プロモ―ションチームがはじめたチーム力UPの施策3つをKPTで振り返ってみた
これまで、「スペシャリスト」な各メンバーが、それぞれの案件にコミットする体制をとっていたウエディングパークのプロモーションチーム。今年初めて新卒メンバーをチームに迎えたことを機に、以前は少なかった「チームとしての動き」を見直し、「チーム力」を高めるべく3つの取り組みをはじめたそうです。
今回は、そんなチーム力UPの取り組みを、当社で施策の振り返りに活用しているKPT※で振り返ってもらいました。※KPT…Keep(よかったこと・続けること)/Problem(取り組みの課題・伸びしろ)/Try(今後取り入れること)
プロモーションチーム:
意義目標は「全事業の最重要KPIに貢献しスケールさせる」。ウエディングパークサイトをはじめとした5つの事業それぞれの最重要KPIを同じ目線で追いかけ、広告予算を有効に活用&マーケティング手法を駆使しながら事業を成功に導く一役を担うチーム。プロモーション(広告)を中心に、ライトインハウス形式で戦略の全体設計やクリエイティブ制作等を主導。
Sさん(右):
2016年中途入社。プロモーションチームマネージャー。前職は広告代理店でデジタル広告を中心とした運用コンサルタントやプランナー、営業などを経験。現在はウエディングパークサイトを中心にデジタル広告による施策、解析、およびマス広告も含む認知施策とメンバーのマネジメントを担当。
Nさん(中央):
2019年新卒入社ディレクター。大学時代は広告代理店のインターンで、若者に対しての認知向上につながるコンサルを経験。現在は、プロモーションチームにてメディア・コンテンツのプロモーションを担当。
Iさん(左):
2017年中途入社。プロモーションチームリーダー。メディアのプロモーションとInstagramの運用、制作ディレクターも兼任。前職は広告代理店で、クライアントへの提案やプランニング・運用まで全般を担当。
施策①「ブットビTIME」
ブットビTIMEの説明/実施背景
突拍子もないプロモーション企画・施策を考える「夢を語る提案会」のこと。実現可能性は気にせず、夢のある面白い企画を考えて提案する。月1開催で、毎月対象サイトを決め、そのサイトのメイン担当からサイトの現状などをインプットしてから実施。自由な発想で枠にとらわれない施策を柔軟に考えるスキルUPが目的で、繰り返す中で実際の施策に結び付けることが目標です。(きっかけとなった記事:メルカリCMO村田雅行が語る「成果を上げる常識破りの発想法」)
ブットビTIMEのKPT
ーーKeep(取り組んでよかったこと)を教えてください。
Iさん:思っていることをアウトプットする機会を作れたことです。プロモーション手法の勝ちパターンではなくて、そこから離れた突拍子もない案でも出せるので、この施策を実施したら世の中がびっくりするだろうな!とワクワクしました。夢を語ることで改めて自分たちのプロモーションの仕事に誇りが持てて、もっと頑張ろうという気持ちになれました。
Sさん:夢を持って取り組めるというのはたしかにあるよね。既存の施策の延長線上じゃない新しい事に取り組めて良かったと思っています。自分自身、どうしても今まで自分がやってきた施策を踏襲してしまうこともあったので、広く目を向けるきっかけになりました。あとは、サイト自体をどうするか?ページをどうするか?と、プロモーション以外の領域にも波及しながら考えられたのも良かったと思います。
Nさん:新卒目線で言うと、突拍子もないアイディアを求められていることもあり、この時間はいくらでも変なことを言っても大丈夫!という安心感がありました。そういう時間を作ってもらえたことはありがたかったです。
Iさん:意図としても、新しいアイディアや考えをどんどん「言っていいんだ」という心理的安全性を作りたい、という意図があったので、その部分はクリア出来ましたね!
ーーProblem(取り組みの課題)はいかがでしょう?
