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【凱旋門理論】 企画職を目指しているなら、パリに行ったら凱旋門には行くな!?

当社の募集にたくさんのご応募をいただき、誠にありがとうございます。

当社はコンテンツ企画制作の会社です。企画職の募集をしており、「これまで全く関係のない部署だったが、企画職にも挑戦してみたい」という会社員の方、「これから企画職を目指そうと思っている」という学生の方など、企画職未経験の方からも、たくさんのご応募をいただいています。

しかし、企画職というものを「自分の頭の中のアイデアをポンと出せばいいだけのラクな仕事でしょ?」と勘違いしているような方も散見するので、そういう方々の対応に時間を取られるのもお互いにとって良くないと思い、企画職に関係するお話をここでさせていただこうと思います。


私は自社に関わるプランナーやディレクターの方々、またクライアントの方々などによく、「凱旋門理論」というお話をすることがあります。

「凱旋門理論」とは、

●一番に思いつくような題材の情報には、大した価値がつかない

ということを指します。

ここでいう凱旋門というのは、パリのシャルル・ド・ゴール広場にあるエトワール凱旋門のことです。

ヨーロッパに旅行に行くと、パリに行って凱旋門は見ておこうと思う人が多くいるほど、凱旋門というのはヨーロッパ旅行やフランス旅行で真っ先に思いつく観光スポットです。

だから、凱旋門というのはもうすでにたくさんの日本人が行っている場所であり、ガイドブックでも必ずと言っていいほど載っていて、ウェブを見れば情報はいくらでもあるし、写真もたくさんネットで出てきます。

そんな凱旋門に行って「あの凱旋門に行ってきました!」と発信する体験は、情報価値としてはほぼゼロと言えます。SNSで知り合いから「いいね!」がつく程度です。

まだ凱旋門に行ったことのない自分にとっては「ついに、あの凱旋門に行った!」と特別なことのように思ってしまうのですが、他の人からすると「なんだ、あの凱旋門に行っただけか」と見向きもされないということです。


当社には大学生のスタッフもこれまで多くいたので、「卒業旅行にフランスに行くことなったんですけど、まだヨーロッパに行ったことなくて、どこかオススメの場所ってありますか?」といったことをよく聞かれました。

そんな時に私がよく言っているのは、

「どこに行ってもステキだから、どこでもいいよ。ただし、凱旋門とエッフェル塔は行くなよ」

ということです。

それは、凱旋門やエッフェル塔が魅力がない悪い場所だということではなく、「いつだって行ける機会がある」ということです。

大学生はまだまだこれから長い人生なのだから、凱旋門やエッフェル塔など観光ツアーのド定番の場所は、老人になってからでもいくらでも行くことになるでしょう。それだったら、若い頃にしか思い切って行かなそうな場所に行っておこうかなと思ったほうがいいです。

それで、他の日本人ならば行かないパリの裏路地や郊外の田園風景などを見に行ったならばきっと、「フランスっていいな、もう一度行きたいな」と思うようになり、3度4度と行くうちに「ここから凱旋門が近いから、ちょっと行くか」という機会はいくらでも出てくるはずなんです。

でも最初から凱旋門やエッフェル塔狙いで行く人は、「みんなが行っているから」という場所をなぞっているだけで、いくらでも情報が入る場所に行って「なるほどね」と情報の確認に行くだけ。

そして、それでパリを知った、フランスを知ったという錯覚に陥ります。そんな人は「凱旋門は噂通り、よかったわー」などと言いながら、その後にパリに再び行ったかというとそういうことはなく、どうせ「フランスの凱旋門を見たから、次はニューヨークの自由の女神に行こう」などと、またド定番の場所をなぞっていくだけになります。

そういう人が、いざフランスの話になった時、「フランス、1回行ったことあります! 凱旋門よかったですー。大きかったですー」と、びっくりするぐらい浅い知識でしか話をしません。フランスに精通している人からすると、こんな浅い知識をひけらかそうとする人よりも、まだ一度もフランスに行ったことがない人に話をするほうがよっぽどラクです。


つまり、自分の体験を価値ある情報や企画に結びつけたい、自分の時間を価値あるものにしたい、という企画職を目指すならば、この「凱旋門理論」のようにド定番のところから目指すのではなく、まず他の人ならば選ばない道から選ぶ癖をつけたほうがいいですよ、ということです。

くれぐれも言っておきますが、凱旋門が悪いというわけではないですよ。

まずド定番から行くという視点を変えましょう、ということです。

「大阪といえば、たこ焼きですよね」「福岡と言ったら、ラーメンですよね」「女子と言ったら、タピオカですよね」といったド定番の結論から入るなよ、ということです。

そういう意識を持つだけで、企画職としてのスキルやセンスはガラリと変わります。


当社は、風景を共有する「Paddy」というiPhoneアプリを開発・運営しています。

すでに国内外の風景が12万枚以上登録され、いろんな風景の撮影位置が分かるアプリです。

風景を共有するiPhoneアプリ「Paddy」

そのため、旅行や散歩にまつわるプロジェクトを多く持っており、プランナーやディレクターも募集させていただいていますが、まず書類選考では「凱旋門理論」が大きな基準になります。人と同じような旅行しかしていない、他人と似たようなコースでしか動けないような人は、当社の仕事には向いていないと思われます。

フランスに行ったことを話すのに、凱旋門やエッフェル塔、ヴェルサイユ宮殿やモン・サン・ミシェルの話を第一にされても、恐らく当社のプロジェクトでは「東京タワーに行ったようなものですね」で済まされてしまうと思います。

もっともっと、その道の第一線の方に「えっ、そんなところを知ってるの!?」とワクワクしてもらえるような、そんな視点が持てる方にご応募をいただければとっても嬉しいです!

あなたがこれまで行った場所の中で、聞き手がワクワクしそうなお話ができる場所は、どこですか?

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