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いま、エンジニアは一歩踏み出すチャンスに溢れている。

「自分の好奇心に素直にやりたいことをやってきた」

そう語るのは、株式会社Voicy CTO(最高技術責任者)の窪田雄司さん。

第一印象は寡黙で職人気質な印象で、THEエンジニアという印象だった。
しかし、彼が歩んできた道のりは、その印象とは正反対のものだった。

「なぜいま音声なのか?」
「動画でいいのではないか?」
「なぜ、スキルのあるエンジニアなのにベンチャーに転職するのか?」

サービス立ち上げ当初は、サービスの必要性が伝わらない時期もあったそうだ。しかし、Voicyは有名人やインフルエンサーのナマの声をアプリ1つで聴くことが出来る、生活に無くてはならないサービスへと成長した。

なぜ、折れずにサービスの開発を続けることが出来たのだろうか?
なぜ、音声というジャンル。そしてベンチャーという不安定な職場を選んだんだろうか?

成功を生んだ背景で、どのような人生を歩んできたのだろうか?
音声と技術を組み合わせるVoicyのサービスを技術面で作り続ける、窪田の独特のエンジニア観に迫っていきたい。


エンジニアの市場に人が不足していることは、
一歩踏み出すチャンスに溢れているということ

うすい:今日は窪田さんのエンジニア観についてお話を聞きたいのですが、26歳の時にワーホリで世界一周されたんですよね。なぜ働き盛りの時に、その行動を選択したのか始めにお伺いさせていただけますか?

窪田:理由は「海外でエンジニアの仕事をしてみたかったから」ですね。

日本でエンジニアとして働いていた時に、漠然と思ったことがあったんです。海外で働いてみたいなあという気持ちが芽生えたので、実際にやってみようと思いました。

うすい:それで1年間ワーホリで会社を休んで海外に飛んだんですか?

窪田:そうですね。オーストラリアに飛んで、現地の働き方やレベル感を肌で体感してきました。そして世界一周をしながらいくつもの価値観を手に入れることができましたね。

うすい:海外に行ってみてどうでしたか?

窪田:海外ではなくて、日本でエンジニアをしたいなあと思いました。海外ってバスが全然時間通りにこなかったり、電車も時間通りに来ないんですね。その点、日本のディテールは本当にすごいと外に出て気づいたんです。

海外で仕事をしてみたいと思っていましたが、実際に海外の環境に触れてみて、自分は日本で仕事をしたいと強く思えるようになりましたね。

うすい:26歳の時に、会社を1年休むことに不安はありませんでしたか?

窪田:特に不安はありませんでした。自分のやってみたいことに飛び込んで、良ければその環境に入ればいいと思いますし、違うなと思ったらやり直せばいいと思うので。

うすい:やり直しですか。個人的にキャリアをやり直すって勇気がいると思うのですが。

窪田:例えば、市場的にエンジニアは圧倒的に不足していると言われているじゃないですか。それって逆に言えば、思い切って挑戦出来るよってことだと思うんです。ダメだったら復帰や転職してもいいわけですし。

自分に自信があったり、自立出来ているのであれば、やりたいことの優先度を高くして、挑戦する選択をとって良いのかなと思います。戻れる場所があるのなら、やりたいことに挑戦して良いと思うんです。

うすい:もっとエンジニアは挑戦的であれと。

窪田:でも間違えちゃいけないことが2つあって。

1つ目は、エンジニア市場に人が不足している事実を誤って捉えること。
自分にスキルがあるから採用されているんじゃなくて、市場に人が不足しているから採用されている可能性があること。自分のスキルに過信しないようにしなければいけません。

2つ目は、必ずしも挑戦しなくても良いんです。
学ぶフェーズがあってもいいし、挑戦するフェーズがあってもいい。
最終的にどんなエンジニアになっていたいのか?そのために、いまどこで仕事をするべきか?好奇心に従ってみたり、ゴールから逆算するのもいいのかなと感じます。

自分のサービスを作るエンジニアになりたかった

うすい:ワーホリから帰ってきて、働き方になにか変化はありましたか?

窪田:フリーランスになって、個人で受注依頼に応えていました。

海外に出てみて、日本で仕事がしたいと決意が固まったことで、たくさんのサービスに関わって行くことが出来ました。

その後は会社に所属して、1人では出来なかった大きな受注が出来る環境に飛び込みました。

うすい:個人からチームへ。環境が変わってどうでしたか?

窪田:単純に楽しかったですね。個人の受注だと出来る限界があるので。
その限界がどんどん伸びていくような気がして。チームもマネージメントも経験して、協力して1つのアウトプットを作り上げる喜びがありました。

うすい:ではなぜVoicyにJOINしたんですか?

窪田:長い間チームで動いてみた先に、もっとやってみたいことが見えてきたんです。

うすい:もっとやってみたいことですか?

窪田:エンジニアって受注の仕事が多いんですね。なので、依頼されたタスクを個人もしくはチームで作っていく事が多いんです。

でもチームで1つのアウトプットを完成させた時、本当なら売上が伸びてたり、ユーザーからの声が聞こえると思うんです。でも、受注の形だと関わる期間が一部なので、どうしても自分のモノ感を感じることが出来なかったんです。愛着と言うか。

その思いが積み重なってユーザーの声に触れられる場所でエンジニアをしたいなあと思いました。

うすい:なるほど。それで直接ユーザーの声が聞ける環境を求めたわけですか。

窪田:そうですね。経験を積み重ねていく中で、自分はどんなエンジニアになりたいのか?試行錯誤しながら進めると良いかも知れませんね。いまは挑戦出来る時代なので。

逆境を支えるのは、自分たちが本気でサービスにワクワクしているか?