Iさん:面白いアイディアは出たんですが、実はまだ1つも実行までは施策が通っていなくて。
Sさん:実際の施策実行へのハードルは高いですね。課題を想定していないと決裁もしにくいなと実施してみて思っています。
Nさん:なんやかんやで、面白そうな所から少し現実的なラインで考えてしまうこともありますね。
Sさん:前提条件を取っ払うともっと自由度は高まりそうだね。
Iさん:優先度で言うと普段行っている通常案件の方が高くなるので、時間確保がしきれなかったのは課題ですね。
ーー最後にTry(どんな仕組みを取り入れるか?)を教えてください。
Sさん:現状の課題や事業の未来像からの逆算など、実現性の高い「テーマ」を設定して、施策実施の決裁まで繋げたいですね。
Nさん:たしかに具体的なテーマがあると考えやすそうですね…!
Iさん:時間の確保は、クリエイターがやっているみたいに「金曜午後は、通常業務外のスキルアップ時間!」という感じで時間を取れるといいですね。(エンジニア・デザイナーは、金曜日の午後を非稼働日として通常の案件以外のスキルアップに使う時間を設定しています。)
KPTまとめ:
K:夢を語れる・新しい施策のアイディアに繋がる
P:考える時間の確保がやっぱり難しい
T:課題設定をすると、施策の実施まで持っていきやすい・非稼働日を作る
施策②「パンプアップTIME」
パンプアップTIMEの説明/実施背景
3人寄れば文殊の知恵!各サイトのメイン担当に改善施策を提案する会。現状のプロモーションの改善をメンバーの立場に関係なく意見を出しあえる時間として設けています。メイン担当からメディアの状況理解を促すアウトプットをして、他メンバーが改善提案。個人の能力をあげ、チーム全体のスキル底上げや担当サイト以外の理解も深めて属人化を防ぐ目的も。お互い、指摘を受けた事項は一旦ありがたく受け止める。筋肉は傷ついて、より強くなる事からパンプアップのネーミングに。
パンプアップTIMEのKPT
ーーKeep(取り組んでよかったこと)を教えてください。
Iさん:Sさんと2人でやっていた時は、お互いスペシャリストとしてやっていたので、“もしかしたらこうするといいんじゃないかな”と思ってもなかなか言う機会がなくて、機会を作る事でちゃんと言えるようになりました。実際にその施策の良し悪しを一緒に振り返りできるので、絶対効果が出る!と思っていた施策も、実施してみると逆効果だったこともやっぱりあるんですよね。それが学びになりましたし、相手へのリスペクトもより生まれました。
Sさん:やってみないとわからないことだから、たとえ効果がなかったとしても新しい着眼点で実施することに価値があったと思います。メンバー同士が自社メディアのことをより深く知る機会が作れたので、チームとしての底上げや属人化も防げました。
Nさん:今までやったことのないプロモーション媒体に触れたからこそ自分自身の新しい施策にも繋がりましたし、普段からアドバイスをもらっているものの、定期的に指摘をもらえる場があることで安心して取り組めました。
Iさん:パンプアップTIMEが架け橋となって、新しい広告手法へのチャレンジなど全社横断のチームらしい動きができたのも良かったと思います。
ーーProblem(取り組みの課題)はありましたか?
