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効率重視からコミュニケーション重視のプロダクト開発へ: Empath Product Manager 小坂芳生さんインタビュー

本当は毎晩エビス飲みながらネトゲざんまいだけど、「いやあ、毎日発泡酒でネトフリざんまいだお」 って同僚に嘘ついてます。千葉だよ☆

Empathは2019年11月に、コールセンターではたらくすべての人の従業員満足度(ES)向上に特化した製品、感情解析コールセンターAI「EmoDaruma」(以下、「EmoDaruma」)を正式にローンチしました。もとい、正式に発表しました。ぶっちゃけ「発表」って日本語で言えばいいのにって違和感持ちつつも、やっぱりスタートアップにいることもあって何でもカタカナに変換しがちだお(笑)

「EmoDaruma」は、コールセンターBPOの提供を行うセコムグループの株式会社TMJ(以下、TMJ)とEmpath社との共同開発製品です。2019年7月にβ版をローンチ以降、オペレーターの定着率向上、管理者の残業時間削減に寄与してきました。また、オペレータのセールス・コールの成約率向上も見られています。これは、「EmoDaruma」を利用したコールセンターのオペレータならびに管理者の従業員満足度が上がり、仕事への成果との相関が出たことを表しているらしいけど、最近CEOとCSOが両隣に座るせいで私の両目は花粉症でもないのに毎日結膜炎気味。ぶっちゃけ私の従業員満足度も下がり気味なので、「EmoDaruma」になんとかしてもらいたい今日この頃です(笑)。

今回は、Empath開発チームを率いるe-sportsの申し子兼プロダクト・マネジャーの小坂芳生さんにWAIROを渡して「EmoDaruma」が生まれた背景や設計思想を聞いてみたったのでみんな読んでみてね☆

(小坂さんにWAIROを渡して、取材交渉。ぶっちゃけ最初は渋っていたものの、次回開催予定のe-sports出場費の足しになるからと快諾してくれた(笑)。)

<目次>

1.過去のコールセンタ業務から得たプロダクト開発の軸

2.TMJ社とのプロダクト開発過程で変化したコールセンターへの印象と「EmoDaruma」誕生の背景

3.開発過程で実感したプロダクトを生む楽しさと苦しさ: 現場観察の重要さ

4.効率重視からコミュニケーション重視のプロダクト開発へ

5.あとがき


1.過去のコールセンタ業務から得たプロダクト開発の軸

-小坂さんは、以前コールセンターでのお仕事の経験があるそうですが、どのような内容の業務をしていたのですか?

コールセンターでは、営業のアポを取るいわゆるアウトバウンド業務をやっていました。毎日数100件の電話をかけるのですが、8~9割の電話で話も聞いてもらえず、お客さんから怒鳴られることは日常茶飯事。とても辛い状況でした。特にその時期は、自分の人生の中でも暗黒時代と認識していて(笑)。「これがやりたい!」というような希望がある将来の目標がなく公私ともにつらい時期でしたね(遠い目)。。

当時は当たり前のように、上の人(マネジャーなど)が高圧的な態度かつ部下の考えに聞く耳を持っていなかった。だから、こちらの考えを話そうとしても、会話が遮断されるのが当たり前だったんですよ。当時自分も反抗的だったのかもしれないけど、上の人からの一方通行の命令のみで「対話ができない状態」というのが違和感でしかなかったんですよねぇ。そういった経験があるからなのか、自分は仕事する上で「駆け込み寺」のようなものを作りたいと思っていて。例えば誰かが困っているときに、相談しやすかったりとか、そっと寄り添って手を貸したりする存在というのを作っていきたいというのがプロダクト開発の根底にある気がしますね(照)。

2.TMJ社とのプロダクト開発過程で変化したコールセンターへの印象と「EmoDaruma」誕生の背景

-それは大変でしたね。。コールセンターと聞くと大変で離職率が高いという印象もありますよね。そんな大変な状況だったからこそ、小坂さんのプロダクト開発の軸ができたんですね。Empathがコールセンターの業務に携わるとなったときに何か感じたことはありますか?

