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「居住地フリー制度」で静岡へ 「日常生活に山を取り込む」YAMAPプロダクトマネージャーの軌跡

今回ご紹介するのは、ヤマップが2022年7月に導入した「居住地フリー制度(全国どこに住んでもヤマップで働ける制度)」を利用して、福岡から静岡に引っ越した大塩雄馬さん。2017年に入社し、エンジニアを経てプロダクトマネージャーを務めています。会社の成長を肌で感じつつ、20代ながら今では会社の戦略会議にも参画する大塩さんに、社内の雰囲気や特徴、仕事のやりがいなどをざっくばらんに語ってもらいました。

※ヤマップ居住地フリー制度について https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000121.000011352.html

目次

▶東京のIT企業で働きながら、趣味として始めた登山に傾倒

▶決め手はユーザー目線で開発できること

▶未来の不確実性にワクワクする

▶思想の源泉は「社会や人にいいこと」

▶登山体験のアップデートに関わる喜び

▶日常生活と山を地続きにできる

▶YAMAPを全登山者のベストパートナーに

東京のIT企業で働きながら、趣味として始めた登山に傾倒



―大塩さんは「居住地フリー制度」ができて静岡に移住されたとのこと。静岡になじみがあるのですか。

大塩「静岡は僕の地元で、高専を卒業する20歳まで暮らしていました。子どもの頃はどちらかというとインドア派でしたが、たまに親に連れられて川や海、キャンプに行っていた思い出があります。」

―高専を卒業後はどうされましたか。

大塩「東京で働きたくてIT企業に就職し、エンジニアとしてキャリアをスタートしました。創業30年ほど、700人ほどが働く会社で、アプリやウェブサービスの開発に携わりました。不動産の賃貸物件、スポーツクラブやジムを検索するアプリなど、実際にユーザーさんが使うサービスを開発。自分が手を動かして作ったものが多くの方に使われるという実感があり、エンジニアとして働くやりがいを感じていました。

働き始めて1年ほどして、なぜか山に登りたいという気持ちが急に湧いてきて、ひとりで登山を始めました。どうしてなのか、自分でも不思議です(笑)。」

―突然、山に目覚めたのですね。

大塩「初めての登山で、圧倒的なスケールの大自然に魅了されました。このときに『自分の生きる場所はここだ』と確信し、登山にハマっていったのです。それ以降は週末になると、関東近郊をはじめ北陸あたりに遠征することもありました。初めのうちは紙の地図を使っていたのですが、しばらくしてYAMAPのアプリを見つけて、『これは便利だ!』と使い始めました。」

決め手はユーザー目線で開発できること



―YAMAPユーザーになったことが転職につながったのでしょうか。

大塩「実はもともと転職したいという気持ちはなく、同僚が転職するというので、どんな仕事があるのか興味本位で調べてみたら、ヤマップがアプリのエンジニアを募集しているのを見つけて。がぜん興味が出てきて、思わず福岡まで話を聞きに行ったんです。

2016年末当時、まだ10人ほどの会社でした。代表の春山と話をする中で、『いつから来れそう?』と言ってもらい、『ちょっと持ち帰らせてください』とその場は帰って。でも、この時点で心の中ではほとんど決まっていて、その日の東京への帰り道には転職を決断し、2017年の春に入社しました。」

―転職の決め手は。

大塩「自分が使っているYAMAPというアプリを作っている会社というのが一番の理由です。前職で不動産やジムのアプリを手がけていても、自分は不動産の売買やスポーツクラブを利用しないのでユーザーの気持ちが分からないまま作っていて、もどかしさがありました。でも、YAMAPは自分がユーザーなので、自分が課題に思うことイコール、ユーザーにとっての課題であり、『間違いない』という感覚がありました。

未来の不確実性にワクワクする



―2017年春、福岡に移住して入社されたのですね。どんな印象でしたか。

大塩「本当に生まれたばかりの会社に飛び込んだ感じでした。前職が大きな会社だったのもあり、社員10人で制度も整っていない状態に『こういう形の会社もあるんだ』と正直驚きました。

