カスタマーサポートを"カスタマーサクセス"に変える、超具体的で簡単な3つの秘密
自称「最年少の女子大生カスタマーサクセスリーダー」としてTwitterを使い始めて数ヶ月。「カスタマーサクセスチームを作りたい!」「カスタマーサポートをやってきたけど、そろそろカスタマーサクセスに興味が出てきた!」「うちのカスタマーサポートをカスタマーサクセスチームに変身せたい!」という声をよく目にするようになってきました。
カスタマーサクセスの考え方が広まってきているんだ! と思う反面、まだまだカスタマーサクセスのHOWの部分が広まっていないことの問題もしみじみと感じています。
そこで今回は、一つの会社でカスタマーサクセスを立ち上げた私が考える、カスタマーサポートを"カスタマーサクセス"に変える、超具体的で簡単な3つの秘密をお教えします。
1. メール対応用テンプレートの強化と共有を行う
メール対応を自動化すること、テンプレートを作ること、マニュアルを徹底すること……一見これはカスタマーサクセスの考えからはかけ離れているように見えますが、実は真逆です。カスタマーサポートではなく、スタッフひとりひとりが考え行動する”カスタマーサクセスチーム”を作るには、 顧客対応で省ける無駄は徹底的に省いて行くことが最優先 です。
もちろんテンプレートを使えば一件ずつの対応時間も短縮されます。多くの会社である程度のテンプレート化は試みられていると思いますが、カスタマーサクセスを極めて行くのであれば多岐にわたるテンプレートを用意し共有することが最初の一歩です。
例えば、VERTEXグループのカスタマーサクセスチームが日々使いこなしているテンプレートは、実に100種類を超えます。使いこなせるの? と最初は思いましたが、何の問題もありません。
なぜなら、対応用テンプレートはすなわち、「対応データベース」だからです。
チームの誰かがした対応は、いずれにたようなトラブルが発生した時に必ず参考になります。一人が知恵を絞った対応を口頭で伝えたり、Slackで共有するのは後で必ず問題が出てきます。(伝え漏れ抜け、あとから探しにくい……などなど)
テンプレートがあれば過去同様のトラブルに当たった対応者がどんな対応をしたのか一目瞭然です。また、全社的に一貫性のある対応はCSの基礎の基礎ですので、共有テンプレートをとにかく作っていく、もっといい対応方法があるならブラッシュアップしていくことは業務効率化とカスタマーサクセス化のためとても大切です。
2. 新規ツールはビビらず導入
私がカスタマーサクセスチームのリーダーになって最初にやった仕事は、サポートツールの選定と導入でした。それくらいツールの導入は大切です。
今年の5月ごろまで、弊社カスタマーサクセスチームは、gmailのデフォルト機能を使ってメール対応をしていました。テンプレートはスプレッドシートに保存。数が膨大になってしまうとどのテンプレートがどこにあったのか思い出すだけで一苦労でした。何より困るのは、お客様の過去のメールを照会するのがとても面倒なこと。一度伺ったことを再度聞いてしまうのはカスタマーサクセス失格です。
ツール導入の際に気を使ったことは以下の三つです。
・情報が顧客単位で管理しやすいか?
→顧客管理の方法は様々なので、サービスのスタンスにあったものを選ぶ
・オペレーターが使いやすく、会社の対応に馴染むか?
→例えばメール対応のみのサービスでは電話の管理はいらないなど、機能が多すぎないことも大切
・導入ツールのサポートがしっかりしているか?
→顧客対応ツールなので、起こるトラブルに迅速に対応してもらえるかもとても気を使いました
新しいツールの検討、導入は時間を取ることもありますが、結果的に大幅に業務が改善されることもあります。顧客管理、対応の効率化に際し、新しい機能やツールを導入することに関しては絶対に億劫にならず、積極的に取り入れていくことがとても大切です。
3. オペレーターの目標設定を変える
カスタマーサポート部門では基本的に、「どれくらいメールを捌けるか」「何件メールの対応ができたか」が評価の指標になることが多いです。1日に50件のメール対応ができるオペレーターより、1日に100件のメール対応ができるオペレーターの方が有能というわけです。
しかし、カスタマーサクセスの考えに切り替えるとき、メールの対応件数という定量的な評価は一旦置いておくのが正解です。もちろんキャパシティとして1日に100件のメール対応が"できる"ことは大変素晴らしいですが、カスタマーサクセスチームが目標におくべきは対応すべき件数を「増やす」ことではなく、そもそもの問い合わせの絶対数を「減らしていく」ことです。
対応すべきメールの件数を減らすために考えなくてはいけないことは実はそんなに多くはありません。
基本的なサイクルは、「原因を探る」→「改修案を出す」→「対応件数が減る」の三つ。「改修案を出すのってCSの仕事なの?」と最初は私も思いましたがここが何よりも肝心です。顧客に最も近い部門からの声というのは会社やサービスを大きく改善させる鍵になり得ます。
カスタマーサクセスチームの目標設定として適切なのはこのような定量的な目標。
・顧客数に対して、問い合わせを行う人数を全顧客の0.1%以下まで削減する
・最も問い合わせの多い項目の問い合わせ件数を95%削減
・受信する問い合わせの件数を20%削減
……など、「定量的」かつ「問い合わせそのものを減らす方法」にフォーカスすると、「カスタマーサクセス的」考え方として馴染んでいきやすいと思います。
そもそもお問い合わせや疑問点が出て来る時点でお客様の成功体験にはつながっていません。カスタマーサクセスチームの究極の目標は問い合わせ件数ゼロを目指すことです。
最後に:カスタマーサクセス強化のためのVERTEXの取り組み
VERTEXグループでは、カスタマーサクセスチームをビジネス成功のための重要なファクターとして置いています。お客様の満足度向上のためはもちろん、類似サービスへの差別化・顧客の要望への感度を常に高く保つため、カスタマーサクセスは間違いなくなくてはならない存在です。
カスタマーサクセスチームは現在、色々な取り組みで業務の幅を広げていっています。
・My SQLなどのデータベースを触れるように勉強
・HTML/CSSの基礎的な勉強を行い、自分たちで改善ができる点は行なって行く
・エンジニアとの統合チームに所属。大きな機能改善にも携わって行く
・KPIなどの数値の分析を行い、マーケティングの勉強も同時並行
ただのカスタマーサポートではなく、カスタマーサクセスを本気で目指して、今日もVERTEXのCSは頑張っています。
本気でカスタマーサクセスをやってみたい! チームを作り上げたい! 少しでもそう思う方は、VERTEXに遊びに来ませんか? まずはいろいろ気軽にお話しできる機会を設けます。ぜひご応募お待ちして置います。