正直言うと、最初はまたあの過酷な環境での仕事になるのか。と思って内心「え~嫌だなぁ。。」という気持ちが強かったですよ(笑)。でも実際にTMJさんと共同開発を進めていく中で、コールセンターへの印象が大きく変わったんです。というのも、TMJさんのコールセンターを見学させてもらったときに、コールセンターの第一線ではたらくオペレータさんへのケアが手厚いことが分かりました。現場の管理者さんとオペレータさんがコミュニケーションを密に取っているのが素晴らしかったんですよねぇ。どの仕事もそうなんですけど、特にコールセンターって第一線で働くオペレーターさんが電話をかけてくれたり、受けてくれたりするからこそ成り立っている。そういう人たちとの対話を大切にできるコールセンターを持つTMJさんとの共同開発だったので、次第にわくわくするようになりました。

-なるほど。実際にTMJさんとプロダクトの開発を進める中で、「EmoDaruma」にいきついた背景はどういったものだったのでしょうか?

昔、TMJさんとスマートコールセンターというプロダクトを使ってコールセンターの現場で実証実験を行っていました(下記画像参照)。その中で、実際にスマートコールセンターを使ってくれたオペレータさんから「お客さんが怒っているときの感情が画面に現れるのがプレッシャーに感じてしまう。」というフィードバックをもらいました。確かに怒りの感情は声からもダイレクトに分かりますし、画面のアイコンが赤色になることで、オペレータさんをより追い詰めてしまったようで(苦笑)。。結果だけ見るとネガティブな声もあったけど、こうしたが背景があったおかげで、コールセンターの第一線ではたらくオペレータさんの声を重視したUI/UX設計を考えるきっかけとなったのは間違いないと思ってます。というのも、プロダクトって、実際に使う人の不満とか、もうちょっとこうなったらいいなという声を試行錯誤して最終的に良いものができるので。

(スマートコールセンターUI/UX画面。当時はお客様の感情を直接PC上で見せていたが、オペレータさんの不安材料となり、プレッシャーを与える結果となってしまった。)

先ほど話した背景から、感情を直接見せないのなら、どんなUI/UX設計だったら現場の方が喜んでくれるんだろう?と考えてみました。TMJさんとも定期的に会議体を設け、実際にプロダクトを使う人たちのペルソナ設計をしたり、現場の声をヒアリングしたりして、実際にプロダクトを使うユーザー像を描きました。また、絶対に外せないコンセプトとして、「オペレータさんと管理者さんのコミュニケーションを良くしていく」という軸はぶらさずに議論を進めていきました。こうした議論を重ね、TMJさんとの会議で出たアイディアを持ち帰り、開発チームに相談したところ、メンバーから「キャラクターをオペレータさんの画面上に出現させたら面白いんじゃないか?」という案があったんですよ。自分では思いつかなかったし、あまりコールセンターでは見かけないので面白そうだと感じました。早速イラストレーターさんにお願いしたところ、縁起物であるだるまのデザインを送ってくれました。他にも動物系のかわいらしいデザインがあった中で、現場のオペレータさんから満場一致でだるまのデザインを選んでもらって、「EmoDaruma」が生まれました。

(コールセンターのES(従業員満足度)向上に特化した「EmoDaruma」のUI/UX画面。スマートコールセンターでの学びを活かし、感情解析結果を直接画面上に表示せずに、キャラクターがオペレータさんの感情に寄り添い、励ましたり、褒めたりしてくれるUI/UX設計にした。)

「EmoDaruma」製品ページ: https://daruma.webempath.ai/

3.開発過程で実感したプロダクトを生む楽しさと苦しさ: 現場観察の重要さ

-プロダクト開発の過程で楽しいと感じたことはありますか?また苦労した話も聞かせてください!

実際にコールセンターの現場で「EmoDaruma」を使ってくれる管理者さんやオペレータさんが、「EmoDaruma」の設計思想に共感してくれたことがとても嬉しかったですねぇ。プロダクトを開発した側からすると、実際に使ってくれる方々の声を聴くことで、もっと使ってくれる人たちに喜んでもらいたい!という気持ちが増していくんですよ。また、開発のチームメンバーが積極的に意見を出してくれることで、自分でも思いつかないようなアイディアが出してくれるので、各メンバーの意見を取り入れながら進められたのがよかったです。

