。今抱えている課題をクリアするために、どういった技術を選ぶかも、エンジニアの裁量に任せています。当社CTOの大竹も、元々医療系とは異なる業界にいましたが、現在は漢方医学のプロフェッショナルである専門医や、画像診断の専門家など幅広いスペシャリストと提携しながら開発を行なっています。

ここまで多様な環境やバックグラウンドを持った人と接して、協力して仕事できるというのは、なかなかないチャンスだと思います。当社に期待してくださっているステークホルダーの方たちも、経験豊富で多くの知見やネットワークを持っているので、企業としてだけではなく、個人としての成長にも影響が大きいはずです。

スタートアップなので、正直なところ、ちょっと大変なこともあるかもしれないですが、ゼロイチでプロダクト作っていくという経験はかけがえのないものです。

―新しいことを面白がれる人―

求める人材は、強いて言うなら、知らないこと、経験したことのないことを面白がれる人です。我々のプロダクトは世界初の漢方テックで、漢方のアルゴリズムの部分においては、名だたるプロフェッショナルの協力で仕上がってきているので、そのクオリティは他社に追従できないものに仕上がると確信しています。かつ、誰も手をつけられない領域ですから、

未来のスタンダードを作る仕事とも言えます。

8. 最後に、応募を検討している人にメッセージをお願いします。

私たちは、医療・漢方業界に革新を起こして、日本の、ひいては世界中のウェルネスに貢献することを目的としています。

誰も挑戦したことのないミッションをやり遂げるのはとても大変ですが、日々スピード感を持って働けるのはとても面白いと思います。1週間たっただけで、インターフェースがガラッと変わっていたりもします。

普段は研究のため大学にいたり、リモートで仕事をしていて、定期的に本社に集まって相談やミーティングをしたりといった働き方で、個性的なメンバーばかりで面白いです。

社会を変えるインフラを作ること。漢方が当たり前のツールになる未来のために働いています。医療機器は承認までの道のりがとても長いので、結果が見えるのは少し先になりますが、将来、このシステムで適切な治療にたどりつき、幸せになる患者さんがいる、と想像するとワクワクします。

いま、その長い道のりを伴走してくれる仲間を探しているところです。

志ある皆さんの応募をお待ちしています。

最後までお読みいただきありがとうございました

ぜひ、お気軽にお問い合わせくださいませ!

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