ただ、半年後に会社がどうなっているか分からないような不確実性が、僕にとってはとても面白かった。アプリのダウンロード数が前年比何倍という感じで増えていくのもワクワクしました。」

―アプリのエンジニアとして採用されたのですか。

大塩「そうです。技術的には前職の経験を生かせるものの、YAMAPならではの作り方や専門知識も必要で、学びながらキャッチアップして取り組みました。」

―ベンチャーかつエンジニアというと、勝手ながら、あまり休めず深夜まで働くイメージがあります…。

大塩「いえいえ、ヤマップのエンジニアは、僕が入社したときから今でもしっかり休める環境です。開発は1日8時間×5日間働けば、間に合うようにスケジューリングされているので。もちろん突発的なことへの対応はありますが。」

思想の源泉は「社会や人にいいこと」



―ホワイトな会社ですね。2021年にプロダクトマネージャーになり、今はどんな仕事をされているのですか。

大塩「会社の戦略を検討する上位レイヤーと、開発チームの間に立つポジションです。プロダクトマネージャーは4人いて、それぞれの開発チームで、いつ・何を・どのような優先順位で開発するかということに責任を持っています。」

―ということは、会社の戦略を検討する会議に参画するのですか。

大塩「はい、経営陣をはじめ、営業やマーケティング、ストア、データ分析など各部門のトップ、そしてプロジェクトマネージャーなど約20人が参加する会議で意思決定をしています。20~40代くらいで女性のメンバーもいて、誰でも発言しやすい雰囲気です。」

―100人規模の会社で、約20人が集まって方向性を決めるというのはすごいですね。。

大塩「普通、もっとひと握りの少人数で検討されるようなイメージがありますよね。情報をできる限りオープンにするというヤマップらしさの表れといえそうです。ほんの一握りのトップ層が何かを決めて、それが下りてくるのではなく、みんなで方向性を考える雰囲気があります。」

―他にもヤマップらしいと感じることがあれば教えてください。

大塩「春山がずっと言っているのは、儲かればいいわけではなくて、社会や誰にとってもいい影響を与えられる事業をやり続けること、よいインパクトを社会にもたらしていくこと。そこを源泉として、自分たちが何をやるべきか考えるマインドセットが社内に行きわたっていると思います。」

登山体験のアップデートに関わる喜び



―プロダクトマネージャーになって、自身が変わった点はありますか。

大塩「エンジニアの頃は、自分がYAMAPユーザーで、自分が課題に思っていることがユーザーの課題だとシンプルに考えて突き進んできました。しかし、マネージャーになると、ユーザー全体にとって本当に利益になるのか、加えて会社にとっても利益があるのかなど、さまざまな視点で考えた上で判断をするようになりました。」

―仕事のやりがいについて聞かせてください。

大塩「やりがいは入社から変わらず一貫しています。山に登る人間として、自分自身の登山体験を自らの手でアップデートしつつ、それがYAMAPのユーザーさんにとってもいいものになっていく。そこに関われることが最大のモチベーションになっています。」

―自らアップデートできたと実感したことは。

大塩「いろいろありますが、一番印象に残っているのは3年前のことです。以前は山に登る計画を立てる機能がシンプルで、ポイントとポイントを直線でつなぐことしかできませんでした。しばらくして社内の技術革新でルートの情報を持てるようになり、実際の複雑な登山道に沿った計画が書けるように。その発案から実現までをリードして、結果ユーザーさんからすごく喜ばれて手応えがありました。」

―ユーザーさんの声もしっかり届くのですね。

大塩「お問い合わせや要望を受け付けるフォームがあり、そこに投稿があれば社内のツールに流れてきて、社員全員が見られるようになっています。要望からお礼までいろいろなコメントをいただくので、ユーザーさんを近くに感じられて励みになっています。」