一方で苦労したことは、UI/UXを意識した開発に初めて取り組んだことですかねぇ。自分にとって新たな挑戦であったので、不安もありました。しかし、実際プロダクトが使われる現場の見学ならびにプロダクトを使う人へのヒアリングをすることで、直接フィードバックがもらえたので心強かったです。コールセンターで働いている人、業務内容、環境など、その他にも様々な発見がありましたねぇ。例えば、コールセンターって、業務に関する様々な装飾がされていて、オペレータさんのモチベーションを上げるための施策も多く実施されてるんですよ。実際にコールセンターを見学させてもらった時に、ホワイトボードに何が書かれているか、オペレータのみなさんが電話をしているときのしぐさ、PCのモニターに開かれているウィンドウの数はいくつかなど、これまで知らなかったことをたくさん学ばせてもらっていました。こういったことは、本ではわからないことなので、改めて実際に現場でプロダクトを使う方々に状況や要望を聴くことって大事なんだなぁと感じました。

(現場でヒアリングしたニーズを元に、UI/UX設計について開発チームでブレスト中。各メンバーが意見を出し合い、Empath独自のプロダクト・デザインに落とし込んでいる。)

4.効率重視からコミュニケーション重視のプロダクト開発へ

-最後に小坂さんの今後の展望を教えていただけますか?

個人的に、「効率重視」に対する課題感を持っています。コールセンターに限らず、世の中的にAIを使って1秒単位の効率化をすることに躍起になっている印象があります。そして効率を重視するあまり、コミュニケーションがうまく取れず最終的にはコミュニケーション・コストがかかってしまう。確かに効率化することによって、人の生活が楽になることはとても重要です。けど、効率重視で人と人とのコミュニケーションがなくなってしまうのは、なんだか寂しいし楽しくないなぁと思ってます。

以前関わっていた仕事で、社員のメンタル状況をリアルタイムで把握することで、上司と部下がお互いにケアしながらコミュニケーションを取れるようなアプリを開発していたことがあるんです。その時は、各メンバーがしんどいときにキャラクターを使ってアラートを出しやすい設計にして、今メンバーがどんな状態なのかが分かるようにしていました。そういった仕事に関わったことがきっかけで、個人の趣味であるe-sportsと仕事でやりたいことの共通項が見出せた気がしています。ゲーム感覚でお互いが思いやりを持って楽しくコミュニケーションが取れるきっかけになるプロダクトを作り続けていきたいなぁという気持ちが強くなっていますね。

「EmoDaruma」に関しても、コールセンターではたらく人たちが一緒に働くメンバーとのコミュニケーションを楽しむことで、仕事に対してちょっとでもモチベーションが上がって、コールセンターではたらくことが楽しくなるようなきっかけになるように、遊び心を持たせたプロダクトにしていきたいなと思っています。

(Empathメンバーで小坂さんにだるまの名刺入れを誕生日プレゼントとして渡した。お客様の中には、「あ、EmoDarumaですね!」と声掛けしてくれる方も多い。 )

5.あとがき

2019年某日、「さぁ今日も家でエビス飲み倒してネトゲざんまいだお!」と浮ついていた時に、開発チームが集って話し合っている姿をみかけました。なにやら、β版の「EmoDaruma」をローンチする前に、開発チームが稼働テストをしている様子。緊張感がある中、開発してきた「EmoDaruma」が動いた瞬間、普段静かめのメンバーもみんなで一緒になって喜んでいる姿を見て、開発メンバーのプロダクトに賭ける思いに触れました。

今回のインタビューを通して、小坂さんが実際にコールセンターでの仕事の大変さを知っているからこそ、コールセンターにおいてより良い世界を描くきっかけとなるプロダクトが生まれたのだと実感しました。これからも、コールセンターはもちろん、プロダクト開発に関わるパートナーさん、デザイナーさんなど、一緒にはたらく人たちへの「共感」を持ちながら、Empathらしいプロダクトを提供していくのが楽しみです。私自身も、役割は違えど、開発チームが思いを込めて生み出すプロダクトならびにプロダクト背景を紹介することで、多くのコールセンターのお客様にEmpathの人たちやプロダクトの魅力を伝えていく力を磨き続けたいと思いました。な~んてねっ☆さぁ今日も同僚には「いやぁ、今日も家で発泡酒だお」って嘘を重ねてお家に帰るお☆

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