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母国を離れ日本でデータ・サイエンティストの道を切り開く: Empath Data Scientist Stef van der Struijkさんインタビュー

今回紹介するのは、Empath 2人目の海外メンバーであるデータ・サイエンティストのStefさんです。オランダで生まれました。大学進学時には、人工知能ならびに心理学二つの領域で学士が取得できるオランダのフローニンゲン大学に進学。大学在学中に、半年間大阪大学へ留学したことをきっかけに、日本の大学院への進学を目指します。その後、文部科学省が提供する奨学金制度を活用し、京都大学の情報学研究科知能情報学専攻の西田豊明教授の研究室で2年間研究。そこで当時西田豊明教授の研究室に所属していたEmpathのデータ・サイエンティストのSaraさんと出会ったことがきっかけで、2018年の10月からデータ・サイエンティストとしてEmpathに参画しています。今回は、Stefさんが母国を離れて日本でデータ・サイエンティストの道を選んだ背景についてインタビューをしました。

<目次>

1.人工知能と心理学の学びから感情解析のデータ・サイエンティストの道へ

2.日本への留学経験から感じた母国への気づき

3・大学院時代の縁から、Empath入社までの過程

4・業務を超えた挑戦: データ・サイエンス×心理学で多様な価値観に寄り添う

5・あとがき


1.人工知能と心理学の学びから感情解析のデータ・サイエンティストの道へ

-Stefさんのこれまでの経歴を教えてください!

私はオランダで生まれました。小さい時から、プログラミングに興味があったので、よくコンピュータを使っていました。興味があった理由は、自分がコードを書くことで全く何もないところから新しいものを作れるから。コードを書いて、コンピュータ上で自分が作ったソフトウェアが動いたときはとても嬉しかったし、楽しかったんです。一方で、高校に進学して将来のことを考えたときに、ずっとコンピュータの前でプログラムを書き続けている自分は想像できませんでした。というのも、私は小さい時から水泳をやっていてクラブチームに所属していたので、チーム内で各メンバーがそれぞれの力を発揮して競技することが好きだったんです。こういった経験から、コンピュータの前でひたすらコードを書いているだけではなく、自分が関わる人とのコミュニケーションも大切にしていきたいと考えていました。また、人がコミュニケーションを取るときに、どのように感じていて、どのように行動していくのかというような心理学的なことにも興味がありました。

そういった背景があり、大学進学の際は人工知能や心理学について学べる大学を探していました。幸運なことに、人工知能と心理学2つの分野で学士号が取得できるフローニンゲン大学がオランダにあったので、迷わずフローニンゲン大学へ進学を決めましたね。また、私の出身大学には海外留学のプログラムもあったため、いつか日本に留学をしてみたいと思っていた私に最適の大学でした。

-なるほど、コンピュータと心理学への興味は、コードを書いて新しい物を作ること、長年取り組んでいたスポーツから得たものだったんですね。ちなみに日本に留学を考えたきっかけは何だったんですか?

高校生の頃から日本のアニメが好きでした。自分が育ったオランダとは違う文化を知れるのはもちろんですが、人工知能と人間のコミュニケーションを題材にしたようなアニメもあって面白いなと思っていたんです。今思うと、日本のアニメがきっかけで人工知能と心理学について興味をもったんだと思います。自分の将来を考えるきっかけにもなった「日本」を自分の目で確かめたいという気持ちも生まれ、大学では一度留学をしたいと考えていました。

2.日本への留学経験から感じた母国への気づき

-実際日本に留学してみて、どうでしたか?留学前と留学後で変化はありましたか?

大学在学中は、交換留学先である大阪大学に半年間留学しました。初めて日本に到着した後、空港から大学までバスを使わなければならなかったので、バスの窓口に行ったんです。ちゃんと伝わるかとドキドキしながら「バス停はどこですか?」と聞きました。すると、窓口の人は「外に出て右へ行ってください。」と案内をしてくれて。その瞬間はほんの少しの会話だったけど、初めて日本語でコミュニケーションができた瞬間なのでよく覚えています。

あと留学して特に印象的だったことがあって。それは、日本の文化の違いに対して戸惑うことよりも、オランダに帰ってからの方が戸惑うことが多くなったことです。留学前に、留学先で受けるカルチャー・ショックについては覚悟していましたが、帰国してから自分が生まれ育った国へのカルチャー・ショックがあるとは思いもしませんでした。例えば、私の場合だと日本のおじぎやあいづちの文化が抜けず、オランダでも自然とやってしまうこともありました。また、日本で他の国から来た留学生と関わり、英語を使う機会が多かったためオランダ語を話すときに少し違和感を持つようになりました。あとは、留学前までずっと関わっていたオランダ人の友達との話が合わなくなることもあったんです。私は留学を通して、他の国の文化を知ることができたので、留学前にオランダで暮らしてきたときの価値観が変わっていったんだと思います。こういうことがあって、改めて自分は日本が好きだし、もう一度日本で暮らしたいという気持ちが増していきました。

(写真: 半年間の交換留学で出会った留学生の友人たちとの1枚。その時出会った友人たちとは今でも連絡を取っている。)

-オランダに帰国して、カルチャー・ショックがあったことで、日本で暮らしたい気持ちが芽生えたんですね。この出来事が、再度日本へ留学するきっかけになったんですか?