うすい:Voicyの他にもユーザーの声を聞けるプロダクトサービスってたくさんあると思うんですが、何故Voicyを選んだんですか?

窪田:単純にサービスにワクワクしたからですね。代表の緒方とサービスを始めましたが、彼の語る声の世界に深く共感したんです。

当時から、声を瞬時に届けられるモデルを作ろうと話していましたが、その構想に僕たち自身がワクワクしていたんです。

そして実際にユーザーになってパーソナリティーの放送を聞いた時、面白いなって思ったんです。

うすい:Voicyはサービスローンチして約1年位は、ユーザーの増加が伸び悩んでいたそうですね。その時はどんなことを考えていたんですか?

窪田:ラジオがすき。そんな人には楽しんで貰えたんですが、中々ユーザーは増えませんでした。

まずは僕たちがワクワクするサービスであることを体感して、信じること。そのワクワクがブレないようにしていました。

僕たち自身がサービスを面白いと思っていたので、それが伝わっていかないことにもどかしさを感じていました。

うすい:ユーザーが増えない中で、信念を貫くことは大変じゃないですか?

窪田:大変でした。
でも自分達の感性を曲げて、うまく行かない方が悔しいと思うので、そこは守りました。作り手がワクワクするものを、ユーザーにも使って欲しいじゃないですか。

うすい:今年のはじめからユーザーが一気にふえましたが、その時、意識していたことはありますか?

窪田:どれだけ放送が再生されても、サーバーが落ちないように強化をしていました。サービスを使ってくれる方が増えてきたので、放送が聴けないという自体は起きないように意識していました。

あとは、パーソナリティの使いやすさにこだわり抜いたことですかね。

うすい:パーソナリティの使いやすさとは、どんなことですか?

窪田:例えばラジオの放送は、綺麗な音声で放送されることが良いこととされていました。

しかしVoicyは、どこでも簡単に収録と放送が出来ることにこだわってきました。空いた時間に、おしゃべりするくらい簡単に発信するメディアはあまり存在していません。

人間性を瞬時に切り取れるメディアとして、Voicyにしか出来ないことを、徹底的にユーザーがワクワク出来るように作ろうと考えていました。

音声で活躍できる人を増やしたい
そして、音声で生活を一歩先に進めたい

うすい:これからVoicyをどのように進化させていきたいと考えていますか?

窪田:これからやりたいことは2つあって。
1つは、知らないパーソナリティに出会えたり、もっと音声の情報を普及させたいと思っています。
もう1つは、音声放送で社会インフラを作っていくことですね。

うすい:もっとVoicyを良くしていきたいと。

窪田:そうですね。Voicyには素敵な放送をしてくれているパーソナリティーがたくさんいるので、放送を求めている方とパーソナリティーがもっと繋がるようにしていきたいですね。

うすい:Voicyでは、インフルエンサーだけではなくて、音声放送がマッチして人気が出た方もいますよね。音声で活躍できる人が活躍できるサービスになるといいですね。

窪田:そうですね。文章を書くことが苦手な方でも、顔を出して情報を発信することが苦手な人でも、音声放送なら活躍できる可能性があるので、その世界観をどんどんつくっていきたいなと思っています。

うすい:最後に、音声放送で社会インフラを作っていくことについて教えてください。

窪田:Voicyは各スマートスピーカーとファーストパートナーになっているんです。

日常生活のあらゆるところから音声を届けるための社会インフラの構築を行っていて、そのステップの1つとしてスマートスピーカーからニュースなどを放送しているんです。

IoT化が進めば、音声でも情報を届ける事が可能になります。
近未来的に音声放送は、情報放送の主流になると思っているので、社会インフラに対応出来るチームやシステムを作っていこうと思っています。

うすい:文字に加えて、音声で情報を届けるですか?

窪田:そうです。いまはスマートスピーカーを中心に、どんどん音声で情報を届ける流れになってきています。

今後はスマートスピーカーだけではなくて、あらゆるIoTから音声で情報を伝える未来がくると思っているので、そこに対応出来るようにしていきたいですね。

うすい:なるほど。音声のインフラを作っていくとなると、想像がつかないんですが、どんなことが必要なんでしょうか?

窪田:いまは、スペシャリストを求めています。音声放送の仕組みを作っていくエンジニアさんも、セキュリティー面でサポートしているエンジニアさんも必要です。

正直、やりたいことが追いついていないのが現状です。
主体的に技術力を使ってどんどん音声の未来を作っていける人とご一緒したいですね。

うすい:僕も先月JOINしましたが、ほぼ創業メンバーという形で動かせていただいていて、やりたいことが出来る一番面白い時期のベンチャーだなあと思います。

窪田:そうですね。音声が好きで、自分の技術力を生かして成長したい方には楽しい環境かもしれません。

やりたいことをやってみれば、
自分の本当にやりたいことが明確になる


うすい:最後に今後の未来について聞かせてください。

窪田:未来ですか。考え方は子供の頃から変わっていないんです。大好きなゲームに没頭して、次第にそれを作りたいと思った。

大人になっても同じで、新しい技術がどんどん出てきて、その可能性に憧れて、それを作りたいと思った。なので、音声という最先端の技術で新しい体験を作っていきたいと思っています。

うすい:ありがとうございます。個人的には音声がどんな未来を作っていくのかとても楽しみにしています。

窪田:頑張ります!

テキスト:うすいよしき(@usui_comedian



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→Voicyのオウンドメディア、Voicy Journal

さて、Voicyでは、現在エンジニア採用の募集を行っています。
ボイスメディアVoicyに関わるエンジニア。そして、音声のインフラを作っていくエンジニアの募集を行っています。

興味のある方は、以下からお気軽に応募ください。

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