日常生活と山を地続きにできる



―どこに住んでもOKという居住地フリー制度は、会社や働く人の可能性を広げる素晴らしい制度だと思います。どうやってできたのでしょうか。

大塩「僕が希望を口にしたことで検討され始めたのだと思います。昨年の夏頃、1on1でCTOに『コロナ禍でリモートが2年ほど続いていますが、そろそろ福岡に住んでなくてもいいんじゃないですか?』と切り出し、静岡に住みたいと話しました。すると『なるほど』と人事ミーティングにあげてくれて、実現に向けて諸々整えられて、ついに今年の夏に制度がスタートしました。制度の実現に向けては、かなり複雑な調整が必要だったと聞いています。中心となって動いてくれたコーポレートグループのメンバーをはじめ、制度確立に関わっていただいた全員に感謝しています。」

―なぜ静岡に引っ越したかったのですか。

大塩「静岡や東日本にまだ登れていない山がたくさんあるので。福岡はとても住みやすいまちだけど、九州近郊の山はこの5年でひと通り歩くことができました。
それよりは、まだ登れていないけど登ってみたい山がたくさんある地域に拠点を置きつつ、また九州の山に登りたいときにはたまに九州に行く、といったバランスがいいと思っています。」

―山が中心の人生なのですね。ある程度で満足するということはないのでしょうか。

大塩「もうこれでいいと思ったことはありません。日本には山が無数にありますから。『なぜ山にのぼるのか。そこに山があるからだ』という名言は、言い得て妙だと思います。

―居住地フリー制度で静岡に住んで、良かったことは。

大塩「毎日の通勤がないので、あえて駅から少し離れたところに住むことにしました。家の近くには川が流れ、すぐ裏には山があります。早起きをすれば、仕事前に山に登ることもできます。登山を始めた21歳からここに住む29歳の夏まで、平日はコンクリートに囲まれた都会で働き、休日になったら山のあるところへ行って登山を楽しみ、また日常に戻るという繰り返しでした。日常生活と山が完全に切り離されていたんですね。

でも、ここに住んでからは日常生活の中に山の要素を取り込めるようになりました。これが、今の場所に引っ越してきて最も良かったと思うことです。居住地フリーで、かつ通勤がないからできることですよね。都会にある会社に通勤するとなると、住む場所もそれなりに都会になってしまいますから。」

―仕事と生活が一体になっているのですね。ちなみに仕事で大変なことは。

大塩「コロナ禍で働き方がリモートベースになってから、社内のメンバーとのコミュニケーションをより丁寧にするように心がけています。特に、リモートになってからジョインしたメンバーとは、直接顔を合わせたことがないままどんな人かあまり分からない状態で一緒に仕事をすることになるので。

マネージャーとして、メンバーの状況を察しつつリモートでうまく立ち回ることや、会社全体のことを考えて優先度をつけながら仕事を進めていくことには、やはり難しさを感じています。」

YAMAPを全登山者のベストパートナーに



―大塩さんご自身の今後のビジョンを聞かせてください。

大塩「将来こうすると決めるのではなく、そのときそのときで今一番やるべきと思うことに1つずつ集中して、その積み重ねが人生になると考えています。プロダクトマネージャーも目指したわけではなく、結果としてついてきたわけで。YAMAPはプロダクトとして道半ばなので、まだ残されているたくさんの課題を解決しながら、YAMAPを全登山者にとってのベストバートナーにしたいです。」

―ヤマップに興味をお持ちの人にメッセージをお願いします。

大塩「僕はメンバー10人ちょっとの頃から会社を見てきていますが、今こうして100人規模になりつつあります。きっとこれから先もまだまだ人が増えて、会社のスケールが大きくなる面白いフェーズだと思っています。居住地フリー制度ができて、どこに住んでいても働けるようになりました。山が好きな人は、山の近くに住みたいと思っている、あるいはもう山の近くに住んでいるはず。しかし、通勤という制約が絡むと、とたんに居住地のハードルが上がってしまう。居住地フリー制度が整ったヤマップには、山が好きな人が山を捨てることなく働ける環境が整ったといえます。いろんな変化を楽しみながら、YAMAPというサービスをさらに多くの人や社会に届けて、より魅力のあるものにしていきたいという気持ちを持てる人と、ぜひ一緒に働けるとうれしいです。」


                                 (文=佐々木恵美/2022年11月)

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