はい。オランダの大学では、人工知能や心理学を勉強していて、表情からの感情解析(以下、表情感情解析)の分野を専門としていました。半年の留学を経験して、今度は日本の大学院で、これまで研究をしてきた表情感情解析をベースにした研究を進められないかと考えていたんです。様々な大学院を探していた時に、情報学研究科知能情報学専攻の西田豊明教授の研究室を見つけました。もともと表情感情解析をやっていたので、Affective Computing(感情コンピューティング)には馴染みがありました。日本の大学の中では、西田先生の研究室が一番自分の研究したい分野だと思ったので、迷わず京都大学への進学を選びました。日本の文部科学省が提供する奨学金制度を使い、京都大学の情報学研究科知能情報学専攻の西田豊明教授の研究室で2年間研究することになりました。


3.大学院で同じ研究室に所属していた縁から、Empath入社へ:

-初めての留学は大阪で、2回目の留学は京都だったので、関西に縁があったのかもしれませんね。そして所属していた研究室でEmpathのデータ・サイエンティストのSaraさんと出会ったんですよね!研究室でのSaraさんとの出会いがEmpathに入社した経緯のきっかけだったそうですね。

そうですね!その時からSaraとは席が隣で、よく話していました。週末は他の研究室のメンバーも含めて一緒にみんなで遊びにいくこともありましたね。京都大学では、自分の興味がある研究を進められたし、とてもいい思い出です。

大学院修了が近づいていた時、今度は就職のことを考え始めました。これまで研究してきたことを活かし、日本で就職したいと考えていたので、日本の就職活動を実際に体験してみましたが、結構驚くことが多かったです(笑)。例えば、オランダやその他の国では集団面接の習慣はないので、実際面接を受けたときにすごく驚きました。あとは、SPIなどの試験問題はすべて日本語だったので厳しかったです(笑)。こういうことがあったので、日本の大企業に加えて、スタートアップへの就職についても考えていました。というのも、自分がこれまで研究してきたことを就職してすぐに活かせる場所がいいと考え始めていたからなんです。なので、就職についてはSaraにも相談していました。すると、一度はずむさん(Empath CSOの山崎)が京都に来ることがあるということだったので、一緒にランチに行きました。はずむさんと話してみると、自分の専門の研究を活かせそうなこと、またスタートアップでまだメンバーも少ないことから、よりチームメンバーと深くコミュニケーションを取れるのではないかと感じてEmpathの入社を決めました。

-実際Empathに入社してみてどうですか?普段の業務についてもぜひ教えてください。

Saraもいますし、Empathのメンバーみんなが優しいので、毎日楽しく仕事ができています。まだメンバーの人数も少ないので、研究室にいるような感覚です。実際の業務は、Saraとデータ・サイエンスのチームを組んで業務に取り組んでいます。具体的には、論文を読んで、そこから実際に感情解析のモデルを作る際に活かせる知見を取り入れています。普段の業務はデータ・サイエンスの領域に携わっていますが、入社してすぐにEmpathがGoogle主催のアクセラレータ・プログラムであるGoogle Launchpadに採択されたので、そのプログラムへ参加したこともありました。そのプログラムでは、実際にスタートアップとして本当に市場と顧客のニーズに合った製品を開発できているのかを探求するため、PMF (Product Market Fit)に主軸を置いていました。PMFの詳細は、Mediumの記事に分かりやすいものがあるのでよかったら読んでみてください。

Google Launchpadはワークショップ形式だったので、Empathが今後提供していきたい製品の開発方法について学べたと感じています。入社してすぐでしたが、このプログラムに参加させてもらえたのでEmpathはいわゆる年功序列ではなく、最適なかたちで各取り組みに貢献できるメンバーを選んで挑戦させてくれる風土があると思っています。

(写真:Google主催のアクセラレーター・プログラムであるGoogle Launchpadのプログラムでの1枚。東京のGoogle本社、イスラエルのテレアビブ、アメリカのマウンテンビューの3拠点でスタートアップ向けのプログラムが実施された。)

4.業務を超えた挑戦: データ・サイエンス×心理学で多様な価値観に寄り添う

-そうですね。確かに入社順ではなく、人数が少ないからこそ、プロジェクトに合ったかたちで各メンバーが挑戦できる環境ですよね。最後にStefさんがデータ・サイエンティストの業務以外でこれから取り組みたいと考えていることを教えてください。

私は、人とコミュニケーションを取ることが好きなので、主体的にイベントの開催をしてみたいと思っています。入社してすぐに、はずむさんが企画してくれたEmpath Happy Hour という英語と日本語で開催してEmpath以外のスタートアップや大企業に勤めている人たちとコミュニケーションを取れて楽しかったのを覚えています。そのような、英語と日本語で開催できるようなイベントができたらと考えています。

あとは、業務は関係ないですが、Empathでバーを開いてみたいとも思っています(笑)。以前、会社の飲み会が終わった後に、オフィスに残っているメンバーでバーのような雰囲気を作ってみました。照明を暗くして、お酒を並べてバーカウンターに立ってみんなが抱えている悩みを聞くバーテンダーのようなかたちでやってみて。雰囲気も良かったし、各メンバーの考えていることが聞けたのでいいなと思っています。

(写真:Empath有志メンバーで集まってできたバー。Stefがバー・テンダーとしてお酒を振舞ってくれ、各メンバーの話を聞いてくれていた。)

5.あとがき

Stefさんは初めて会う人であっても臆せずにフレンドリーに接していて、どんな文化の中でも多様性を尊重しています。これは、Stefさんが幼少から所属していた水泳のクラブチームでチーム・ビルディングの経験、そして母国から離れた場所でのデータ・サイエンティストとしての挑戦がStefさんの人柄をつくってきたらということが分かりました。こうしたStefさんの人柄が人と人との縁をつないでいき、Empathに辿り着いたんですね。今後のデータ・サイエンティストとしての活躍はもちろん、イベントの主催などを通した人と人の縁をつなぐ存在としての活躍もとても楽しみです。

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