「AIで自動化しています」と聞いても、何がどこまで自動なのかは分からないと思います。実際に動いているものと、あえて自動にしなかったものを、そのまま並べます。
▍毎朝、その日にやることが届く
平日の朝、その日に出す募集とストーリーの内容が、担当のチャットに自動で届きます。どの職種の、どの切り口を、どの画像で出すか。人が決めるのは、送られてきたものを出すかどうかだけです。
この通知には締め切りを設けていて、12時30分までに届かなければ警報が出ます。定時実行は遅れることがあるので、朝のうちに時間をずらして複数回試す形にしています。届かないこと自体に誰も気づけない、という状態を作らないためです。
▍競合の動きは、毎日1回まとめて見る
同じ市場の66社を毎日1回巡回して、新しい募集と記事を検知します。見つけたら、その7日後に反響を測って記録します。手元には募集1,071件ぶんの記録が貯まりました。
▍週に1回、勝ち負けを判定する
週の頭に、掲載中の募集を1本ずつ判定します。止める候補、伸ばす候補、直す候補に分かれて届きます。基準は設定ファイルに1箇所だけ書いてあり、変えればその週から反映されます。
直す候補については、いまの本文と、直した文章の案までを自動で作って送ります。「直してください」だけを送っても、直らないからです。
▍あえて自動にしなかったもの
投稿や送信そのものは自動化していません。媒体の規約で、アカウントを自動で操作することが禁じられているためです。ここは指示を作るところまでで止めて、最後は人が出します。
これは制約ですが、悪いことばかりでもありません。出す直前に人の目が一度入るので、内容がおかしいときに止まります。全部を自動にすると、間違ったものが誰にも見られないまま外に出ます。
判断も自動にしていません。止めるか続けるかの基準は決めますが、決めた基準が正しいかどうかは人が定期的に見直します。基準まで自動で動かすと、ずれたときに誰も気づけません。
警告と作業指示も混ぜないようにしています。同じ場所に流すと、警告が日常の景色になって読み飛ばされるからです。届け先を分けて、警告は警告だけが並ぶ場所に出します。
▍自動化するときに必ず決める3つ
1つ目は、黙って0件にならないこと。集計の結果が0のときは、本当に0なのか、処理が止まったのかを区別できるようにします。区別できないときは、警告を出す側に倒します。
2つ目は、同じ値を2箇所に書かないこと。基準や名簿を2箇所に書くと、片方だけ直したときに静かに食い違います。1箇所に置いて、必要なところから読みにいく形にします。
3つ目は、失敗したら声を出すこと。失敗を握りつぶす処理は、動いているように見えて何もしていない状態を作ります。
▍直したときに、前の修正を壊さない
仕組みを長く使っていると、直した箇所が別の箇所を壊します。しかも壊れたことに気づくのは、たいてい何日か後です。
そこで、一度起きた事故は検査として残しています。同じ募集が2日続けて指示に出ないか、祝日が投稿日から外れていないか、指示の内容と実際の募集条件が食い違っていないか。直すたびにこの検査を通してから反映します。
検査そのものがバグることもあるので、結果が直感と食い違うときは、まず検査を疑うことにしています。
▍手を入れやすい形にしておく
自動化したものは、あとから必ず変えることになります。実際、投稿の頻度も判定の基準も、運用しながら何度も変えました。
そのたびにプログラムを書き換えるのではなく、設定を1行変えれば済む形にしておく。ここに手間をかけておくと、変えたいときにすぐ変えられます。
期間を区切れる形にしておくのも同じ理由です。「今週だけ増やす」を設定で書けるようにしておけば、期間が過ぎたときに自動で元へ戻ります。戻す作業を人の記憶に頼ると、戻し忘れたまま何ヶ月も走り続けます。
▍この仕事について
ディレクターを募集しています。事業の進行管理に加えて、いま書いたような仕組みを、使いながら直していく仕事です。
なお、事業にはファンクラブの運用が含まれ、その中には成人向けの内容を扱うものがあります。募集にも明記しています。
作ったもので現場が楽になるところまで見届けたい方に、向いている環境だと思います。
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