Sさん:うーん、強いて言えば、新しい手法や切り口を取り入れるので、一時的に結果としての数字が下がるリスクはあることですかね。でも、回を重ねれば成果に結びつく感覚はあります。
Iさん:取り組み自体ではないんですが、ちょっとブットビTIMEに近い形になってしまって、そのすみ分けが難しかったことですね。
Nさん:たしかに、パンプアップTIMEでの指摘をブットビTIMEで解決するといいのかもと思っていました。
ーーでは、Try(どんな仕組みを取り入れるか?)を教えてください。
Iさん:ブットビTIMEは既存施策のブラッシュアップ、パンプアップTIMEは個人のスキルアップが目的になってるので、改めて取り組みの定義をチームで確認して実施していきたいですね。
Sさん:まだ回数が少ないので、これからも定期的に継続して開催してもっと成果に結びつくようにしていきたいと思います。
まとめKPT:
K:チームでのスキルの底上げ、属人化を防ぐ連携強化につながる
P:強いて言えば一時的な数値の低下と施策同士のカニバリ
T:取り組みの意義を再確認し、定期開催で成果に結びつける
施策③「クリエイティブバトル」
クリエイティブバトルの説明/実施背景
チームのメンバー3人がそれぞれに、配信する広告のクリエイティブ(画像や広告文のテキスト)を考え、同条件で同時に配信をした時に誰のクリエイティブが効果が良いかを競う施策。不定期開催で、新しく広告出稿する媒体の初出稿時などに実施。仮説検証の引き出しを増やし、制作本数も増やす仕組み化を目的にしています。
クリエイティブバトルのKPT
ーーKeep(取り組んでよかったこと)を教えてください。
Iさん:数値で良し悪しが決まるので、いいです!すごく…!競争が楽しくて、結果が出る時に一人でやるよりドキドキワクワク出来るんですよね。
Nさん:いつも結果発表が楽しみでした!
Sさん:まさに、カルチャーの「競争と協調」かもしれないですね。年齢も立場も違うので様々なクリエイティブが出て、目的としていた仮説検証や制作本数を増やす仕組みとしても機能したと感じています。
Iさん:同じ条件でやるから、新卒のNさんが勝ったことも結構あったんです。結果を見て、強みの発見や自信に繋がるし、反省点を見つけられるし、自分のクリエイティブをちゃんと数字で評価できるのが良かったです。自分にはないアイディアを見れるのも勉強になります。
ーーProblem(取り組みの課題)はありましたか?
Sさん:画像もテキストも全部それぞれが自由に選んでいるので、どれが勝ちパターンか考察しづらいことですね。
ーーでは、Try(どんな仕組みを取り入れるか?)を教えてください。
Iさん:効果検証の考察の時間をチームでもっとつくりディスカッション出来ると、PDCAが回せてノウハウ蓄積に繋がりそうです。
Sさん:これからも継続的にやっていきたいですし、新しくはじめた媒体以外でも定期的に実施できるといいですね。
まとめKPT:
K:チームでの「競争と協調」に繋がる
P:どの要素が良かったのか、勝ちパターンが見えづらい
T:定期的に開催し、実施後はチームでPDCAを回してノウハウ蓄積
まとめ
ーーチーム力強化の施策、全体を振り返ってみていかがですか?
Iさん:全体を通して1番良かったのは、チームでのコミュニケーションが増えた事で、目的としていた「チーム力」を高める仕組みにも繋がったんじゃないかなと思います。
Sさん:チームのフェーズとしても、今までの2人がお互いに自分の結果にコミットする所から3人のチームでやる体制に変えられたこと、ボトムアップで施策提案から実施まで出来たのも良かったと思っています。新人育成という面でも、内容が幅広く多岐に渡るし、出てくる専門用語をどれくらいNさんがキャッチアップできているのか、施策を続けていく中で成長を感じられました。
Nさん:普段からアドバイスは沢山もらってますが、定期的に指摘・アドバイスしてもらえる「場」を用意してもらえることで不安が軽減できました。自分だけでは出来ていないことにすら気づけないこともあったと思うんです。
ーー今後についてはいかがでしょうか?
Sさん:定常業務との兼ね合いが難しいことが課題としてはありますが、まだ3か月なので、運用しながら最善の方法を考えていきたいです。
Iさん:この施策から面白いことを世に出せたね!とチームで振り返りたいですよね。
Nさん:他のチームのメンバーからこれらの施策について質問をされることも多いので、もっとチーム力UPに関する運用ノウハウをためて、いつか取り組みがウエディングパークのカルチャーになったら嬉しいです。
Sさん:「競争と協調」のカルチャーの中で、「競争」の要素をもっとこのチームから全社に発信していきたいですし、今回の施策から成果を出して、社内での表彰にも、社外でも外部登壇やアワードの受賞にも繋げたいと思っています。
ーーありがとうございました!