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ウェルモでの仕事は「遠回しな親孝行」。大手SIerのシステムエンジニアが介護ベンチャーに挑む理由は社会課題解決への意欲だけではなかった。


【プロフィール】
伊藤 智彦 ITO TOMOHIKO
プロダクト開発本部
千葉県出身。早稲田大学法学部卒業。シンプレクス株式会社に入社後、FX・仮想通貨取引システムの設計、開発、運用/保守に従事。ビジョンに共感し2021年1月にウェルモに入社。地域資源を見える化する「ミルモネット」と、独居高齢者の生活行動をモニタリングする「居宅内モニタリングサービス」の開発を担当している。

前職でクライアントが過去最高売上を達成。しかし素直に喜べなかった

----ウェルモ入社前は何をやっていましたか?

ウェルモ入社前に2社を経験しました。新卒で入社したのは大手メーカーで、そこでは年功序列がガチガチでした。入社したばかりの私は何も任せてもらえず、紙に書いてある数字をエクセルに打ち込むなど、やりがいを感じられない仕事ばかりしていました。

そこで転職を決意し、前職の金融系のシステムを開発する会社に移りました。この会社を選んだ理由は、システム開発の上流の要件定義から下流の運用保守まで、すべてを経験できると思ったからです。またメーカーでは「ものを作れる人がえらい」という価値観を感じたので、私は文系ですが「何かを作れるようになりたい」と思ったことも、開発会社を選んだ理由です。

入社してみて、期待どおり、私の希望は叶えられました。システムの保守やお客様の要望のヒアリングから、要件定義など幅広い仕事を担当しました。金融系のシステムは「絶対にダウンしないこと」を求められますし、セキュリティなどの要求も厳しいです。お客様からの要求を満たすために夜遅くまで勤務が続くことも多かったのですが、あまり辛いと感じることもなく、やりがいを持って働いていました。

ただ、新型コロナウイルスの影響拡大をきっかけに、心境が変わる出来事が起きました。私が担当したFXのシステムによって、顧客である証券会社が大儲けした一方で、エンドユーザーが大損している状況を見たのです。

FXは構造として、多くのエンドユーザーが損をするようになっています。コロナによって経済的な不安が広がり、FXを始める人が増えましたが、結果としてそうした人たちがお金を失っていたのです。顧客の証券会社は大きな利益を得ていましたが、「こんなことのために自分はがんばっているのか…」と考えるようになりました。どうせ労力をかけるのなら、もう少し自分が納得できる領域で働きたいと思うようになり、再び転職を考え始めたのです。

----ウェルモへの入社理由はなんですか?

実はそれほど明確な理由があったわけではないんです。漠然と「金融以外で良さそうな会社はないかな」と探しているときに、ウェルモの人事の方からメッセージをもらったことが、ウェルモを知ったきっかけです。それからウェルモの情報を集めていくなかで、「あたりまえの幸せを、すべての人に」というビジョンや「日本が直面する介護の課題を解決する」という姿勢を知り、共感しました。自分の中で「これは当たりだな」という感覚を持てたのです。

ちょうど祖母が特別養護老人ホームに入ったタイミングだったことも影響しています。それまで介護に興味はなかったのですが、身近で介護の問題を感じるようになっていたため、ウェルモの事業に興味を持ちました。

あとは最初のカジュアル面談でお会いした社員の方が非常に好感が持てて、一緒に働きたいと思ったことも、ウェルモに入社した大きな要因です。偶然なのですが、その方とは出身高校が同じだったこともあり、すごくリラックスして話せました。

最初の面談での印象が良かったので、あとはそのまま選考を進んでいくうちに、自然と入社する流れになったという感じです。他に選考が進んでいる会社もなかったので、特に悩むこともなく、ウェルモへの入社を決めました。

ウェルモで働き始めると「人柄が良い人が多いな」と感じました。あいさつをすれば返ってくることが、うれしかったですね。それまでの職場ではなかったことだったので。

ウェルモのサービスが叶えるのは、大きな社会課題解決と、身近な人の幸せ

----現在、ウェルモで何をしていますか?

プロダクト開発部にて、居宅内モニタリングサービスの開発リーダーをつとめています。家電の利用データを元にして、居住者の生活レポートを自動で作るサービスで、東京電力との協業プロジェクトです。このサービスを使えば、プライバシーに配慮しながら「離れた場所で暮らす親の様子を知りたい」といったニーズに応えられます。現在は実証段階で、製品化を目指しているところです。

【シリタカ!DX】民間DXを誘致する福岡市の取り組みとは

https://youtu.be/pvUxzJtXFSQ

プロダクト開発部には、私が所属する「開発チーム」とは別に「業務チーム」があります。業務チームが事業の責任者であり、彼らの技術的な要求を実現することが、開発チームの役割です。そのため私たち開発チームにとって、業務チームが直接の「お客さん」と言えます。逆に言うと、介護の現場で働く人などのエンドユーザーとの接点が少ないことが、開発チームの特徴です。

私の主な仕事は、開発チームと業務チームをつなぐことです。たとえば、以下のことを行っています。

・業務チームが求める機能が技術的に実現可能かを判断

・機能を実装するために不足している情報を指摘

・開発チームのメンバーに依頼する仕事の要件を決定

・開発スケジュールを作って管理

・自らエンジニアとして手を動かす

入社する前から「開発以外も色々やってほしい」と言われていて、それは自分の希望とも合っていたので、楽しくやれています。ウェルモではある程度それぞれが裁量をもって仕事を仕事を進められる点もいいですね。

一方で、介護業界は法律でガチガチに縛られているため、前職とは違った大変さも感じます。法律の改正には最低でも4年はかかりますし、実現する保証もありません。「現場で試してみる」ことができないため、開発に対するレスポンスの少なさや遅さには、戸惑いもあります。やっていることに対してフィードバックが得られないのは、もどかしいです。がんばって実装したものが「けっきょく使われないかも」という不安もあります。





エンジニアには介護の経験がない人が多くて、私もそうです。ただ介護の現場を知っておくべきだいう思いはあるので、業務チームが現場に行くときに、積極的に同行するようにしています。それだけでなく、デイケアのボランティアに1日行ってみたりもしました。

実際に現場に行って「これだけたくさんいる利用者に対して、介護する側の人はこんなに少ないのか」などと実感できたことは大きかったです。そのとき見た入居者の方の顔が、仕事中に浮かぶことがあります。開発では苦労することも多いですが、ユーザーさんや社内メンバーからの感謝の声が、大きなやりがいになっています。

---これからウェルモで何をやっていきたいですか?

開発中の居宅内モニタリングサービスの商用版をリリースしたいです。現在はひとつの機能の実装を終えても、すぐに「こんな機能もほしい」という話が出てくるなど、落ち着くヒマがありません。早く大変な開発時期を乗り越えて、安らかに眠りたいです笑。

もし自分の親が居宅内モニタリングサービスを使ってくれれば、私も安心です。ウェルモでは、「安心して介護を受けられる世の中を実現する」と考えて日々仕事をしている人が多い印象があります。があります。ただ私自身のモチベーションとしては「苦労をかけた自分の両親に老後ぐらいは幸せに暮らしてほしい」という思いが強いです。私がやっていることは「遠回しな親孝行」なのかなと思っています。

ウェルモで一緒に働きたいのは、介護という大きな社会課題に取り組みたい人や、他の人のために働ける利他的な人です。でもそれだけでなく「自分は何も興味ないんです」という人も歓迎したいです。「やりたいことがない」と感じている人に、世のためになる仕事の良さを感じてもらえたらいいなと思います。

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